モルディブ・日本現代美術展

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「呼吸する環礁(アトール)ーモルディブ・日本現代美術展」3日(日)の最終日
行ってまいりました。
モルディブと言えば、インド洋に浮かぶ美しい島々が思い浮かびます。
しかし、そんなモルディブも、近年は、地球温暖化による海面上昇などにより、
水没の危機に瀕しているのだとか。

この展覧会は、日本とモルディブのアーティストがモルディブの環境や自然、風物、
文化をテーマに現地で制作し、今年の3月20日から4月19日に首都マレの国立美術館で
発表されたものを日本に持ち帰った作品展です。

インスタレーション、映像、建築、写真、ドローイングなど
さまざまな表現により、日本人6組とモルディブ人2人の作品が展示されています。

狩野哲郎(Tetsuro Kano)
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「無名の遊び Nameless Play (2012)」
モルディブでは、地元の人々にとって馴染みの深い鳥であるマイナを
インスタレーションに取り入れた「Naturplan」を発表したが、本展ではその
一部を使って再構成し直した作品「無名の遊び」を展示。

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「島々の花輪 (2012)」
花輪のように連なって浮かぶ珊瑚礁である「環礁」で構成されるモルディブを
イメージして制作されたドローイングの連作。

中谷芙二子(Fujiko Nakatani)
霧の彫刻#43555 「モルディブの雲樹」の展示風景記録の動画
中谷は1970年の大阪万博で世界初の人工霧による彫刻を手がけた霧を
使ったインタスレーションの第一人者です。
モルディブは年間平均気温が30度前後あり、自然の霧を見ることはまずありません。
今回国立美術館に隣接するサルタン・パークでの彼女の「霧の彫刻」で
霧を初めて見たモルディブの人々は大変喜び評判だったとの報告です。


アフザル・シャーフュー・ハサン(Afzal Shaafiu Hasan)
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手を使って描く美しい砂絵の動画です。
地味な作品ながら、一番惹き付けられたのがこれでした。
違うストーリーの動画ですが、http://vimeo.com/42767186でアフザルの
作品が公開されています。これを見ると、手品師のように手を自在に使って
次々に場面を作り出す様子が理解できると思います。


荒神明香( Haruka Kojin)
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「Fenn Fashala Lens (2012)」


淀川テクニック(Yodogawa Technique)
「さざれ魚 Sazare-uo (2012)」
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モルディブの最も主要な産業は漁業で、輸出品目も鮮魚や水産加工物が
そのほとんどを占めています。主なものは、まぐろ、かつお等です。

淀川テクニックは、マレ市内で拾い集めたゴミを集め巨大なハガツオを
制作しました。
よく見ると、小さな熱帯魚が寄せ集まってハガツオの胴体が形成されています。
タイトルの「さざれ魚」は、君が代に登場する「さざれ石の巌となりて」という
フレーズから着想を得たとのこと。さざれ石とは、もとは小さな石の意味ですが、
長い年月をかけて小石の欠片の隙間を炭酸カルシウムや水酸化鉄が埋めることに
よって、1つの大きな岩の塊に変化したものも指します。


藤森照信(Terunobu Fujimori)
「Human Nest, Maldives (2012)」
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人一人が過ごせるサイズのヒトの巣をつくり、人間が生きていくために必要な
環境について再考することを試みた作品。キャスターが付いていて、移動が
可能です。外壁は日本的な「焼杉」という工法で仕上げ、屋根は杉皮で
葺いています。現地では、ヤシの葉で葺いていました。(下 現地での写真)

田口行弘(Yukihiro Taguchi)
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アリ・二シャン(ミルゼロ) Ali Nishan (Millzero)
「ミルゼロ」の名前でも知られるフォトグラファー、アリ・ニシャンの作品。
マレ市内で撮影された風物や環礁の写真など、モルディブの自然をテーマに
撮影された写真を発表。
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アリ・二シャンのサイト http://www.millzero.com/

◆展覧会概要◆
「呼吸する環礁(アトール):モルディブ・日本現代美術展)帰国展」
Breathing Atolls: Japan-Maldives Contemporary Art Exhibitionin Tokyo


会期:2012年5月24日(木)〜6月3日(日) 11:00〜20:00
会場:スパイラルガーデン

主催:国際交流基金
後援:モルディブ大使館
キュレーター:難波祐子(株式会社IplusN)
参加作家:狩野哲郎 / 荒神明香 / 田口行弘 / 中谷芙二子 / 藤森照信 /
淀川テクニック / Afu (Afzal Shaafiu Hasan) / Ali Nishan (Millzero)
協力:NECディスプレイソリューションズ株式会社 /
スパイラル/株式会社ワコールアートセンター / 無人島プロダクション / YUKARI ART
有限会社立石工務店 / 日本特殊光学樹脂株式会社 / DIY-TOOL.COM /
キタミン・ラボ舎
協賛:株式会社日立プラントテクノロジー
お問合わせ先:国際交流基金文化事業部アジア大洋州チーム TEL: 03-5369-6062

=== 
数日前に読み終えた本が、偶然にも難波祐子氏の
「現代美術キュレーターという仕事」でした。
不思議なつながりを感じた次第です。
しかも...
実は、スパイラルの入り口でお見かけした方がそうではなかったか?と
気になって仕方がない今日この頃...

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このページは、Nancyが2012年6月 4日 08:52に書いたブログ記事です。

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