2013年7月アーカイブ

最近読んだ本 「ピアニスト」



最近読んだ本が「ピアニスト」。
この本のモデルになっているのが、あのユジャ・ワンと知り、とても興味が沸き手にしました。

エティエンヌ・バリリエというフランスの男性作家が書いた作品で、2人の(ヨーロッパ人)音楽評論家が中国人の女性ピアニスト(メイ・ジン)の演奏をめぐってネット(ブログとメールのやりとり)で激論を戦わせるという内容です。

登場する2人の評論家のうち、一人の年配の評論家は(著者曰く)理想主義者。
彼女の演奏を「奇跡」と評し、好意的に評価しています。

かたや若い評論家は、懐疑的な考えを持っており、東洋のピアニストが、ヨーロッパ人のように(クラシック)音楽を理解することはできないし、理解しようともしていない、と言い切ります。

2人の争点は、ヨーロッパのクラシック音楽が普遍的な価値を持っているか否かということ。

彼らのやりとりの文章はかなり哲学的で譬喩も多く、(正直)クラシック音楽に造詣が深くないと読み進むのは困難な気がしました。
裏をかえせば、古今のピアニストや作曲家についてある程度知識や教養のある人には、知的興味の尽きない本と言えるかもしれません。

原題は「Piano chinois - Duel autor d'un recital」 (Etienne Barilier)
(直訳すれば中国人ピアニストでしょうか。)

そもそも、バリリエがこの本を著すきっかけとなったのは、
中国、韓国、日本といった(極東の)国々でヨーロッパのクラシック音楽がごく自然に、ありのままの姿で愛好されていることを知り、驚嘆(感動)したことが動機になっています。

巻末に、著者が日本で行った講演会での言葉が掲載されているのですが、アニメ『のだめカンタービレ』、村上春樹の『スプートニクの恋人』、小川洋子の『やさしい訴え』などの作品から、強烈なインスパイアを受けたと述べています。

もしかしたら、そもそもの発祥のヨーロッパ以上にヨーロッパのクラシック音楽が生活や日常に存在している...
そういう危惧をも感じたのかもしれません。
私たち(日本人)にはない発想ですが。

彼は、ユジャ・ワンの演奏をスイスとフランスで2度聴いているそうで、
その時見聴きした体験を描写していると思われる箇所が随所にあり、
(実際に私も2度演奏会を聴いたことがあるので)読み物としても楽しめました。

ストラヴィンスキーのペトリューシュカを演奏している時の表情について、こんな表現を用いています。

以下引用
『テクニックの困難さを克服して、この若いピアニストがどうやってあのような力を抜いた顔つきを保ち、落ち着いて唇を半開きにしたまま演奏できるのか不思議だ。かの熟練のワイセンベルグでされ、この曲を弾く時は真剣でとげとげしい様子を見せたものだ。まさに「奮闘努力せよ」だ!メイ・ジンの方は、むしろ「笑う門には福来る!」か。』


登場する老評論家=バリリエ自身?と思わせます。

また、演奏曲(スカルラッティ ソナタK87、ショパンのピアノソナタ第2番「葬送」)についての分析も面白い。
バリリエ自身が音楽関連の著作や受賞を受けていることからも、かなりクラシックについて勉強していることが窺われます。

話しをもとに戻しますが...
この本は、クラシック音楽がなぜこれほどまでに私たちに浸透しているのか?ということについて、あらためて考えるきっかけをもらった気がします。
日本の古典音楽を口ずさむことはできなくても、ショパンの子犬のワルツを聴いたことの無い日本人はおそらく一人もいないでしょう。
そういう意味では、全てではないにせよクラシックはすでに普遍的な価値を得ているのではないか。
また、近代のピアニストは、偉大な作曲家たちの忠実な表現者から、創造者にTransformしてきているのではないか?とさえ思うのです。

今年もやっぱりサプライズあり

恵比寿の焼鳥屋で賑やかなバースデーも悪くないかも...

なんて思っていたら、

え? え?

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今年もやっぱりサプライズバースデー!

ヽ(ω・`*ヽ)(ノ*´・ω)ノ゙

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古民家の素敵なイタリアンで前夜祭

歳を重ねる毎に、美味しいものに貪欲になるようです。

何かにつけて、いろいろ評判をききつけてきては、
親しい友人と、食べ歩く今日この頃。

今日は、誕生日の前夜祭という大義名分をかかげて
ネットでも評判のイタリアンレストランを予約していただきました。
(今日も?)お財布は痛まないという嬉しいシチュエーションで、
待ってました Mon anniversaire! って感じです。

今年の記念日に選ばれたお店は、
都電の雑司ヶ谷から歩いて5分くらいのところにある、
オステリア・ピノ・ジョーヴァネ
ちょっと裏通りに面した古民家のイタリアンレストランで、ちょっとグルメな人の間では
知る人も多いお店のようです。

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古いお家も、インテリア次第でこんなに素敵になるものなの...?
marie claire Maisonに載っていそうな、ナチュラルなのにキラリと光る
センスの良さを感じる店内です。

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【ANTIPASTI FREDDI】
和歌山県紀伊産太刀魚と明石蛸のテリーヌ仕立て キャビア添え

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オリーブを入れて焼き上げたパン
このパンの食感と塩加減が絶妙に美味しくて、
一口食べ始めたら止まらなくなってしまいました。


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白の辛口のイタリアワインを1本あけました。
病院の消毒液で手を洗う洗面台みたいなものの上にワインクーラーが乗っていて、
笑っちゃいました。

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京都産加茂ナスとアワビのピッツァ仕立て

メニューからは想像していないかった形状のお料理にビックリ。
てっきり、生地の上にアワビとナスが仲良く乗っている料理と思いきや...

加茂ナスの中からごろごろっとアワビが出てきて...
とろけるナスとチーズ、こりこりっとした食感のアワビとのコラボは、素晴らしいの一言。

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徳島産ハモのトリノ風カツレツ


実は、メインのお肉とお魚のメニューが、
どれもシェフの創作を感じる魅力的なものばかりで、
なかなか選べず...

やっとのことで、ハモと鶏に着地。

派手さはないけれど、ハモのカツレツは、大成功チョイスでした。

ハモの素材の良さもあるとおもうけれど、衣のさくさくとしっとりした身の調理は
すごくシェフの腕の良さを感じました。トマトとの相性もすごくいいみたい。

余談ですが、友人は数日前、京料理屋でハモ料理をいただいたばかりで、
この日いただいた「トリノ風カツレツの方が美味しい」と絶賛していました。

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燻製した静岡県産ふじの鶏もも肉のソテー
チーズフォンデューをかけたジャガイモ添え


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あさりとムール貝と北海道産グリーンアスパラのパスタ からすみ添え

今日は前夜祭ですから、食材はめいっぱい特別な逸品ということで
キャビア、アワビ、からすみ...海の贅沢品づくしでHappy


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デザートは
ヨーグルトのパンナ・コッタ フレッシュフルーツのチュニジア風

食前酒に飲んだストロベリーのスプマンテといい、デザートのフルーツといい、
新鮮な苺をふんだんに使っているのにはびっくりしました。

ピスタチオのジェラートも美味しかったあ (⌒・⌒)

池袋は私にとって庭みたいなところなので、
そこでこんないいお店を発見できたのは、とっても嬉しいです。

平日の夜でも予約で満席になるので、
あらかじめ予約してから行くのがおすすめです。

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オステリア・ピノ・ジョーヴァネ
東京都豊島区南池袋2-36-8
TEL 03-6326-2263


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7月15日まで国立新美術館で開催されている「貴婦人と一角獣展」。
東京での会期がまもなく終了するので、「よかったらどうぞ...」ということで、
招待券をいただきました。

折しも、友人のシンガーおおばせいこさんから、この展覧会のタピスリーの話しを聞き、すごく興味がありました。
金曜の夜は20時まで開館しているので、仕事帰りに行くことに。

西暦1500年頃に制作されたという6面のタピスリーはどれも見事な作品で、観る人を様々な想像力の世界に引き込む魅力を備えています。
「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」という5感をそれぞれ表現する5枚のタピスリーと、「Mon Seul Désir」と書かれた謎の1枚。

貴婦人の衣装や周りに描かれている動物達の表情、まったく見飽きることがありません。

今から500年以上も前に制作された作品ですが、驚くほど鮮やかな色彩を放っています。

また、展覧会の見物の一つに、高精細デジタル映像で6枚の作品を映し出すシアターです。

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製作・著作:NHK、NHKプロモーション、凸版印刷株式会社

すごい技術力を感じるデジタル映像で、
実物以上に細かい描写を確認することができます。
画像の色彩も、500年前の制作当時に近い発色を再現していると思われます。

写真は、6枚のタピスリーに描かれた貴婦人の表情や衣装を比較している映像です。

当時の女性の髪型が面白いです。
一角獣の角のように、頭の頂上でポニーテールのようにするのが当時のファッションだったのでしょうか?

Googleサービスのご利用は慎重に!

今朝のニュースで一番驚いたのが、中央官庁でGoogleGroupのサービスを利用していたというもの。

その結果、少なくとも6000件以上が、誰でも閲覧できる状態になっていることが明らかに。
中には国際交渉に関する文章まであったというから、あまりにもお粗末な事件にあいた口が塞がらない話しです。

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サービスの設定(初期設定が誰でも閲覧できる状態になっていたこと)も良く理解せず
使っていたお役人にも呆れるけれど、それ以上にグーグルという会社のサービスを
公的な機関が利用するということに、信じられないというのが私の正直な感想。

そもそも、グーグルという企業を知らなすぎます。

Google社の怖さを知らないから、こういうことが平然と起こると思います。

私は、かなり前からGoogle社に脅威を感じている人間です。

Googleは、検索機能やメールをはじめ、実に様々なサービスを無料で提供しています。

タダほど怖いものはない、という言葉もあるけれど、

実はGoogle利用者の膨大な量の個人情報を掴んでいます。

サービス提供と同時にその人がネット上で行っているあらゆる情報をウォッチ。
CIA以上に怖い存在かも?しれないです。

くれぐれもご利用は慎重に。
NAXOS MUSIC LIBRARY(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)をご存知ですか?
クラシック音楽を中心にCD70,000枚が聴き放題というインターネット音楽配信サービスです。
その膨大なコレクションに、クラシックファンでもビックリされると思います。

私も、「そういうば、この曲ってどんな曲だっけ?」なんて思った時は、
すぐこのサイトにアクセスして検索してみます。
その結果、該当しない曲がなかったためしはありません。
(曲名を間違えて打ち込んだりした時はありましたが...)

スクリーンショット 2013-07-08 22.26.47.png

HOMEにある「今週の一枚」という、推薦文とともに紹介されるCDがなかなか興味深くて、ついつい定期的にアクセスしたくなるサイトです。

我が家はかなり前にCDプレーヤーが壊れて以来、
MAC(PC)とONKYOのアンプを接続して、モンスターケーブルでスピーカーに接続しています。
なので、パソコンといえども、かなり臨場感のあるいい音でネット動画やiTuneの音楽も楽しめる環境にしているお蔭もあり、NAXOSは私にとって、最もお気に入りのサイトの一つなのです。
しかも、(実は)これをタダで利用させていただいています。
(定額制のサービスで個人会員は月々1,890円程度かかります。)

何も違法な方法でアクセスしているわけではなく...
種明かしをすると...
千代田区の図書カードを作ると、自動的に無料で使えるようになるのです。

これを知ったのは、たまたま昨年暮れ、偶然に。
千代田区の施設を利用するにあたって図書カードを作る必要が出来てしまい、
(やむなく?)最寄りの千代田区図書館に行き手続きをし登録。
その後、ネット上から施設の予約をしようとサイトにアクセスしたところ、
NAXOSへのリンクがあり、「千代田区立千代田図書館さん」というID で
自由に利用できることが判明。

じつに「千代田区のサービス」恐るべしです。

豊島区や文京区、区立の図書カードをいくつか持っていますが、
私が知る限り、千代田区だけではないかと思います。
(違っていたらごめんなさい↑)
財政豊かで区民の少ない千代田区の余裕を感じさせるサービスです。

なので、千代田区の図書カードは利用価値大と声を大にして言っちゃいます。
よく、区民や勤め先がある区でないと図書カードは作れないのでは?
と思われているふしがあるのですが、そんなことはDon't worry。
埼玉県人でも千葉県民でも、23区の図書カードが作れます。

なので、NAXOS を触ってみたいという方は、
まず千代田区の図書カードを作って試すという選択肢がありますよ!

※ただし、試聴後のCDレビューを書き込んだりといった機能は、(有料会員にならならいと)利用出来ません。本格的に使いたい方は、有料会員になることをお薦めいたします。

目白にある素敵なワインバー

6月最後の日曜日は、目白で仕事があり、
夜、駅からすぐ近くにあるワインバー「ル・テロワール」に友人とまいりました。

最近は、ちょこちょこ「食べログ」を覗いて、これは!というお店を
ブックマークしています。
こちらのお店も、そのブックマークの一つ。
目白は昔住んでいた馴染みの場所でもあり、ぜひ一度訪れてみたかったのです。

今日ご一緒いただいた友人も、信頼のおける(食べログの)レビュアーさんが口コミを
書いており、興味があったとのこと。2人で興味津々乗り込みました。

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目白駅から1分という立地にもかかわらず、静かで落ち着いた雰囲気の
店内です。1階はクレープ・ガレットのお店で、その2階にあります。

まずワインリストを見て、その品揃えに驚かされました。
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http://www.creperie-mont-st-michel.com/files/pdf/Wine_List_2F_nov10.pdf

↑仕入れの状況で、多少この日見たものと異なるようですが、
種類の豊富さは、お分かりいただけると思います。

アルザス、ボルドー、ブルゴーニュ、ロワール、ラングドック...いろいろな地方の
フランスワインがあり、楽しめそうです。

そして、グラスの値段がついていないものでも、一杯出しをして下さるそうです。
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まず最初にいただいたのは、「MUSTANGO」という白ワイン。
フランス人のソムリエ?の方が、アドバイスして選んでくれました。
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爽やかで口当たりの良さに、ごくごくと飲めてしまいます。


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Salade de crabe et celeri rave
カニとフランス産根セロリのサラダ
Galette saucisse
シェフ特製がレット・ソーセージ(シードルで煮たソーセージを使用)

ソーセージをガレットで巻いた一品は、
さりげないけどキラリと光るお料理です。

ワインバーというジャンルに入るようですが、お料理も魅力的なメニューがいっぱいです。

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2杯目は 「POUILLY-FUME」 2010。★★★
地方:Loire ロワール
生産:Domaine Alexandre BAIN
http://www.pouilly-fume.com/pouilly.en.html
フュメとは「煙でいぶした」という意味だそうで、独特な香が特徴なのだとか。
最初に飲んだMUSTANGOと比べると、ずいぶん個性のある味だった記憶です。
すごく気に入りました。

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ムール貝のワイン蒸しと、美味しいワインがあれば、もう言うことなしです。

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MarquiseDeLaTourette.jpg

3杯目は↑「HERMITAGE」と書かれたこちらの白。

http://www.delas.com/
http://www.delas.com/espritvins/fichevin.php?sub=1


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↑こちらもお試し。
MARSANNAY
Clos du Roy 2008
地方:Bourgogne ブルゴーニュ
ドメイン:Jean Fournier

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Clos del Rey
地方:Languedoc-Roussillon(ラングドック=ルシオン)

本日最後にいただいた赤は、
牛ハラミのステーキ、コニャックフランベ、グラタンドフィノワ添え」に
あわせて、お店の方が選んでくださったもの。

ロワール、ブルゴーニュ、最後地中海に面した南フランスのラングドックまで
実に楽しいワインの旅となりました。

素敵なお店なので、もし目白に行く機会があればお立ち寄りを!
個人的には、1階のガレットのお店も気になっているので、
近々ん行ってみたいと思います!

ル・テロワール LE TERROIR
東京都豊島区目白3-4-15プラネットメジロ 2F
電話番号:03-6915-3857
営業時間:月〜土18:00〜24:00 日・祝18:00〜23:00
定休日:不定休
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