2013年1月アーカイブ

お天気は爽やかだけれど、風は肌に突き刺さる冷たさ。

仕事の途中、牛込柳町駅で下車したので、
以前から一度行ってみたいと思っていた
夏目漱石が晩年過ごした漱石山房の跡地にある
新宿区立漱石公園に立ち寄ってみることにしました。


外苑東通りを弁天町交差点に向かって歩いてくると、交差点すこし手前に
「漱石山房通り」という細い道に行き当たります。
そこを左折して数10メートル歩いた先に新宿区立漱石公園があります。

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夏目漱石は、この場所に「漱石山房(さんぼう)」と呼ばれる自宅を構え
49才で亡くなるまでの約9年間そこで暮らしたそうです。
名作「三四郎」「それから」「こゝろ」「道草」などの作品はここで生まれました。

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写真の白い建物は、漱石山房に実際あったとされるバルコニー(一部)を復元したもの。
漱石はこのバルコニーでくつろぐのが好きだったようで、
イスに腰掛けて庭を眺めている写真が、壁に展示されていました。


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漱石山房の見取図
こんなお家だったのですね。

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漱石没後、ご遺族によって建てられた供養塔(猫塚)。
漱石は猫や犬、小鳥などいろいろ飼っていました。

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公園内に設置された漱石の資料館「道草庵」

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道草庵を見学させていただいていると、中でお弁当を食べていた係の方が
「ビデオを見ますか?」とお声をかけてくださり、
20分程度のビデオを拝見させていただきました。

内容は、ご子息(半藤末利子氏)の漱石についてや
茂木健一郎氏の漱石によせる想いなどを語るところからはじまり、
漱石山房についての紹介、作品について、漱石と所縁のあるスポットの紹介、
NPO漱石山房の活動などがまとめられたものでした。

昼時でお腹もすいていたので、ちょっと20分は長かったけれど、
このビデオのお蔭でガッテンしたことがありました。

東西線早稲田駅を下車し、地上に出た目の前の「リカーショップ小倉屋(こくらや)」さんが、随筆「硝子戸の中」にも登場する老舗であったこと。
(毎日のように)この店の前を通るのですが、一見どこにでもありそうなごく普通の酒屋なので、老舗とはまったく思いもよりませんでした。

さっそく帰って小倉屋さんのホームページにアクセスしてみると、
なんと延宝年間(1670年代)から続くお店で、先程の随筆との関連で言えば、
登場人物の「おきた」さんはなんと小倉屋さんのお嬢さんをモデルにしていたとか...。

実は「小倉屋」に関しては今年に入って、別なルートからも気になる情報を得ていました。

それは、食べログで早稲田飯を検索していたところ、
お気に入りレビュアーの「アッチェンデレ!」さんの
うなぎや「すず金」の書き込みの中で、
(略) とは云ってもうな重うな重でげす。店を出るてえと、
ほくほくの笑顔で、小雨をつっきり、名老舗小倉屋を横目に夏目坂を上ってまいりやす。

という表現があって...
(あの酒屋が?)
老舗小倉屋の存在は、私の中で大きく謎めいていたのでした。
こうタイミングよく事柄が連鎖するのって、実に不思議ですよね。

(アッチェンデレ!さん風に...言わせていただくと)
いやー、実にすっきりでげす。
今日は天気と相まって、さわやかな気持ちになることができやした。

話しは戻りますが、漱石山房の完全復元に向けて区を中心に動いているようです。
平成29年に漱石生誕150周年を迎えるにあたり、本格的な資料館としての山房復元へむけて準備検討会が昨年設けられました。

ぜひ復元された暁には、またこの地を訪れたいですね。

それより何より、久しぶりに夏目漱石の作品を読んでみたくなりました。

早稲田散策の旅、これからもあい間をみては続けようと思います。

田村七重先生のピアノリサイタル

今年いただいた年賀状で一番印象的だったのが、
恩師であり、またピアニストでもある
田村七重先生からのものでした。

例年いただくシンプルな年賀状とはうってかわり、
ピアノを前に撮影された先生のお写真と
リサイタルの告知が書かれたものでした。

先生のリサイタルに向けての意気込みが伝わってくる
お年賀状を手にし、私はなんだかとても嬉しくなりました。

私が先生のもとでピアノのレッスンを受けていたのは、
中学から高校の頃の話。
先生はかの有名なパリのコンセルヴァトワールを優秀な成績で卒業し、
帰国されてまだ間もない頃だったと思います。
あまりピアノに情熱を注げない少女だった私には、
あまりにも、もったいない先生でした。
申し訳なかったなあという気持ちもあり、
あの頃のことは(実は)ちょっと苦い思い出でもあります。

本格的にリサイタルをされるのは久しぶりではないかと思います。
今回の曲目にラヴェルではなく、ベートーヴェンのピアノソナタが入っていたのは
少々意外で、そのことを先生にお伝えしたところ、フランスに居る頃から弾きたかった
先生にとっての憧れの曲なのだとお返事がありました。

どんな素敵な演奏を聞かせていただけるのか、今から楽しみです。

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※クリックするとサントリーホールのHPに移動します。

田村七重先生のプロフィール(フライヤー裏に記載)を
転載させていただきます。
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東京生まれ。5才よりピアノを西ドイツのデュッセルドルフにおいてB・ケーニッヒのもとで始める。西ドイツより帰国後、卜部文子氏に師事。読売新聞社、コンセール・アミ主催のジュニアオーディション、ピアノの部奨励賞。成蹊学園中学校在学中に、13才で父親の転勤に伴い渡仏して翌年パリ国立高等音楽院ピアノ科予備科へ入学。一等メダルを得て、卒業後、高等科へ入学。1977年、パリ国立高等音楽院ピアノ科を審査員全員一致の一等賞を得て卒業。同音楽院室内学科一等賞。在学中ピアノをリュセット・デカーヴ、レーヌ・ジャノリ、ルイーズ・クラビュース(作曲家トニー・オーバン夫人)、ジャック・タディに、室内楽をモーリス・クリュットの各氏に師事。
1980年、東京イイノホールに於いてバッハ、ショパン、フォーレ、ラヴェルのプログラムでデビューリサイタルを開催。
1981年、クロード・カーン国際ピアノコンクール第3位入賞。
1983年、東京虎ノ門ホールに於いて東京シティフィルハーモニック管弦楽団とラヴェルのピアノ協奏曲ト長調を共演。
その後、東京日仏学院(現アンスティチュ・フランセ東京)で開催された第1回目の「FETE DE LA MUSIQUE」、山梨日仏協会主催のレクチャーコンサート、サントリー小ホールでのジョイントコンサート等に出演。
1984年から1990年まで、藤田現代音楽資料センターに勤務。
2010年より、東京、埼玉で演奏を再開する。

蕎麦 案山子「寿獅子の会」 

芝にある粋な蕎麦や「案山子」。
新春のイベントのお誘いをいただき、
12日(土)昼の部に行ってまいりました。

オーナー山田さんの蕎麦と
斎藤さんの創作料理のコラボは素晴らしいとの評判で、
以前一度こちらのお店に伺った際にも、楽しませていただきましたが、
今日は貸し切りイベントということも相まって、定番以外のお料理に
嫌でも期待が高まります。

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【祝八寸】 黒豆、数の子松前漬け、魳(かます)棒寿司、早堀筍土佐煮、蕗青煮
(左上から時計回りに)

金粉、松、梅の小枝とお芽出度い添え物で華やかにコーディネイトされています。
かますの棒寿司はしゃりの具合といい絶妙な美味しさです。

黒豆は甘みを極力控えて。
斎藤さん曰く、黒豆を美味しく作るこつは、とにかく煮立たせないことなのだとか。

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【お椀】おくずかけ
金時人参、冬子椎茸、千寿葱、菜花、柚子

塗り椀の蓋がモダンな形で、すごく洒落ているんです。
お椀といい、ビールグラスといい、
案山子で供される器はどれもセンスがよくて、
お料理+αの楽しさがあります。

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【お造り】 季節の造り(ミルクイだったかしら...?) 

箸休めに...
今日は10名限定の貸し切りということで、通常はカウンターテーブルとして
つかわれているところが片付けられて、ステージにはやがわり。
野田市中里きらく会の皆さんによる獅子舞と、大黒様の演舞が披露されました。

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わざわざ千葉の野田からの出張公演。
最近ではめったに見ることがなくなった伝統芸能をどうもありがとうございました。


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【強肴】  三段身燻製(中央)、梅貝旨煮(右)、阿茶羅漬け(左)
蒸してから軽くスモークした豚はジューシーで美味しかったです。

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【温物】 甘鯛蕪蒸し
甘鯛に聖護院かぶと銀杏、山葵があわさって、上品で優しい味です。

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【蕎麦】  二八蕎麦
山田さんの蕎麦に舌鼓。そばつゆからは鰹のすごくいい香りがしてきます。

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【甘味】  丸十志る古、焼餅

丸に十と書いて、薩摩の紋所、つまり、さつまいもから作られたおしるこです。
今日の一番のビックリメニューでした。
甘味はいっさい加えていないとの斎藤さんのお話でしたが、
十分な甘みがあり、なめらかな舌触り。
小豆が苦手な人でも、これは頂けます。

この日お料理にあわせていただいた日本酒は、
長野の純米吟醸「澤の花」、愛媛の「石鎚」あたりまでは
憶えているのですが...もう後は忘れました。

今日集った方々はみなさん、山田さんのお店を愛する方々ばかり。
その場に居るだけでHappyを共有している空気に溢れていて、
本当に楽しいひとときでした。

美味しいものをいただくと、心から幸せだなあと実感します。
こういう幸せ感が、たくさんたくさん今年もありますように。

お店のインフォメーション:
「蕎麦 案山子」
港区芝2丁目12-9 波ビル1階
電話 03-6272-4416
http://sobakakashi.ikidane.com/

平成25年新春

暮れも押し迫った30日に
ちょっとしたハプニングがあったせいで、
慌ただしく年を越してしまいました。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

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よくみるとすごく愛くるしい表情をしている
干支(巳)のパン。

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手作りのおせち

と言っても、私ではなく、親しくしている友人のお宅のお重です。
作った本人いわく「手抜きのお重」だそうです。

このおせちを囲んで、
新潟は長岡の純米吟醸「古志」とともに
新年の祝いの宴をいたしました。
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