超おすすめ展覧会!ヴァロットン展をお見逃しなく!

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スイス生まれの画家、フェリックス・ヴァロットン(1865-1925)の日本初の回顧展が三菱一号館美術館で開催中です。
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日本ではほとんど知られていない画家と言ってもいいと思いますが、今回の大規模な回顧展はパリのグラン・パレ(会期:2013.10.2-2014.1.20)やアムステルダムのゴッホ美術館(会期:2014.2.14-6.1)などを巡回し、日本にもやってきたというものです。
この展覧会はヨーロッパでも記録的な入場者を数え大変に話題になったようです。
ここ日本でも、NHKの「日曜美術館」で紹介されたり、テレビ東京の「美の巨人」に取り上げられたりして、一躍有名になったのではないでしょうか。
なかなかまとまった作品を見る機会の少ないヴァロットンの回顧展。
薄曇りの天気でしたが、時折まぶしい日差しが降り注ぐ、ちょっとじっとりした土曜日に見に行きました。

良い作品が沢山ありました。
なかでも「ボール」という作品は、今回のメインビジュアルとして使われていて、パンフレットやポスターで目にされた方も多いと思います。ちょっと謎めいた作品と言われています。
視る角度の違う写真2枚をもとに描かれた作品のため、不安定な印象を与える作品に仕上がっているのです。手前のボールを追いかけている少女は、2階以上の高さのあるところから下の庭を覗き込んでいるような視線で描かれているのに、奥の婦人2人は同じ高さの目線で描かれています。それがアンバランスを生み、不思議な感覚を呼び覚ます作品になっているのです。

それから版画が秀逸です。
「アンティミテ」と題された男女の関係をモチーフにしたシリーズの連作は、構図や表現力に目を見張るものがあります。その一つ「お金 L'argen」という作品は1対の男女が左隅に描かれているのですが、女性のすぐ脇に立つ男性の身体から右画面にむけては黒1色に塗りつぶされています。闇を抱えた男性が、女性にお金の交渉をしているのでしょうか?
「勝利」では、ハンカチを顔にあてて泣いている男性の傍らで、冷ややかな表情を浮かべる女性が描かれていて、
題名と物語を想像するのも面白いです。

女性を描いた作品もいいものが沢山あります。
私は、赤い服を着た女性の肖像画に釘付けになりました。背景も赤、着衣も赤、色々な赤で埋め尽くされた画面に浮き上がる女性の顔がなんとも美しく生き生きと見えました。
そのコーナーには、「海からあがって」という作品名の青い瞳の美しい女性画や「アフリカの女性」など
女性を描いた作品が集められています。

もっともっと作品について書きたいのはやまやまなのですが、ついブログを書き溜めてしまう癖があるので、
今日はこのあたりにします。

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冷たい炎の画家 ヴァロットン展
会期:2014.6.14(土)-9.23(火・祝)
会場:三菱一号館美術館
開館時間:10:00-18:00(祝日を除く金曜日は20:00)
ホームページ:http://mimt.jp/
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それから、同時開催している「静嘉堂の東洋陶磁コレクション」もすばらしい展示です。

ぜひ、三菱一号館美術館に足を運んでみてください。

この美術館の中庭は、イギリスっぽくて大好きです。
この日の昼間、藝大の方々によるJAZZ演奏がこの広場で行われていて大賑わい。展覧会を見終わって出てくる頃には、静かな庭に戻っていました。
いつもは腰掛けてゆったりするのですが、ちょっと今日は蚊が心配なので歩くだけにとどめました。


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美術館を出て、丸の内仲通りのブランドショップのウィンドウと屋外彫刻を楽しみながら東京駅に向かうのが私のお気に入り!
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Kateはとってもキュート。水玉のマックブック用のケースが売っていて、すごく欲しくなってしまいました。
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ネクタイをベルト替わりに結んで〜 Brooks Brothers流着こなし術。真似できないけれど、勉強になります。

あら!?久しぶりに歩いてみると...
新しい彫刻に入れ替わっていました。
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安藤泉作「G-proportion」(2013)

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ティモ・ソリン「日光浴をする女

東京はアートがそこここに存在していて、本当に楽しいです。

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このページは、Nancyが2014年9月16日 12:57に書いたブログ記事です。

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