「一会」の鮟鱇づくし

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日本の食文化のすばらしさを実感することは色々あるけれど、
今日のあんこうづくしには、舌を巻いてしまいました。

C'est bon! C'est magnifique!!

日比谷の日本料理「一会(いちえ)」。
こちらのお店は、11月〜3月迄あんこうをメインにお料理を
提供していらっしゃいます。

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「東京でなかなか美味しいあんこうの店がない...」
との会社の先輩のKさんのつぶやきから
美味しいあんこう鍋の店探しがはじまりました。
ネットや雑誌でいろいろ調べ見つけたのが、こちらのお店。

いただいたのは、あんこうBコース
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まず最初に「珍味あんこうの唐揚げ」。
左は骨付き肉。右は白身。
骨付き肉はものすごくぷりぷりした歯ごたえで、ジューシーで美味しいです。
しかも骨のなんとも立派なこと。お店の方も、お皿を下げる時、
「こんなに大きいのは珍しいです」
とおっしゃっていました。
当たり?ってことかしら。

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季節の先附け「柳がれいの一夜干し」。
お給仕をしてくださった女性の方が
「アチチッ!」と言いながらアツアツの身から
頭と中骨を器用に取り除いてくださいました。
醬油はいっさい使わず、わさびとレモンでいただきます。
口の中でわさびの香り広がり、最高の酒のつまみ。

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「あんこうの友酢」
右の白いお皿「あんこうの七つ道具」と教えていただきました。
白いお皿には、さまざまな部位の7種類が盛りつけてあります。
手前右から時計まわりに(あん肝、皮、白身、えら、皮とか寄席たもの、
胃袋、卵巣)。これだけ、あらゆる部分を無駄なく堪能してもらえて、
あんこうも本望?

手間左が「あんこうの友酢」。
左上の「うご(海藻)」とあんこうを一緒に友酢をたっぷりつけていただいて
ください、とお店の方がおっしゃっていました。
友酢が足りなくなってしまった頃、タイミングよく「足りてますか?」と
障子越しに声をかけてくださいます。

このお店で感心したのは、女将さんやお給仕さんの絶妙な接客術。
とくに女将さんの気持ちよくさばけた人柄と、隠れたきめ細やかさに
とても居心地の良さを感じます。

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「あんこうのフランス風」 
アンキモ、頬肉、クリームソースとフランスパン。
上に乗っているのは、焼いた青ねぎ。

こんな洒落た一品が、Bコースにはあります。
和のフォアグラといったところでしょうか。

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あんこう鍋 正油仕立て
今回、予約を入れる際
「正油仕立」か「肝仕立て(どぶ汁)」にするか、随分迷ったのですが、
協議の結果「正油」に。どぶ汁は前日までに予約とあるところを見ると
数量限定とか仕込みに時間がかかるものなのでしょうか?

鍋はあんこうの様々な部位と白菜、ネギ、椎茸、お豆腐などが入っています。
お出汁がしっかり出ているけれど、さっぱりしていて美味しいです。

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鍋やお新香にささっとかけていただく「香りとうがらし」。
筑波山のふくれ蜜柑の皮を天日で干したものが入っているのだとか。
ふんわり柑橘のいい香りがします。

この鍋に来るまでに、すっかりお腹は8分目を通り越していて、
これからどぶ汁じゃかなりきつかったなあ...と。
今回は正油で正解と思いました。
それでも最後のおじやは食べきれなくて...
もったいない...って顔をしていると、これまた気のきく女将さん、
「お持ち帰りになりますか?もったいないですものねえ」と
持ち帰れるように容器に入れてくださいました。

心と身体が満たされるとは、「一会」さんのようなお店に
出会った時です。
一品一品に料理人の工夫を感じました。

来年は是非、どぶ汁にチャレンジしたいですね。

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日本料理 「一会」
住所:千代田区有楽町1−5−2 東宝ツインタワー9階
電話: 03−3504−1902
定休日: 日曜/祝日
http://r.gnavi.co.jp/g119200
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「一会」さんは水戸山口楼の東京店としてオープンしてかれこれ
30年余りなのだそうです。
あんこうといえば大洗。
お尋ねしたところ、今日のあんこうは北海道のものだそうです。
やはり震災以降気にするお客様が多いそうで、
茨城近海は避けていらっしゃるとのこと。
「なかには、応援したいとおっしゃるお客様もいらっしゃって...」
反応は様々なのだとか。
私個人の意見としては、きちんと数値を調べ許容範囲以下であれば
過剰に反応すべきではないと思うのですが...。

来年あたり、あんこうは気をつけたほうがいいのでは?という
声もじつはあるようです。
(深海魚なので蓄積しやすいということでしょうか?)

原発の影響が出ない事を心から祈っています。
なにより、政府にもっとしっかり対応をしてもらいたいですね。

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このページは、Nancyが2012年3月11日 14:07に書いたブログ記事です。

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