Museo Fortuny "TRA -EDGE OF BECOMMING"

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町全体が芸術都市のベネチア。
ベネチア・ビエンナーレ会場をはじめ、いくつかの美術館を駆け足でまわった数日間。

展示内容でプラダ財団ーカ・コルネール・デッラ・レジーナが印象に残っていますが、展示方法で面白かったのはMuseo Fortuny(フォルチュニー美術館)です。

邸内は撮影が禁止されているので、言葉での説明のみになってしまうのが残念です。

クラシカルな邸内に現代と古典の作品とが入り混じって展示されていて、美術館というよりむしろ博物館のよう。
壁のあちこちに掛けられた絵、床に置かれた彫刻、ガラス戸の飾り棚に飾られたオブジェ。
企画展示されているというよりも、館の主人の個人的な趣味に彩られた生活空間を覗いているような新鮮さがありました。
重厚なインテリアと現代美術が不思議と融合しています。
それがなんかすごく心地よいて大好きです。こういう感じ。

訪れたらソファーにゆったり腰掛けて、所狭しと展示されている作品を時間をかけて眺める...。
そんな至福の喜びを味わうための場所に思えます。

館はペーザロ家の所有だったそうですが、最終的にマリアノ・フォルチュニー・イ・マンドラノ(1871-1949)の手に渡りました。

フォルチュニー氏は画家、写真家、布地制作、デザイナー、発明家と多才な人物であったようです。
なかでも、絹地に細かいプリーツ加工を施した「デルフォイ・ドレス」(イッセイ・ミヤケのプリーツ・プリーズシリーズを彷彿とする)を発表して人気を博したとか。
マリアノ氏が亡くなった後、夫人の寄贈により市が管理するようになり、現在に至っています。

展覧会のカタログがユニークだと思いました。

ここの展示は、一般的によくある作品名や作家名がかかれたプレートのようなものは一切壁面にありません。
番号すらありません。

筆描きでざっくりとインテリアと作品のアウトラインが描かれたイラストの下に作家名と作品名が書かれた小冊子を入場の際渡されます。
それを頼りに1点1点観賞していきます。

時間があまりなかったので、駆け足で見ましたが、
中世風の小さな小部屋の壁にジェームズ・タレルの光の作品を発見した時のサプライズは
忘れられません。
(友人は、てっきり蛍光色の紙でも壁に貼ってあるんだと勘違いしていました...笑)

TRA http://www.tra-expo.com/
↑Virtual Tourで展示風景の写真が見られます。

Fondazione Musei Civici di Venezia http://www.visitmuve.it/

Museo Fortuny http://www.museiciviciveneziani.it/frame.asp?musid=2&sezione=musei

Museo Fortuny
San Marco 3780 - San Beneto,
Venezia

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このページは、Nancyが2011年9月 8日 14:20に書いたブログ記事です。

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