希望と夢をくれた牛田智大のリサイタル

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牛田智大くんの東京オペラシティコンサートホールでのピアノリサイタルに行きました。


会場はほぼ満席。小学生ぐらいのお子さんとお母さんといった親子づれの姿が多いのも印象的でした。私の席の近くに居た小学校高学年ぐらいの男の子もピアノを習っているようで、熱心に聞いていました。

牛田智大くんについては、テレビ出演も多いので、彼のプロフィールを今さらあらためて書く必要もないでしょうけれど、現在13歳(中学2年生)。
ステージに出て来ると、あどけい少年の身体つき。でも、お辞儀をしてピアノの前に座ると、年齢をはるかに超えた落ち着きと余裕を放っていました。そして、プロと言って恥ずかしくない実に堂々とした演奏。
聞き応えたっぷりの演奏会でした。

この日の演奏は以下の通り。
<前半>
・ショパン:2つの夜想曲より第8番 変二長調 Op.27-2
・ショパン:ポロネーズ第7番 変イ長調「幻想」Op.61
・ショパン:24の前奏曲第15番 変二長調「雨だれ」Op.28-15
・ショパン:バラード第3番 変イ長調 Op.47
・ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄」 Op.53
====休憩=====
<後半>
・リスト:パガニーニ大練習曲集より第6番 イ短調「主題と変奏」
・シューベルト/リスト:白鳥の歌より第7曲「セレナーデ」
・シューマン/リスト:献呈
・リスト:巡礼の年第2年<イタリア>より第7曲「ダンテを読んで−ソナタ風幻想曲」
============
私の席は、3階の左ステージ真上。さすが距離が近いだけあって、ピアノの音がクリアに聞こえていいですね。そして、指の動きがよく見えるのなんのって...。
欠点は顔がまったく見えないこと。
後ろに向かってお辞儀をする一瞬だけしか見れませんでした.
演奏中の表情がいいことでも有名なので、これはちょっと残念でした。

前半のプログラムはオールショパン。後で気付いたのですが、変二と変イ長調の曲ばかり。
1曲目の夜想曲。舞台袖から出て正面に向かってお辞儀をし、それから舞台後ろ席に向かっても笑顔できちんと一礼。その一連のしぐさが、なんとも好印象。

ピアノの前に座って、しばらく集中力を高めているようでした。
まったく上がっている様子もなく、弾き始めました。手の動かし方、背中からお尻までとっても綺麗です。
そして演奏は、まるで極上のスイーツのよう。
夢見がちなショパンの調べは清らかで滑らかで、ピアニッシモが美しい音色を奏でます。ミスタッチをするのでは?なんてハラハラとは無縁の演奏。前半最後の「英雄ポロネーズ」では、思わず見事な左手の動きに目は釘付け。こんな細い身体の小さな手でも、ダイナミックな音が出せるのね、とちょっとビックリです。

後半ではお馴染みの「献呈」もふくめ、リストでまとめたプログラム。
最後の「ダンテを読んで」が実に良かったです。
ちょっと癒し系の甘めのプログラムで、酔い気味だった私には、最後のリスト「ダンテを読んで」の演奏で今日のリサイタルの評価はぐっとアップ。こういう選曲が大人の証拠?なんてね。
アンコールも盛大な拍手に応えるように3曲も披露。
(私の予想では、リストの「愛の夢」か「子犬のワルツ」と踏んでいましたが...)

あろうことか(サイン会で)すっかり嬉しくなってしまって、
アンコール曲をメモるのを忘れてしまいました。

記憶を頼りに...
1曲目:シューマン「アヴェ・マリア」だったかと...
2曲目:プーランク「エディット・ピアフを讃えて」
3曲目:ショパン「子犬のワルツ」←やはり18番なので、ラストにもってきましたね。

これから世界に羽ばたく可能性を秘めたピアニスト牛田智大くん。
心身の成長と共に、さらにスケールアップした演奏を期待しています。
20代、30代、40代とどんな人になるのか、演奏会に行くのが楽しみ。
ぜひ、レパートリーを増やして、ラフマニノフを聴かせて下さいね!

なんとサイン会があるということで、
最後に一度ぐらいはお顔を拝そうと長蛇の列に並ぶことにしました。

DSC05969.jpg

こんなキュートな笑顔を向けられては、ひとたまりもありません。
すっかり舞い上がって、アンコール曲のチェックを忘れて家路に...


この日買った「リトル・ピアニスト」にサインしていただきました。
DSC05971.jpg
1人1人に丁寧に描いてくれる可愛いイラスト。
ついつい笑みがこぼれてしまいます。
それにしても、演奏会後のプロモーションも疲れた顔を見せず笑顔でこなすところは
完全に大人。昔の武士の子みたいだな...と思ってしまいました。

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このページは、Nancyが2013年9月 7日 22:00に書いたブログ記事です。

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