2013年6月アーカイブ

inf_det_image_109.jpg
東京オペラシティで14日開かれた、ダニール・トリフォノフのピアノリサイタルに行ってまいりました。

最近、〇〇コンクールで優勝とか、アルゲリッチが絶賛、といったキャッチコピーに
興味を持てなくなっていたのですが、今日のコンサートはひとえに選曲が素晴らしい!(私好み)
という点で足を運ぶことにしました。

大好きなスクリャービンの幻想ソナタ、つづくリストのソナタも力量の問われる曲だし、
後半はショパンの24の前奏曲を全曲という構成はなんとも魅力的でした。
正直、ピアニストについては、名前以外情報らしいものは全然知らなくて、
前の晩、こりゃいかん!ってなもので、ネットでインタビュー記事
Youtubeの演奏を聞いたりして、少しスタディをしました。

ダニール・トリフォノフは1991年3月生まれなので、現在22歳。
なんとも眉目秀麗な、まさにイケメン。
それは実に悦ばしいことでありますが、問題は演奏。
テクニックもかなりありそうだし、きっと上手なんだろうな...
それについて疑問の余地はありませんでしたが、
心に残るいい演奏会かという点では、正直賭けみたいなものでした。

そして、このコンサートが実に良かったのです。
ダイナミックな迫力のある演奏。
1曲目のスクリャービンは、少し感傷的すぎるかな?
という気もしましたが、若い男性ピアニストのロマンティシズムも悪くなく、逆にちょっぴり酔い心地です。
前半最後のリストのピアノソナタはまさに劇的な演奏で聴衆を沸かせてくれました。
速いパッセージの部分とメロディアスな聞かせどころの対比が強烈で、非常に印象に残るエキサイティングな演奏でした。

この演奏の圧倒的余韻で、休憩中どれだけの人がCDを購入しに売り場へ殺到したかしれないほどです。
演奏会後にサイン会もあるので、大変な売れ行きだったようです。
1階の後ろや2階の右側バルコニー席の空席が多少気になっていたので、
CDの売り上げが好調なのは興行的にも良かったです。

後半のショパンの前奏曲も、こうして1番から24曲通しで聴いてみると、
大きな流れのなかで様々な物語が紡がれており、味わい深い曲です。

それにしても、とにかく振動の伝わるダイナミックな音は印象的でした。
fortissimoからfortississimoのところになると、何かが反響しているようなノイズが聞こえるのは
私の幻聴なのか?
音響の良さで知られるオペラシティのコンサートホールで音が何かに反響しているなんて
ありえないと思いながら、不思議な気持ちで聴いてました。
もしかしてピアノが影響しているのかな?
そして、今回のコンサートで最大の関心はピアノでした。
FAZIOLIというピアノ。名前はどっかで聞いたことがあるような...ないような。
確かなのは、今までこのピアノの生演奏は耳にしたことがないということ。

家に帰ってきてから調べたところ、これがなにやらすごいピアノであるらしいことが判明。
1981年設立のまだ歴史の浅いイタリアのピアノメーカーですが、
こだわりにこだわりぬいた職人の技と材質と製造で年間100数十台しか造られていない
フェラーリのようなピアノなのだとか。お値段も不明です。
f308-01.jpg
独立アリコート方式や4番ペダルなど、特殊な設計が特徴のFAZIOLI社製グランドピアノ。

4番ペダルは音色を変えずに音量をさらに小さくできるとのこと。
トリフォノフは好んでこのFAZIOLIを各地の演奏会で使用しているようです。
ピアニストの技量と音楽性と、特別に選ばれた楽器が織り成す
記憶に残る名演奏会だったと思います。
というのも、アンコール演奏がまた素晴らしかったからです。

作曲もしているというインタビュー記事を前日読んでいたので、もしかしたら
自作の曲を持って来るかな?と予測していたところ、まさに的中。
アンコールで立て続けに5曲。
小品ながら、オリエンタルな雰囲気もする綺麗な曲でした。

この5曲目で最後かと思いきや、最後の最後に「火の鳥」の「凶悪な踊り」をぶつけてきました。
こういう終わり方もドラマティックで、このコンサートの盛り上がりに相応しく
当然、客席のほとんどがStanding ovationで幕を閉じました。

お隣のご婦人は、彼のさらさらの髪が演奏中何度となく舞い上がる様子に
ときめきを憶えていたようで、漏れ聞こえて来る会話がとにかく愉快で
こちらまで笑ってしまいました。
笑顔の可愛いトリフォノフ君は、中年女性の心をすっかり虜に...。

将来の楽しみなピアニストであると同時に、
ポゴレリチのような変貌は遂げないで欲しいと、ちょっぴり思うのでした。

======= プログラム =======
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番「幻想ソナタ」Op.19
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S178/R21
ショパン:24の前奏曲 Op.28

======= アンコール曲 =======
トリフォノフ作曲:
ラフマニアーナ組曲 第1番、第2番、第3番、第4番、第5番
ストラヴィンスキー作曲 アゴースチ編:バレエ音楽「火の鳥」より"凶悪な踊り"

東京駅から手紙を出してみよう。

先日KITTEに行った折、東京駅丸ノ内側の構内に可愛いポストを発見しました。
post1.jpg
ご当地ポストといった感じでしょうか。
左側に投函された手紙には、東京駅舎図柄の消印がスタンプされるそうです。

post2.jpg

stamp.jpg

受け取った方にも喜ばれそうな、
ちょっと印象的な手紙が送れますね。

改札を出ないでポストに投函できるのはナイス!です。
今年の3月21日にオープンした「KITTE」。
東京駅丸ノ内駅側を出てすぐ南西に、旧東京中央郵便局の外観を生かして、
新たに 38階建ての高層ビルJPタワーが完成しました。
そのうちの(旧局舎部分の)低層階は「KITTE」と呼ばれるおしゃれな商業棟です。

一昨日、初めて訪れました。
ショッピングと飲食店ばかりだろうと思いきや、
実に面白い博物館があるのをご存知ですか?
日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館が協働で運営を行っている施設で、
JPタワー学術文化総合ミュージアム 「インターメディアテク」です。

エジプト神官のミイラと木の棺、ミンク鯨の巨大な骨、鳥類の剥製、昆虫の標本、
鉱石の標本、植物の標本、火星の表面写真...
なにやらすごいコレクションが所狭しと展示されていて、
1点1点丁寧に見ていったら、1、2時間あっという間に過ぎてしまいます。

なんと無料で入場できます。
そして、展示が何気にかっこいいです。
場所柄大人のための博物館といった感じですが、
小学生のお子さんにも絶対お薦めかと。
夏休みの自由研究のテーマを見つけるのもいいかもしれません。
はたまた将来は研究者の道に進むようになるかも...
ここは必見です。

intermedia1.png

それから4階に「旧東京中央郵便局長室」がありますので、
こちらも見学コースにいいと思います。
DSC05721.jpg
旧東京中央郵便局長室入口

DSC05722.jpg
局長室から東京駅がよく見えます。

DSC05727.jpg
旧東京中央郵便局長室内の展示パネル

DSC05730.jpg
KITTE 内の吹き抜け
お洒落なお店が並ぶショッピングアーケード。

DSC05743.jpg
案外知られていないのでは?
6階の屋上庭園は、広々としています。

DSC05745.jpg
駅舎の夜景を撮影しようと、数人のカメラマンが三脚をたててますが、
それ以外の人はまばら。その隙間をぬって、私もパシャ!
普通のデジカメの夜景モードで結構綺麗に撮れたので、嬉しいかもです。

DSC05748.jpg
こんなベンチがあって... おじゃましました。
夜景を楽しむデートスポットに最適。

DSC05740.jpg
みどころ満載のKITTE。
丸ノ内に来たら、ちょっと足を運んでみてはいかがでしょう。

Happy Birthday!

今年も元気に父の誕生日が迎えられて、とても嬉しいかぎりです。
しかも、父の孫にあたる甥っ子、姪っ子も含め、3世代8人が一同に集まって
誕生パーティーなんぞは、至上初めてのこと。
みんなにとって、とてもいい記念日になりました。o(>∀<*)o

DSC05663.jpg

まずは、こんな夜景を見ながら、乾杯!
DSC05658.jpg

帯広から届いた蟹がうまー。

DSC05657.jpg
孫とは言うものの、みんな立派な社会人。
(月日が流れるのは早いものです。)

一番下の(甥)子は、この後すぐ新潟出張で新幹線に乗るとのことで、
キャーヴ・ド・ひらまつのディナーには参加できず...
そんなわけ?で、簡単なおつまみを用意してくれた母。
高級食材にわーわーキャーキャーみんな大騒ぎです。

それでも、みんなで集まれたことは、貴重な想い出になりました。

DSC05666.JPG
大勢だと、なんだかそれだけで楽しくなります。
どこへ行っても撮影大会。
孫娘を囲んでご満悦の祖父母を撮影しているカメラマンの甥っ子を、
私が背後から撮影。

それから、皆でぶらぶら散歩をしながら予約してあるディナー会場「キャーヴ・ド・ひらまつ」に。
DSC05668.jpg
建物の入口には、たくさんの緑が置かれ、中央の吹き抜け階段が雰囲気抜群。
3階の皆さんがお食事をいただくフロアーもすごく開放的でとてもくつろげます。

若い女性シェフによる意欲的なお料理の数々には本当にビックリしました。
DSC05686.jpg
アミューズ ブッシュのエンドウ豆の冷製スープ 
最後にアイスクリームをのせて頂きました。
ラベンダーの花がお皿の右に飾られていて、ほんの少しスープと一緒にいただくと
香りが口のなかで広がり、なんだか不思議な感覚です。
まるでラベンダー畑にいるみたいな錯覚に陥ります。

DSC05687.jpg
今日のお肉は鴨の胸肉とフォアグラなので、ソムリエの方がお薦めしてくださったのが
SAVIGNY-LES-BEAUNEの2009年もの。
渋みのバランスもよく飲みやすい赤。
大人5人で飲むとあっという間にボトルは空です。

DSC05689.jpg
生ハムのタルティーヌ オニオンのコンポート
ホワイトアスパラガスのコンソメロワイヤルと共に

DSC05694.jpg
鴨胸肉のロースト フォアグラと季節野菜添え
黒胡椒風味の赤ワインソース

久々にフォアグラを口にして、なんかとても幸せ〜
鴨もフォアグラも火の通りがちょうど良くて、実に美味しい一品。


DSC05695.jpg
プロフィットロール 温かいチョコレートソース プラムのコンポートと共に
上に乗ったチョコレートは、弾力のある皮に包まれた生チョコで、
口に入れるとプチッと破れて中からトロ〜とチョコが溶け出すという
これも不思議な食感。プラムの甘酸っぱいソースもたまりません。
デザートの小宇宙のような一皿です。


DSC05706.jpg
かわいい小菓子

シェフをはじめスタッフ皆さん若い方ばかり。
とはいえ、行き届いたサービスを心がけ一生懸命接客してくださる様子は、とても好感が持てます。

格式張らない、気軽に行けるフレンチの素敵なお店ですよ。


=================
キャーヴ・ド・ひらまつ

港区西麻布4-3-7
電話 03-5766-6880
=================
Powered by Movable Type 5.2.7

このアーカイブについて

このページには、2013年6月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2013年5月です。

次のアーカイブは2013年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。