2012年9月アーカイブ

家の記憶 塩田千春

大地の芸術祭のつづきです。

塩田千春の「家の記憶」を見に行きました。
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建物内部
黒の毛糸が張り巡らされ、まるで蜘蛛の巣のよう。
そこに記憶となる品々が封印されているのです。

日馬富士 横綱昇進おめでとう!

9月場所、千秋楽。
外は小雨が降り、珍しく少し肌寒い。

生まれて初めて大相撲を見る機会をいただきました。
東の後ろの方の枡席です。
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1杯250円の国技館ちゃんこ

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白鵬対日馬富士。
全勝優勝をかける大関日馬富士と14勝1敗の横綱白鵬との大勝負は、
1分50秒に及び白熱したすごい戦いが繰り広げられました。
そして、日馬富士が横綱昇進を確実にした、歴史的な一戦となりました。

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優勝旗を受け取る日馬富士。

9月26日、理事会により正式に第70代横綱に昇進が決まりました。
東西両横綱の誕生で、大相撲も目が離せなくなりそうです。

上鰕池名画館

大地の芸術祭めぐり2日目は、バスで主要作品をまわるツアーに参加しました。

まず最初に訪れたのは「はつがの家」。
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独自のアートプログラムに沿って創作活動を行い、脳を活性化させる
取り組みをおこなう「臨床美術」の作品の展示、ワークショップが開催されています。
幼児から高齢者、認知症の方々による絵画や立体作品が展示されています。

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次に訪れたのが、「上鰕池名画館」。

有名な絵画をもじった写真作品の数々が展示されているちょっとユニークな
美術館。
この建物はもともと旧共同農作業所だったもの。
1階では、集落でつくられた野菜や雑貨を販売するショップが
地元の方々によって運営されています。

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写真のモデルはみな、このあたりの集落に暮らすおじいさんやおばあさん、
そして子ども達などです。
そして背景もみな、この集落のどこかの風景です。
なんていうか、日本の里山の風景が、西洋絵画の1シーンになってしまう
不思議さと、上手に再現されている手練に、1点1点魅入ってしまいます。

以下の3作品のもととなっている、有名な絵画の作者と作品名
はたして分かるかな?

A
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 B
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C
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大成哲雄さんと竹内美紀子さんという2人の方のコラボと集落の20世帯の
人々によって実現したこれらの作品。

こういう作品を作る発想力がすばらしいだけではなく、
作家と地元の方々が力をあわせてこの芸術祭をもりあげようという気持ちに
感動を憶えます。


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作品撮影地点を表す地図が壁に描かれていいます。


こたえ:
A ジュゼッペ・アルチンボルド 「夏」
B ヨハネス・フェルメール「牛乳を注ぐ女」
C エドヴァルド・ムンク「叫び」


途中道を間違えたりしながらも、なんとか
キナーレに到着。
脚はガクガク、イスの座で股はヒリヒリ。
顔は火がついたように真っ赤。
黒いTシャツに白い汗染みができるほどの大汗かいて、
こんなに身体をつかったのは、いつ以来だろう...
でもなんだかとっても楽しかったのです。

キナーレ2階のバーレストランでひとやすみ。
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キナーレのレストラン「越後しなのがわバル」で
赤しそシロップと地酒「天神獅子」でつくるオリジナルカクテル「エチゴツマリ」を。
しその爽やかで独特の香りがほんわかする美味しい飲み物で、
身体にじんわり効いてくる感じがします。
添えられたしその葉と花は、お店で働く女性の方の庭で積まれたものだそうです。

なんとなく人のぬくもりを色々な場面で感じる
今回の旅となりました。

眼下にはボルタンスキーの作品が見えます。

食事後は、キナーレにある温泉「明石の湯」で汗を流し、すっきり。
たまたま、この日はキャンドルナイトで、温泉から見える庭に沢山の
キャンドルの明かりが灯って、幻想的な風景を楽しみました。

明日はいよいよ、ダイジェストツアーC。
「最後の教室」、「家の記憶」、「夢の家」、「森の学校」キョロロ、
まつだい「農舞台」などなど、目白押し。
早めにホテルでおやすみなさいです。
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K081 大地の記憶ーかざぐるまの道

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K022 絵画のための見晴らし小屋・妻有 (アーティスト:母袋俊也)
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「絵画のための見晴らし小屋・妻有」の覗き窓から見た風景
いいながめです。
これだけの高台なのですから、いくら電動アシストとはいえ
心臓が壊れるわけですよね。

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K023 グリーンヴィラ(アーティスト:たほりつこ)
火、水、農、藝、天神の象形文字が巨大な地上絵となって出現。

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K003 レイチェル・カーソンに捧ぐー4つの小さな物語(アーティスト:藤原吉志子)
ウサギや巨大な神殿、ロバなど 一帯あちこちに彫刻が配置されています。

ナカゴグリーンパークを1時間くらい散策し、
お昼をとったりして、午後の3時ちょっと前ぐらいになりました。

さらに2km程先の節黒城跡キャンプ場に行こうかどうしようか迷ったので、
案内所の方に相談してみることに。

すると、あと1時間くらいでは、行って帰って来るのは難しいでしょうとのこと。
そのかわり、川西ダムの方に行かれてみては?とアドバイスしてくださいました。
道も国道を使わずこの道を行った方が良いとペンで印をつけてくださって、
さっそく行ってみました。

途中下りになったので嫌な予感がしたら、やはり最後険しいのぼりの坂道。
バッテリーがとうとう30%を切って...
キナーレまで無事帰れるのか?祈る気持ちです。
通りすがる地元の方の軽トラからおじさんが声援を送ってくれました。
「がんばれ!!」
その声に励まされ、汗だく登頂。
そしてたどり着いた、川西ダムにある作品「LACHIKU」。

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K082 LACHIKU(岩城和哉+東京電機大学岩城和哉ゼミ 作)
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空気が清々しい。

この作品を最後に、今日の鑑賞コースは終了。
返却地のキナーレに向かって、力強くペダルをこぎ始めたのでした。

K080 越後妻有レインボーハット2012

ナカゴグリーンパーク内には、「光の館」以外にも
数多くの作品があります。

その中でも最も印象に残った作品が
写真の「レインボーハット」。
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巨大なかたつむりのような、遊牧民のテントみたいなものの中に入ると、
異国情緒を感じる空間になっています。

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K080 「越後妻有レインボーハット2012」
関口恒男さんの作品で、テント内に鏡と水を仕込んだ装置が中央にあり、
あちこちに虹が出現しています。
以外にテント内は涼しいのです。

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また、あちこちにヘッドフォンが吊る下げられていて、音楽を聞きながら
しばし鑑賞。アフリカンミュージック?みたい。

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この方が音楽をMIXさせています。

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こうやって虹を近くに見ると、光って本当に不思議な気がしてきます。

ジェームズ・タレル「光の館」到着

駅の「ほっくほく何でも案内所」の親切な女性から、
マウンテンバイクならキナーレにあるので、
よかったらそちらで聞いてみては、と携帯に連絡がありました。

さっそく行ってみると、電動アシスト自転車が2台戻ってきており、
すんなりお借りすることができました。ラッキー!
きっと2時間コースの方が午前中10時からまわってきて
返却されたものがあったのでしょうね。

電動アシストを得たので、さっそくナカゴグリーンパークに向かって
サイクリングを開始したのが12時30分頃。

うまくすれば、途中へぎそばで有名な"小嶋屋総本店"を通過するので、
昼食はそこで...なんて楽しい想像は最初だけ。

暑い。ひたすら暑い。
ちょっとした道の勾配で、電動アシストのスイッチをオンにしてたら、
けっこうバッテリーの消耗が激しいことが判明。

小嶋屋あたりで、へばってきました。
しかも、さすが総本店だけあって、行列は表の駐車場まで続いています。
とてもこれに並んで食する気分にはなれず、ここでの昼食は断念。
目的地までひたすら頑張ることに。

東京っ子の私には、車道の脇がすぐ畑の道はかなり怖かったです。
けっこう風が強くて畑に落ちそうになったことも1度や2度ではなく。
そして噂通り、ナカゴグリーンパークに向かう最後の登り坂、
心臓が破裂しそうでした。

そしてたどり着いた
ジェームズ・タレルの光の館
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屋根がスライドして天空を眺めることができます。
12.5畳の2階の和室に寝転がると、涼しい風が気持ちよく身体を鎮めてくれます。
そして、天井が開閉するのを待ちます。
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開き始めました。

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1/3ぐらい

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ガラスも何もない、空に吹き抜けた状態。
時間で色々な色に変化するそうです。
夜空では、流れ星もけっこう見えるのだとか。
宿泊してみたいですね。

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光の館の2階からの眺め。
里山の風景がひろがっています。

大地の芸術祭 キナーレ

越後湯沢からほくほく線という2両編成の快速列車で十日町まで約35分。
出発近くになると、どっと乗り込んで来た人たちで列車は超満員。
みんな公式ガイドブックを持った人達です。
海外からも大勢来ているようです。

のんびり田園風景を眺めているうちに、
十日町に到着。
そこで、どっと人がおりましたが、隣駅のまつだい駅に向かう人も多いようです。

のりおり自由の循環バスというのがあって、
それでジェームス・タレルの「光の館」のある
ナカゴグリーンパークに行こうかと思っていたのですが、
バスの本数が1日9便とあまり多くないので、
昼近くに十日町到着だとちょっと苦しい...スケジュール。

そこで、レンタル自転車でまわるという計画をツイートしてみると...
ありがたいです。ママチャリは(絶対)やめたほうがいい
というアドバイスをして下さる方があり、
電動アシストを勧めて下さいました。

どうやら、ナカゴグリーンパークは山の上らしく、
最後はすごい坂らしいのです。

11時15分十日町駅を下車し、まず「ほっくほく何でも案内所」にGO。

電動アシストのことを尋ねると、なんと全台出払っているとの返事。
1時過ぎに1台戻ってくる予定なので、戻ったら携帯にご連絡しますと
とても親切な対応をしてくださいました。

そこで、予定を変更し、荷物をまずはホテルに預け
キナーレを鑑賞することに。

キナーレというのは、十日町駅から歩いて10分くらいのところにある
越後妻有里山現代美術館のことです。
キナーレというのは、「来なされ」というこの地方の方言と、
「織物の里」として栄えた十日町の着物を「着なされ」という意味をかけて
命名されたそうです。

今回はクリスチャン・ボルタンスキーのあの古着の山の作品が中心に展示されています。
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キナーレに展示されているクリスチャン・ボルタンスキーの"No Man's Land"。
9tもの古着は、地元の方々の協力により集められたもの。
巨大なクレーンが古着をつかんでは持ち上げ、落とすという動作を繰り返します。
会場では、心臓の鼓動音「ドクッ ドクッ」という独特のサウンドが響き渡っています。

2階の窓ガラス越しに見ると、まるでUFOキャッチャーを見ているようです。

大地の芸術祭に行きます。

今年いちばん行きたかった
越後妻有アートトリエンナーレ2012
"大地の芸術祭"。
3年に一度のこの祭典。
2000年にスタートし、今回で第5回目を迎えました。

今回初めて訪れることになりました。
事前に公式ガイドブックを購入し、いろいろ研究。
一昨日9月15日土曜、
朝8時10分上野発の"MAXたにがわ"で
越後湯沢に向かいました。

7時台の"MAXとき"はすでに前日の時点で満席とのこと。
その人気ぶりが伝わってきます。
聞くところによると、雑誌やテレビ等での効果もあって、
ラストスパート3連休はすごい人らしいとのこと。

宿は8月中に十日町のビジネスホテルを予約しているので、
とりあえず、行けばなんとかなるという安心感あり。
初日はのんびり?自力でまわれる範囲で作品鑑賞。
2日目はダイジェストツアーで松之山エリア、松代エリアの主要作品を
網羅するという計画です。
横浜美術館で開催中の奈良美智の展覧会は、
テレビでも取り上げられることも多いのでご存知の方も
多いと思います。

連日の猛暑に体力はすっかりバテぎみで、
横浜まで足をのばす気になれなかったのですが、
いよいよ会期が今月23日までなので
日曜日奮起し出かけました。

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今日はめずらしく30度を下回り、お天気もひさしぶりの雨です。

結果、やはり行って良かった。

昨年から今年にかけての新作ばかり計109点。

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White Ghost (2010)

なかでも、今回のみどころとも言える大型のブロンズ作品は
平面と違った圧倒的魅力を放っています。
おでこの可愛い「考えるお姉さん」、
こんな妖精がきっといるような「樅(もみ)の子」、
しもぶくれの「ルーシー」
巡礼者なのか、はたまた幽霊なのかちょっとわからない...「真夜中の巡礼者」

パブリックアートになって街に出現したら嬉しいです。


絵画は、やさしい色彩の中に
秘めた少女の内面を感じさせる作品。

ドローイングは、奈良さんらしいユーモアが
たっぷり仕込まれていて、
見ている人はみな思わず微笑んでしまいます。

タイトルの「君や僕にちょっと似ている」通り、
見ている私たちにも共通する、
何かを持った作品たちです。

優しい目をした女の子もいれば、意地悪な含み笑いをしている
女の子、悲しい表情の子もいます。

どれもなんか懐かしくて、心がほっとするのは何故でしょう。

企画展に併設の横浜美術館所蔵のコレクション展も
見応えたっぷり。奈良さんの作品も数多く展示されています。

何より面白かったのが、テーマ毎の部屋に
古今東西の作家が並べられていること。
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なんと奈良さんの作品の隣にあるのはピカソの作品。
でもこうして見ると、まったく違和感を感じません。
キュレーターの腕のみせどころ?

別な部屋では、ジュリアン(下写真左)の横にセザンヌの絵画が...

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この部屋の作品はたいそう私を楽しませてくれました。

そうそう、カフェにも奈良さんの作品があるので、見落としに要注意。

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奈良美智:君や僕にちょっと似ている
NARA Yoshitomo: a bit like you and me...
会期:2012年7月14日ー9月23日
場所:横浜美術館
URL: http://www.yaf.or.jp/
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