ヨコハマトリエンナーレ2014 ー第2〜3話ー

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第2話 漂流する教室にであう

日本の戦後の高度成長を支える労働力を供給し続け、しかしその成長の停止とともに置き去りにされた町、釜ヶ崎。
「釜ヶ崎芸術大学」(通称「釜芸」)は、高齢化、医療、就労、住居、生と死等々、多くの問題を抱えた釜ヶ崎に、「表現」行為を通じて関わるべく立ちあげられた。
今夏、「釜芸」が横浜に漂着する。釜ヶ崎が発信する感覚、まなざし、生きる姿勢が、どんな「夏の教室」になっていくのか。それは、やってみないとわからない。

展示内容:釜ヶ崎芸術大学(通称:釜芸)による展示。
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釜ヶ崎芸術大学とは...
2012年、大阪市で開校。日雇い労働者の町としての歴史をもち、今も多くの元日雇いの高齢者が暮らす大阪市西成区の釜ヶ崎と呼ばれる地域を拠点に、あらゆる人を対象として哲学、書道、詩、芸術、天文学等の多彩なテーマによる講義やワークショップが行われています。本展では、成果発表展示のほか、オープンキャンパスとして出張講義や公演等を行っています。

第3話 華氏451はいかに芸術にあらわれたか

人類の歴史に繰り返し登場する、思想統制という強制的になにものかが抹殺される悲劇。
それらを批判したり糾弾したりすることが、ここでの目的ではない。
かつてあった、あるいは今もどこかで起こっているそうした悲劇が、ほかならぬ私自身の今を映し出す鏡となりはしないか。「おまえはどうなの」と私に私自身を振りかえらせる手がかりとなりはしないか。

展示作家:
モエナイコトバ Moe Nai Ko To Ba
大谷芳久コレクション OTANI Yoshihisa Collection
松本竣介 MATSUMOTO Shunsuke
奈良原一高 NARAHARA Ikko
エリック・ボードレール Eric BAUDELAIRE
ドラ・ガルシア Dora GARCÍA
マイケル・ラコウィッツ Michael RAKOWITZ
エドワード&ナンシー・キーンホルツ Edward & Nancy Reddin KIENHOLZ

エドワード&ナンシー・キーンホルツ
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エドワード&ナンシー・キーンホルツの左が「実用芸術 No.1(整理箪笥とテレビ)」。
右が「億万長者」。

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右手間はエドワード&ナンシー・キーンホルツ「ダブル・クロス・テレビ」(1987)

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エドワード&ナンシー・キーンホルツ「ビッグ・ダブル・クロス」1987-1989


ドラ・ガルシア
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ドラ・ガルシアの作品「ahrenheit 451 (1957)」(2002)。
小説『華氏451度』を鏡文字で"複製"した書籍が机にうずたかく積み重ねられた本展出品作。
テキスト(文字)も三者をつなぐ重要な要素。彼女は、2011年ヴェネチア・ビエンナーレのスペイン代表作家として、実はすでに作品に触れていました。
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第54回ベネチアビエンナーレのスペイン館でのドラの作品展示風景。


Moe Nai Ko To Ba
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レイ・ブラッドベリの小説『華氏451度』へのオマージュとして特別に作られた"世界でただ一冊の本"。スターリン政権下に口伝で残されたアンナ・アフマートヴァの詩など7本のテキスト、ナチスの爆撃を避けて空っぽになったエルミタージュ美術館を描いた素描、志賀理江子の写真等が収録されています。会場で自由に閲覧できます。装幀:渡辺和雄、製本:大家利夫、収録:志賀理江子ほか
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マイケル・ラコウィッツ
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マイケル・ラコウィッツの「どんな塵がたちあがるだろう?」と題された作品。


大谷芳久コレクション
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現代美術画廊「かんらん舎」のオーナーであった大谷芳久氏が、1995年にドイツで見たジョージ・グロスの個展を機に、太平洋戦争期の日本の芸術家の表現活動を調べるべく収集した書籍コレクションの一部を展示しています。戦中に出版された詩文の多くは戦争や軍への讃歌であり、当時はベストセラーとなったものの、戦後はその多くが消えていきました。

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このページは、Nancyが2014年9月17日 14:03に書いたブログ記事です。

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