2011年11月アーカイブ

思いがけず譲っていただいた、モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」のチケット。
久しぶりのオペラ鑑賞です。
日比谷の日生劇場で本日が千秋楽でした。

出演される歌手の方や今回のプログラムについて
まったく予備知識もなく劇場に足を運びました。

幕が開いて、第1幕のセットが現れるやビックリ。
邸宅の広い一室のようなつくり。
正面には巨大な絵画が掛けられているのですが、
セットの床が右上がりにわずかに傾斜していて、
巨大な額縁も何もかもが傾いています。

なんとなく危うい斜の世界で、物語は始まります。

雷のような音が響きわたります。館の外は吹きすさぶ嵐のようです。
そこに若いカップルが、一時の雨宿りをしにこの邸宅にやってきます。
扉を開けるドン・ジョヴァンニの召使いレポレッロ。
レポレッロは昔の召使い風のジャケットを着ているのにかかわらず、
この訪問者2人はなぜか、現代風のファッションで現れます。
女性はピンクの膝上ワンピース。男性はアーガイルのセーターに
ズボンという、ごく普通の現代の若者なのが、不思議な感覚を
呼び覚まします。
そして序曲が始まります。

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櫻井良夫さんによる舞台画(classic newsより)


第1幕の冒頭の説明だけでも、
今回の公演が非常に斬新な演出であることが
伝わるのではないでしょうか。

幕間に読んだ広報誌で理解できました。
ドイツのライン・ドイツ・オペラとの共同制作で、
演出を担当されたカロリーネ・グルーバーさんは
世界を舞台に活躍する、最もホットな女性演出家の
一人なのだそうです。
伝統にとらわれない解釈(石像はなく最後、
司教のような衣装をまとった騎士長の霊で登場)もあって、
独創的な作品に仕上がっています。

このグルーバーさんの世界観については、
植村教授のブログに詳しく書かれているので、
そちらを読んでいただくとより分かると思います。

宮本益光さんのドン・ジョヴァンニは、とてもセクシーで
ドンファンという役所を見事に演じていたと思います。
彼が革張りの2人掛ソファを、後ろからひらりと飛び越えて腰かける
ところはあまりにも素敵で、女性を魅了するジョヴァンニがまさに
そこに居るようでした。
レポレッロとのかけあいのシーンも非常に愉快。
このレポレット役の大塚博章さんも実力のある方で、
客席からの歓声もひときわ大きかったです。

ドンナ・エルヴィラ役の小林由佳さん、
ツェルリーナ役の盛田麻央さんも
良かったと思います。

ちょっぴり刺激的で、素敵な「ドン・ジョヴァンニ」に拍手。
Yさん、チケットを本当にどうもありがとうございます。

=== 以下は公演メモ====

二期会創立60周年記念公演「ドン・ジョヴァンニ」
ドラマ・ジョコーゾ全2幕

ドイツ ライン・ドイツ・オペラ(デュッセルドルフ/デュイスブルク)との共同制作

【 11/27(日)公演配役 】
ドン・ジョヴァンニ(バリトン)・・・・・・宮本益光
騎士長(バス)・・・・・・斉木健詞
ドンナ・アンナ(ソプラノ)・・・・・・文屋小百合
ドン・オッターヴィオ(テノール)・・・・・・今尾滋
ドンナ・エルヴィーラ(ソプラノ)・・・・・・小林由佳
レポレッロ(バスもしくはバリトン)・・・・・・大塚博章
ツェルリーナ(ソプラノ)・・・・・・盛田麻央
マゼット(バスもしくはバリトン)・・・・・・近藤圭

指揮:沼尻竜典
演出:カロリーネ・グルーバー
衣装:メヒトヒルト・ザイペル  装置:ロイ・スパーン  照明:山本英明
演出助手:家田淳  舞台監督:大仁田雅彦 飯田貴幸  公演監督:三林輝夫
合唱:二期会合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル  管弦楽:トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ
共催:日生劇場[公益財団法人ニッセイ文化振興財

蕎麦 案山子

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芝公園から歩いて数分のところにある「蕎麦 案山子」。
ここのお料理の話を聞くにつけ、一度は訪れてみたいと思っていました。
念願叶い? このお店の常連さんのご案内でやってまいりました。

カウンター席でお酒の注文を迷っていると、店主の山田健人さんが
冷でいただくなら「石鎚(いしづち)」がおすすめと教えてくださいました。
「石鎚」は西日本最高峰「石鎚山」のふところで名水の町として呼び声の高い
愛媛県西条市の酒蔵で作られたお酒だそうです。
一口含むと少し甘い上品な味が広がり、つづく料理への期待が膨らんできます。

まず一品目、季節の料理メニュ「前菜盛合せ」。
(左上から時計回りで)嶺岡豆腐、子持ち昆布、守口大根、栗渋皮煮、
(中央)子持ち鮎煮浸し。

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守口大根にまぶしてあるのは、特製のからすみ。なんと贅沢な!

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この季節ならではの「松茸焼き」。小鉢の蓋をあけるとふわーといい香り。

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こちらも季節の献立の一つ。どうしてもいただいてみたくて...
素敵な演出のお皿に、このお店の芸術性の高さを感じます。

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海老芋と生麩の揚出汁。

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案山子定番の献立、「カブの茎味噌チーズ」。
味噌とチーズの絶妙な味がたまりません。
かぶのしゃきしゃき感とすごく調和しています。
お勧めですよ。

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からすみ。親指ぐらいはある大きさにびっくりです。

ここまでで、お酒は「石鎚」につづいて、「山和」(宮城)、「宗玄」(石川)など
いただきました。ほろ酔いで、「福子の天ぷら」と「蓮根のきんぴら」は
写真を撮り損なってしまいました。

〆はやはり蕎麦。「そばつゆだけでお酒が飲める」そんなそばつゆです。
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この器を見ると、山田さんの師匠の翁 高橋邦弘さんを思い浮かべる、と
お店を案内してくださった方がおっしゃっていました。
蕎麦の世界も奥が深いですね。
そして、案山子の蕎麦の美味さは、言うまでもありません。
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このお店は山田さんと斉藤さんという2人の料理人さんの
コラボでやられています。
3年前にオープンしたという案山子。
当初、蕎麦とちょっとした酒の肴を出すお店として、山田さんが始めたところ
斉藤さんの創作料理が加わって、今のスタイルになったのだそうです。
季節の献立は斉藤さんの手によるもの。
四季折々、訪れたくなります。

最後にいただいたお茶がまたほんのりショウガの
香りがして、心が休まります。

お隣には、比較的お若い女性のお一人様もいらしていて、
世代を越えて愛されるお店なんだなあと思いました。

今度は温かい汁蕎麦をいただきたいですね。

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蕎麦 案山子
港区芝2丁目12−9
TEL:03-6272-4416
http://sobakakashi.ikidane.com/

今日はあいにくのお天気。
吹き付ける風雨で、レインコートとブーツに守られていない膝小僧が
びっしょりになりながら、原宿からNHKホールに向かいました。

今年で第9回目を迎えたNHK音楽祭2011の
本日は最終日。
パーヴォ・ヤルヴィ指揮、パリ管弦楽団とダン・タイ・ソンによる
シューマンのピアノコンチェルトを中心としたプログラムです。

=== プログラム ===
メシアン:忘れられたささげもの
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54

【アンコール曲 ダン・タイ・ソン演奏 】
ショパン:マズルカ 第17番  変ロ短調 ( Op.24-4)
---- 休 憩 -----
ストラヴィンスキー:バレエ音楽 「ペトルーシカ」
【アンコール曲】
ビゼー:小組曲「こどもの遊び」から「舞踏会」

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パリ管弦楽団は団員一人一人がまさに個性的なアーティスト。
エスプリのお国柄でしょうか?どこか粋で遊び心を感じる演奏に思えました。
それを一つにまとめるのは、指揮者の力量にかかっているのでしょうね。
いずれにしても、パリ管が一流の演奏家集団であることは間違いありません。

ストラヴィンスキーの「ペトルーシカ」は友人も絶賛していて異論のないところだと
思いますが、私は逆に、メシアンの「忘れられたささげもの」が、こんな素晴らしい曲
だったかな?って今日の演奏で思ったくらいです。
ピアニッシモの音の美しさは見事。
例えば、第一ヴァイオリンだけでも何人もいるのに、
音がまったくぶれず、一つになって客席に聞こえてくるのですから...

パリ管弦楽団の演奏についてはさておき、
今日の注目はピアニストのダン・タイ・ソンです。

今年のNHK音楽祭は「華麗なるピアニストたちの競演」。
ボリス・ベレゾフスキー、シプリアン・カツァリス、エフゲニー・キーシンといった
そうそうたるピアニストを主役にプログラムが組まれています。
その最後を飾るのが、ダン・タイ・ソン。
彼はアジア人で初めてショパンコンクールに優勝した
ピアニストとしてながいこと世界中で演奏活動を行っています。
実はあまり詳しいプロフィールは知らないのですが、
1987〜90年国立音大の客員教授もされていたとか。
もし、私もそのまま音大に行っていたら(時期的にも)接点があったかも...
なんてね。

シューマンのピアノコンチェルト。数々のピアノ曲を作曲したシューマンですが、
完成したピアノコンチェルトは1曲しかありません。
私の大好きな協奏曲の一つです。

ちょっと個性的なパリ管に負けないくらい、彼らしい演奏だったと思います。
シューマンのピアノコンチェルトはけっこうよく聞く曲なので、
自分の中では口ずさめるくらいインプットされているにもかかわらず、
「え?」と思わせられる、ハッとする箇所がところどころにあって、
いい意味での緊張感のようなものがあったように思います。
やはり生で聴く音楽は、いい!

演奏会の帰り、友人と食事に行ったのはパルコにある
ベトナム料理 Nha Viet Namというお店。
"バイン・セオ"という屋台の名物料理をいただきながら、
演奏会の話に花が咲いた1日でした。

G. Puccini "TOSCA トスカ" 第3幕

第3幕の舞台は「聖アンジェロ城の屋上」です。

<物語>
 カヴァラドッシは夜明けに行われる処刑を聖アンジェロ城の牢屋で待っています。彼は司祭との面会を断り、看守に指輪を与えてトスカに伝言を渡すよう頼みます。そしてトスカへに宛てた手紙を書きはじめますが、幸せだった日々を思い出し感極まって泣いてしまいます。(ここで歌われるのがテノールのアリアで有名な「星も光りぬ/E lucevan le stelle」)

<歌詞「星も光りぬ/E lucevan le stelle」>
E lucevan le stelle
e olezzava la terra,
stridea l'uscio dell'orto,
e un passo sfiorava la rena.
Entrava ella, fragrante,
mi cadea fra le braccia.
O dolci baci, o languide carezze,
mentr'io fremente
le belle forme disciogliea dai veli!
Svanì per sempre il sogno mio d'amore,
l'ora è fuggita
e muoio disperato, e muoio disperato!
E non ho amato mai tanto la vita, tanto la vita!
輝く星々 
香る大地
きしむ庭の戸
砂を踏む足音
現れた彼女は花のごとく香り
私の腕の中へ
ああ 甘い口づけ
とめどない愛撫
僕は震えながら
まぶしい女体を露わにしていく
永遠に消え去った僕の愛の夢
時は過ぎ 絶望の中で僕は死んでいく。死んでいく。
これほど命を惜しんだことはない、これほど。


 そこにトスカが現れ、これまでの成り行きを話して聞かせ通行証を見せます。カヴァラドッシは、自分の命を助けるかわりに身体の関係を迫った卑怯なスカルピア男爵をトスカが刺し殺したことを聞き、彼女の手をとり「おおやさしい手よ」とトスカの愛情と勇気をたたえます(「優しく清らかな手」)。時間が迫ったことを告げるトスカに、カヴァラドッシは君ゆえに死にたくなかったと語り、トスカと互いの愛情を歌います(二重唱「新しい希望に魂は勝ち誇って」)。


 トスカは、カヴァラドッシにうまく死んだフリをするよう言いいます。並んだ兵士の銃声が鳴り響き、カヴァラドッシは倒れます。トスカは彼の演技が上手だとほめます。兵士たちが去ったのをみてトスカはカヴァラドッシに近づき、逃げようと声を掛けますが彼は動きません。処刑は本物だったのです。トスカは死んで横たわるカヴァラドッシの傍らでスカルピアの計略を悟り、マリオの名を呼んで泣き叫びます。そこに、スカルピア男爵が殺害されたのを知った兵士たちが、トスカを逮捕しようと迫ってきます。トスカは、スカルピア男爵にあの世での復讐を誓い、サンタンジェロ城の屋上から身を投げるのでした。(終)

G. Puccini "TOSCA トスカ" 第2幕

第2幕の舞台は「ファルネーゼ宮殿」

スカルピア男爵は公邸としているファルネーゼ宮殿で夕食を取っていると、カヴァラドッシが連行されて来ます。
外では戦勝を祝うトスカのカンタータが聴こえてきます。スカルピア男爵は歌い終えたトスカを呼ぴ、恋人カヴァラドッシが拷問にかけられ、苦しげにうめく声を聞かせます。トスカは、耐えきれずにアンジェロッティの居場所を白状してしまいます。
拷問室から出て来たカヴァラドッシは、トスカが友人を売ったことを知り彼女をなじります。そこにナポレオンの敗退は誤報で、実は勝利したという報が届くのです。カヴァラドッシは狂喜してスカルピア男爵を罵りますが、怒った彼はカヴァラドッシを投獄してしまいます。助命を願うトスカ。しかしスカルピア男爵は、彼女に言い寄り、自分のものになればカヴァラドッシの処刑に空砲を使って命を助けてやろうと嘘をつきます。トスカは絶望し、何故このような過酷な運命を与えたのかと神に助けを求めて祈るのです。
(ここで歌われるのが有名なアリア「歌に生き、愛に生き/Vissi d'arte, vissi d'amore」)

<「歌に生き、愛に生き/Vissi d'arte, vissi d'amore」歌詞>
Vissi d'arte, vissi d'amore,
non feci mai male ad anima viva!
Con man furtiva
quante miserie conobbi aiutai.
Sempre con fè sincera
la mia preghiera
ai santi tabernacoli salì.
Sempre con fè sincera
diedi fiori agl'altar.
Nell'ora del dolore
perchè, perchè, Signore,
perchè me ne rimuneri così?
Diedi gioielli della Madonna al manto,
e diedi il canto agli astri, al ciel,
che ne ridean più belli.
Nell'ora del dolor
perchè, perchè, Signor,
ah, perchè me ne rimuneri così?

歌に生き、愛に生き、
ひとたびも生ける者に悪しきことなさざりき!
ひそやかに、かずかずの貧しきに手をのべて、救いたり。
まことなる信仰もちて、いつの日も、
わが祈りをば祭壇にのぼせしに、
まことなる信仰もちて、いつの日も、
祭壇にみ花捧げしに、悲しみに苦しめるいま、
なにゆえに、などて、主よ、かく報いたもうや?
宝石のかずかずを、マドンナのみころもに、
歌によりいやましに微笑え  みかくる。
み空なる星々に、その歌を捧げしに、
悲しみに苦しめるいま、
なにゆえに、などて、主よ、
ああ、などて、かく報いたもうや?
そこへスカルピアの副官スポレッタが戻ってきて、アンジェロッティが自害したことを告げ、カヴァラドッシの処遇をたずねます。トスカが観念したと見たスカルピア男爵は、スポレッタに対しカヴァラドッシに見せかけの処刑を行うよう命令します。パルミエリ伯爵の時と同じだ、と説明するのを意味ありげに聞き、彼は退出します。

トスカは、偽の処刑の後に、2人で国外に逃亡できるようスカルピア男爵に通行証を書くよう要求します。スカルピア男爵がそれを書いている間に、食卓のナイフに気づいたトスカはそれを隠し持ち、書き終えてスカルピアがとうとう我が物と迫るところで刺し殺してしまいます。

G. Puccini "TOSCA トスカ" 第1幕

今年「夢の第九コンサート」にドレスコードで参加します。
実は第九の合唱に参加するのは初めてで、
毎日移動の電車の中はずっとiPodを聞きながら楽譜とにらめっこしています。
想像していたより難しい〜。正直苦戦しています。

それはさておき、何年かぶりにPavarottiのグレーテストヒットを聞いて
プッチーニのトスカの「星も光ぬ」にしびれてしまいました。

ネットで検索したら、Angela Gheorghiu とRoberto Alagnaの映画版がYou Tubeにけっこう沢山アップされていて
すごく面白かったので、物語にそって動画をメモっておきます。

Benoît Jacquot監督 映画版 歌劇「トスカ」(2001)に登場する配役:
フローリア・トスカ(歌手)...Angela Gheorghiu(ソプラノ)
カヴァラドッシ(画家)...Roberto Alagna(テノール)
スカルピア男爵(警視総監)...Ruggero Raimondi(バリトン)
チェーザレ・アンジェロッティ(前ローマ共和国統領だが政治犯として掴まる)...(バス)
スポレッタ(スカルピアの副官)...(テノール)
堂守(教会の番人)...(バリトン)
その他羊飼い(ソプラノ)、看守、聖歌隊・市民など(合唱)

第1幕の舞台は「聖アンドレア・デラ・ヴァッレ教会」


<物語> 画家のカヴァラドッシは、聖アンドレア・デラ・ヴァッレ教会で女性の絵を描いています。
そこへ脱獄した政治犯アンジェロッティが、妹である公爵夫人が隠しておいてくれた鍵で教会の礼拝堂に逃げ込んできます。彼はそこで聖母像を描くかつての友人で画家のカヴァラドッシがいることに気がつきます。
カヴァラドッシは、たぴたぴここに礼拝に来る美しい公爵夫人をモデルに聖母像を描いていましたが、自分の愛する黒髪の歌姫トスカと比べながら絵筆を走らせています。
(ここで歌われるのが「妙なる調和/Recondita armonia」)

<「妙なる調和/Recondita armonia」歌詞>
Cavaradossi
Recondita armonia
di belleze diverse!
E bruna Floria,
l'ardente amante mia.

II sagrestano
Scherza coi fanti
e lascia stare i santi


Cavaradossi
E te, beltade ignota,
cinta di chiome bionde!
Tu azzuro hai l'occhio,
Tosca ha l'occhio nero!

II sagrestano
Scherza coi fanti
e lascia stare i santi

Cavaradossi
L'arte nel suo mistero
le diverse belleze insiem confonde:
ma nel ritrar costei
il mio solo pensiero,
ah! il mio solo pensier, sei tu,
Tosca, sei tu!

II sagrestano
Queste diverse gonne
che fanno concorrenza alle Madonne
mandan tanfo d'inferno.
Scherza coi fanti
e lascia stare i santi



カヴァラドッシ
妙なる調和だ
美しさは異なっているのに!
トスカは黒髪で
情熱的な私の恋人だ......

堂守
小僧はからかっても
高僧はちゃかすなですぞ

カヴァラドッシ
そして君は、見知らぬ美人よ
金髪をふさふさとなびかせている!
君は青い眼をしており、
トスカの眼は黒い!

堂守
小僧はからかっても
高僧はちゃかすなですぞ

カヴァラドッシ
芸術はその不思議な力で
2人の異なった美しさを一つに溶かして行く:
しかし、彼女を描いている時でも
私の思いはただ一つ
ああ! 私の思うのは、ただ君のことだけだ。トスカ、君だけだ!

堂守
こうした様々な模様のスカートたちが
聖母様と競うなんて
まったく地獄の匂いがしてくるようだ。
小僧はからかっても
高僧はちゃかすなですぞ




友人との再会を果たしたカヴァラドッシは、アンジェロッティを助ける約束をします。
トスカが礼拝堂にやって来たので、カヴァラドッシはアンジェロッティに自分の昼食の篭を持たせて再び礼拝堂に隠れさせるのです。
しかし、トスカはカヴァラドッシがすぐに鍵を開けず、しかも誰か人のいた気配がしたのでカヴァラドッシの浮気を疑います。
カヴァラドッシが強く否定したので何とか機嫌を直したトスカは、今夜、郊外の別荘に行きましょうとカヴァラドッッシを誘います。(ここで歌われるのが「二人の愛の家に/Non la sospiri la nostra casetta」この映像のゲオルグとアラーニャ(2人はこの当時夫婦でした)のキスシーンとろけちゃいそうです。)しかし、帰りかけたトスカは、聖母像のモデルが美しい公爵夫人であることに気づきます。トスカは激しく嫉妬しますが、カヴァラドッシは彼女をなだめて今夜の再会を約束します。
堂守がナポレオンの敗退を知らせに駆け込んでくるが、カヴァラドッシはいません。


そこに、警視総監のスカルピア男爵が、脱獄囚を捜しにやって来ます。彼は、昼食の篭が空になっているのを見て、カヴァラドッシがアンジェロッティをかくまおうとしていることに気づきます。そこにトスカが現れますが、カヴァラドッシがいないので不安を募らせます。
スカルピア男爵は、トスカを利用することを思いつき、カヴァラドッシは、ここで女と密会していたと嘘をつきます。トスカは嫉妬に駆られて飛び出すと、スカルピア男爵が放った密使が彼女の後を密かに付けていきます。
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