2015年1月アーカイブ

Gate: Monika Sosnowska

DSC08201.jpg

DSC08233.jpg

DSC08234.jpg
DSC08235.jpg
1月20日から始まった、モニカ・ソスノフスカの国内初となる展覧会が銀座メゾン・エルメス フォラームで開催されています。いつも、会期の終わり頃に行くことが多く、ブログにアップする頃にはもう展覧会が終了していたので、今回は珍しく早い段階で見てまいりました。

Gate 1〜4まで4点の巨大なスティール作品が天井から吊り下げられた展示構成で、それぞれ、ぐにゃっと曲げられた現物と同じサイズの門です。
モダニズムを代表する建築や社会主義時代の公共建築などから壁やファサード、窓、廊下などを断片的に取り出し別な言葉へと置き換えていきます。
今回の展示の「Gate(門)」は、現存する門(上写真2点)をMonika自身が新たに作り、それを自由な形に歪めることで、新たな開放への象徴ーユートピアへ続くという、肯定的な作品です。
ゆがんだ巨大な金属彫刻は、一見すると「暴力」や、「破壊」といった負のイメージを抱かせます。
社会主義の崩壊と結びつけてしまいがちですが、作者の意図するところはそうではなく、開放という未来に向けられています。

会場にいらした学芸員の方のお話しを伺うことができて、本当に良かったと思いました。

力強い作品に触れ、風邪ぎみの身体に喝が入った気がします。

Monika Sosnowska/モニカ・ソスノフスカ
1972年、ポーランド生まれ。ワルシャワ在住。
1972年生まれなので、(おそらく)現在43才。
なんと、2011年の第54回ヴェネツィア・ビエンナーレにも出展していたとのことなので、縁のある作家さんでした。でも残念ながら作品の写真を見ても、記憶にないのです・・・(´Д`。)

美味しいお店が続々と吸い寄せられるようにオープンしている西武池袋線「桜台駅」周辺。

友人からのお誘いがあり、暮れに伺った「イタリアーノ プント ワイン&幸」に続く、桜台グルメ紀行をしてまいりました。
第2弾は「フレンチMaruyama」。
オープンして間もないながら"ビブグルマン"にも選ばれたということで、期待に胸ふくらみます。

結論から先に申し上げると、シェフのお仕事の丁寧さ、味のセンス、そしてコストパフォーマンス、どれをとっても実にクオリティの高い驚くべきお店でした。

DSC08154.jpg

DSC08158.jpg
冷製前菜「蟹・帆立・オマール海老のコンソメジュレとウニ添え」 ★★★★☆

DSC08162.JPG
シャンパングラスに底から人参のムース、その上にホタテ、カニ、オマール海老のタルタルソースを、その上にウニが贅沢に盛られたパフェ。
見た目にも華やかで、楽しい一品。トッピングはとんぶりと菊の花びら。

DSC08163.JPG
温かい前菜:白子のムニエル
余談ですが、友人のウンチクによると、白子と羊の脳みそは似ているのだそうです。
私は「リードヴォー」をつかった料理だったのですが、写真がうまく撮れてなくて、、、、

DSC08165.JPG
魚料理:『スッポンのスープ スッポンのガンモを浮かべて』
コンソメスープにスッポンの入ったがんもどきが入った、ちょっと和テイストのフレンチメニュー。
シェフの創意工夫を感じる一品でした。

DSC08166.JPG
魚料理:「鱈のポワレ」皮がパリッとして美味しい。添えられている大根も珍しい品種。
★★★

DSC08168.JPG
肉料理「鴨胸肉のロースト胡椒風味」★★★★☆
ピンクペッパーとほんのり甘い(蜂蜜とおぼしき?)ソースがお互いを引き立てあってすごい美味しいです。
火加減もすばらしいです。
なんとなく、青山のイタリアン「Da Fiore」でいただいた鴨の胸肉をごくごく軽く燻してアカシアの蜂蜜をかけたお料理をちょっと思い出しました。Da Fioreでは蜂蜜と岩塩でコントラストをつけていましたが、こちらはピンクペッパーとの組み合わせで。きっと鴨肉と蜂蜜の相性はよいのですね。

DSC08170.JPG
肉料理「エゾ鹿のロースト赤ワインソース」★★★★☆
濃厚な赤ワインのソースは上品な味わい。火加減も絶妙な鹿肉でした。
そうそう、付け合せのお野菜も珍しい大根や、黄色い蕪など、あまり見慣れないものが
さりげなく添えられているのが楽しいです。
長野の生産者さんから取り寄せていらっしゃっるそうですが、冬の間は築地から
仕入れていらっしゃるとのこと。
何気なくともセンスの光るお料理です。

DSC08171.JPG
デザートは「本日のタルト」
生の苺の酸味とタルトの甘みが美味しい。

DSC08172.JPG
デザート「みかんのコンポート ヨーグルトアイス添え」
シェフが丁寧にみかんの皮をむいて調理されたとのこと。
一見派手さはありませんが、素材を活かした極上のデザートに仕上がっています。

DSC08173.jpg
ディナーのBコース(前菜2品+魚料理+肉料理+デザート)をいただきました。
※私と友人とそれぞれ別なものをオーダーし、仲良くシェアしたので、たくさんの写真をアップしております。
一人で全部いただいた訳ではない(笑)ので、誤解しないでくださいね。

ワインはキャラフェで白→赤といただいて、だいたいお一人様7千円台。
フレンチにしては非常にリーズナブルと言えましょう。

私の印象に残っているお料理は「シャンパングラスに入った蟹・帆立・オマール海老のコンソメジュレとウニ添え」と「鴨胸肉のロースト」。
外の貼り紙にもありましたが、
シェフが自身を持ってお勧めする「ジビエ料理」は、この季節ぜひお試しあれ!

=================================
店名:フレンチMaruyama
住所:東京都練馬区桜台1-5-12 丸吉ビルB1F
電話:03-5946-9501
最寄駅:西武池袋線 桜台駅 徒歩1分
営業:【平日・土・祝・祝前】 ディナー 17:30~23:00 (L.O.21:00)
   【火~日・祝・祝前】 ランチ 11:30~15:00 (L.O.13:30)
サイト http://hitosara.com/0006022991/

ひょんなきっかけで、急遽1週間前にチケットを入手した「アレクサンダー・ロマノフスキー」のリサイタル。1月23日(金)紀尾井ホールでのリサイタルに出かけました。

紀尾井ホールは2階席まであわせて800席というこじんまりとしたホールながら、落ち着いた内装で会場の華やかなシャンデリアが印象的な、素敵なホールです。

今日は、2階席のステージ左脇の席です。この位置だと顔はほとんど最初から最後まで見えませんが、演奏中の手の動きがとてもよく観察でき、勉強になります。
とても大きいけれど繊細な手の動き。

IMG_1297.JPG
今日の演奏曲は、前半がベートーヴェンソナタ2曲。ピアノ・ソナタ第14番「月光」(Op.27-2)と後期3大ソナタで有名な第30番(Op.109)。
後半はオールショパンで、バラード2曲とピアノ・ソナタ第2番「葬送」(Op.35)。
いずれも才能溢れる見事な演奏でした。
曲の解釈も非常に丁寧に掘り下げられていると思いますし、テクニックは言うに及ばず。
実に美しい音楽を奏でる演奏家だと思いました。
なにより、演奏中の後ろ姿が絵画のように美しい方です。

私は自身でリサイタルのチケットを購入する時は、特別に関心のあるピアニスト以外は、基本的に演奏曲で選ぶことにしています。
もっと言ってしまえば、バロックとか、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンだけで組まれているようなプログラムの時は自分からは行きません。やはり曲に対する理解や愛がないと、せっかくいい演奏も苦痛に感じてしまう、、、、私は心の狭い人間だったりするのです。
逆に、自分の好きな、愛する曲を目の前で演奏されている時の胸の高鳴り、高揚感たるや、それが生の演奏会の最高の瞬間であり、醍醐味です。

今回もその例に洩れず、アンコール3曲目で演奏されたスクリャービンのエチュード 作品番号8の9番(Op.8-9)でエクスタシーに到達。
この力強くダイナミックな曲を、見事に聴かせてくれたロマノフスキーに大喝采です。
日本公演の最後の日となるのこの演奏会に、彼自身の思い入れも大きかったように見えます。

ロマノフスキーのレパートリーにラフマニノフは数多くありますが、スクリャービンの演奏はネット上でもまったく見当たらないので、これは今日だけのすごいボーナスだったと言えるのでは?

そんな嬉しい気分にもさせられた今日の演奏会。
私には本当にいい音楽に包まれた幸せなひとときでした。

IMG_1296.JPG

== 今日のプログラム ==
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調Op.27-2「月光」
Beethoven: Sonata No.14 in C-sharp minor, Op.27-2 "Moonlight"

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調Op.109
Beethoven: Sonata No.30 in E major, Op.109

- - - - - - - - - - -  休憩- - - - - - - - -

ショパン:バラード 第2番 ヘ長調 Op.38
Chopin: Ballade No.2 in F major, Op.38

ショパン:バラード 第4番 へ短調 Op.52
Chopin: Ballade No.4 in F minor, Op.52

ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35「葬送」
Chopin: Sonata No.2 in B-flat minor, Op.35

========アンコール曲  4曲 ============

Chopin:Etudes Op.10 No.12 「革命」
Bach/Siloti:Prelude No. 10 In E Minor (BWV.855)
Scriabin:Etudes Op.8-9
Chopin:Nocturn No.20 in C-sharp minor

※チェスキーナ・永江洋子さんに捧ぐというコメントがジャパン・アーツHPに掲載されています。
http://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=256&lang=1

↓ロマノフスキーの美しい音楽を聴いてみたい方はこちらでお試しを!
アンコールで演奏されたショパンのノクターンです。

とある平日の午前中のこと。
仕事で汐留シティーセンターに来たおり、面白い建造物に遭遇しました。
それが、写真の「旧新橋停車場」を再現したものです。

IMG_1289.JPG
1872(明治5)年に開業した旧新橋停車場の駅舎を、当時と同じ場所で開業当時の外観を再現して2003年4月から公開されているとのこと。現在の「新橋駅」からはちょっと離れているのですね。

IMG_1290.JPG

プラットホームと、軌道レールも再現されています。当時は屋根があったそうですが、今回屋根は再現されませんでした。
奥に見える駅舎と連続して25mの範囲で石積みを再現したプラットホーム。
建物正面の(カーテンのついた窓)施設内は、現在「銀座ライオン 汐留店」として営業されているようです。
趣のある駅舎でいただくビールは、実に楽しめそうです。

IMG_1287.JPG
急足だったので、「0マイル標識」撮り損ねてしまいました・・・(T-T )
IMG_1293.JPG
こちらは駅舎の正面玄関。鉄道や汐留の歴史などを紹介する「鉄道歴史展示室」を設けています。
汐留の高層ビルと実に対照的で、建物の魅力が引き出されていると思います。
後ろに見えるガラス張りのビルが「汐留シティセンター」です。


機会があればゆっくり見たい施設です。

==============
旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
Tel. 03-3572-1872
〒105-0021 東京都港区東新橋1-5-3
http://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/index.html

新宿の世界堂に画材を仕入れに行く途中、伊勢丹のショーウィンドウを覗くと、なんと池田理代子先生の「ベルサイユのばら」とコラボしたディスプレイがされていて驚き!です。

「ベルばら」は、青春の象徴。多勢の少女達がオスカルに胸をときめかせ、憧れた永遠の物語。正確に言うならば、私の少し上の世代の方たちがコミック連載の全盛期だったのですが、その後の実写版映画やアニメの放映などで私もすっかり取り憑かれオスカル信者になりました。(ちなみに私は「キャンディキャンディ」全盛期世代です。笑)

そんな思い出深い、ベルばらの登場人物がそれぞれ素敵にディスプレイされているのですから、全部見ないわけにはいきません。そんな懐かしい思いの方もいるでしょうし、洒落たディスプレーに足を止める方、悲喜こもごも沢山の方が携帯で撮影していました。

DSC08149.JPG

DSC08147.JPG

DSC08138.JPG

DSC08146.jpg

花札とコラボしているところが、とっても面白い発想です。 展示している百貨店の商品も、服だけではなく、インテリアだったり、クリスタルの食器とカトラリーだったり、、、、と工夫されています。
DSC08144.JPG
ルイ16世は抱き枕? でしょうか?ちょっと不思議な雰囲気の飾り付け。

DSC08143.JPG
ナポレオンはシャープでモダンなインテリアでコンパクトな空間にまとめられています。

DSC08142.JPG
一番デザイン的にかっこいい!と思ったのが、黒い騎士の↑このディスプレイ。

この「神々ご利益花札」ディスプレイの展示は1/20までです。

IMG_1280.JPG

伊勢丹ショーウィンドウの公式サイト http://isetan.mistore.jp/store/shinjuku/show_window/index.html

Soleil Noir: Laurent Grasso

DSC09389.jpg
現在、銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中のローラン・グラッソ展。
1972年生まれで、2008年にマルセル・デュシャン賞を受賞するなど、近年注目を集めているアーティストです。日本における初の個展と聞き、時間を作って足を運んだ次第。
DSC09370.jpg
Studies into the Past
DSC09355.jpg
DSC09356.jpg
DSC09357.jpg
この3点の絵画は、「Studies into the Past(過去についてのスタディ)」と名付けられた作品で、いずれも450〜500×310〜350mmの小品です。

中世の騎士が彗星に驚いている様子や、不思議な巨大遺跡と赤黒い太陽が描かれたシーン、UFOからレーザー光線を浴びせられている騎士?の3枚がセットになっています。

真ん中の絵画、巨石の描かれた絵は、兵庫県高砂市の生石神社に御神体として祀られている巨大石「生石神社の石宝殿」をモデルに描かれているのだとのこと。幅6.4m、高さ5.7m、奥行き7.2mもある「生石神社の石宝殿」は、明らかに人工的に造られたものでありながら、誰が、いつ、何の目的で作ったかは未だ不明の、謎多き代物だそうです。
そんな日本の題材を取り上げた作品は、今回が初公開。
DSC09358.jpg
DSC09359.jpg
DSC09364.jpg
DSC09365.jpg
3曲屏風の空間バランスは、面白いです。

見る人の想像力を掻き立てる作品の数々に出会う展覧会です。

=================================
ソレイユ・ノワール/ローラン・グラッソ
会期:2015.11.11(Wed) - 2016.1.31(Sun) 11:00〜20:00(入場19:30まで)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム (8F)
入場料:無料
公式サイト:http://www.hermes.com

DSC09372.jpg

昨年12月に訪れた際のレポートですので、現在の展示と異なっている可能性はございます。あらかじめお含みおきください。

今年はじめの音楽会は、1月10日に行われたサントリーホールでの「日本赤十字社 第50回 献血チャリティー・コンサート」でした。

nisseki20150110.jpg

先行販売の抽選で2枚運良くチケットが取れたので大喜び。

友人を誘って行こうと思っていたのですが、去年の秋頃実家に立ち寄った際父が元気がなかったことが気になり、たまには両親に音楽でも楽しんでもらえたら・・・と急に思い立ち、ペアでチケットをプレゼントすることにしました。

というわけで、私は一般発売で購入したので、ちょっと離れた席になりました。

父も高齢で足腰がすっかり弱ってしまったので、タクシーで会場に向かうことにしました。
タクシーで乗り付けたことなど一度も私はなかったので、ANAインターコンチネンタルホテルの駐車場内に「サントリーホール降車場」というところがあるなんて、今回初めて知りました。そこが一番楽な行き方とは知らず、いったいどこに連れていかれるのか運転手さんにくってかかってしまう一幕もあったのですが、降りるとすぐ前にエレベーターがあり、それで2階にあがるとカラヤン広場に直結しており、降りるとすぐ左正面がホール入口というじつに便利な近道です。今回タクシーの運転手さんに教えていただき、大助かりです。生憎、エレベータが点検中で、結局ホテル内のエスカレータを利用したわけなのですが・・・

このタクシーの運転手さん、なんとサントリーホールがオープンした時に、JAZZの演奏で出演されたことがある方だそうで、、、(ちょっとテリー伊藤似の)とても親切な方でした。

開演15分前ぐらいにやっとこ会場に到着して、両親を席まで連れて行ったところ、なんと日頃親しくしているYさんがお隣に!これには、びっくりしました。演奏会に来ていることは知っていたものの、まさか両親の席とお隣どうしになるとは、思ってもみませんでした。不思議なご縁ですね。(抽選後の席の割り振りは、もしかして「あいうえお順」だったのでは?といぶかっている私です。)

それはさておき、辻井伸行君の演奏を生で聴く初めての機会。私もとてもこの演奏会を楽しみにしていました。

大ホールの客席は、空いている席もところどころ見えましたが、ほぼ満席。

開演2時がまわり、1曲目の歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲が演奏されました。

指揮の下野さん、1月4日のEテレ「クラシック音楽館」でショパンのピアノ協奏曲 第1番とドボルザークの交響曲第6番を振っていらしたのをテレビで拝見したばかりだったので、なんとなく親しみを感じました。とても楽しそうに指揮していらっしゃる姿に、見ているこちら側もうきうきした気持ちになってきます。ちょうどPブロック寄りのLAブロック席だったので、指揮者のお顔の表情や手の動きがよく見えて、とても楽しめました。

2曲目が、今回の目玉、チャイコのピアノコンチェルト。下野さんに連れ添うように辻井君がステージに登場。

辻井君のピアノの音色が聴こえ始めると、胸にこみあげてくる見えない感情に目頭に涙が溜まってきてしまいました。

それを感動と呼ぶべきかよくわからないのですが、人が生きることの素晴らしさを感じたのだと思います。

楽譜を見ることができなくても、音を記憶すれば弾けると思います。でも、鍵盤が見えなくて、どうしてあれだけのスピードと正確さで弾くことができるのか?1オクターブ以上も離れた音をつないで演奏できるのか?(鍵盤に点字の印が付いているわけはないですしね。)食い入るように私の目は彼の手を観察していました。

でも、それも最初のうちのことで、1楽章の後半あたりからは指とか弾き方なんてどうでもよくて、ホールに響き渡る音楽そのものの魅力にとりつかれていました。

とにかく、素晴らしかったです。久々のオーケストラの迫力に心震える一時を過ごしました。

今年はコンチェルトイヤーになりそうです?

3月には横山幸雄さんの4大ピアノ協奏曲の演奏会が控えていて、今年はコンチェルトを楽しむ機会が多くなりそうでワクワクしています。(↑それにしても、ベートヴェンの第5「皇帝」、ショパンの1番、チャイコの1番、ラフマニノフの2番、以上すべてピアノ協奏曲という力技ともいうべきキワモノ的プログラム。13時開演で終了が16時を予定しているというのですから、聴く側も体力ないと最後まで聴けない気がします。)

ピアノコンチェルトが私は大好きです!

今年シューマンのピアノコンチェルトでいい演奏会があったら、ぜひ教えてくださいね。

==== 今日の演奏曲 ====
・オットー・ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23 (p 辻井伸行)
 【アンコール曲】 ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 から 第18変奏曲
------- 休憩 -------
・シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 作品97「ライン」

=====================
辻井伸行(ピアノ)
下野竜也(指揮)
東京都交響楽団

「逆転移」 リギョン展

IMG_1228.JPG

DSC07932.jpg

DSC07937.jpg
上:《蛇の口づけ》Serpent's kiss (2014)
下:《善悪の知恵の木》(2001)

1月7日までGinza Maison Hermès(銀座メゾンエルメス)で開催されていた韓国のアーティスト、リギョンの展覧会会場の風景です。

今回は珍しく写真撮影が許可されていて、こうして記録に残せるのは嬉しい限り。
青山のエスパス ルイ・ヴィトン東京の企画展示も好きなのですが、銀座メゾンエルメスで開催される展覧会は毎回見応えのあるアーティストなので、ぜひ現代アートに興味のある方にはオススメです。

さて、今回のリギョン展、2つのインスタレーションが発表されています。
写真上の《蛇の口づけ》。正直、写真を見て、いったい何が展示されてるの?と思うでしょう。
私も初め、何が作品なのか?わかりませんでした。
靴を脱いで会場内に入るスタイルになっています。係りの方が「足元が滑りやすいのでお気をつけください」と声をかけてくださり、床がいつもと違うキラキラ光る真珠貝をはめ込んだ床板になっていることに気づきました。違いといえば、それぐらいでしょうか。
解説によれば、


新作である《蛇の口づけ》は、不可視性そのものを表現することに焦点が当てられています。メゾンエルメスの空間ならではの自然光の移り変わりから、目に見えないけれどもそこにある「太陽の光を描くこと」を作家は目指します。螺鈿細工を思わせる床面とサウンドを用いたインスタレーションの中で、私たちは何を感受するのでしょうか。

どうやら、物体を見るのではなく、光を感じるアートのようです。

続いて《善悪の知恵の木》という作品。この作品は、小部屋の中全体が作品になっていて、2人ずつ順番に入って体験、鑑賞します。
写真のJの字のような入り口から入ると、カプセル錠の中のように四方がすべて丸で囲まれた空間になっています。真っ白な壁。曲面だけで構成。
ハロゲンランプでこれでもかというぐらい明るく白い壁を照らしているので、人間の感覚がちょっと狂う感じ。
どこまでいけば突き当たりなのか?立方体のような角がないので、分からず、すごく不思議な感覚に陥ります。

リギョンは1969年生まれ。ソウルを拠点に活動しているアーティストで、活動当初から「目に見えるものだけを信じるのが、いかに不完全なことか?」」という問いを、光を使ったインスタレーションによって表現すること終始一貫行っているとのこと。メゾンエルメス銀座は、(工房を持っていることも関係してか)マテリアル(革、金属、染め、クリスタルガラス など・・・)に目を向けた展覧会が多かったと思うので、今回のアーティストはちょっと異例とも感じます。
2015年はどんなアーティストが登場するのか楽しみなメゾンエルメス銀座です。

== リギョン展 ====
会期:2014年10月31日(金)〜2014年1月7日(水)
※残念ながら、展覧会は終了しています。この記事は、昨年12月23日に行った際のレポートです。

会場:銀座メソンエルメス フォーラム
   中央区銀座5-4-1 8階

公式サイト:www.hermes.com

主催:エルメス財団

東京都現代美術館で開催されていた「ミシェル・ゴンドリーの世界一周」。
招待券をいただきながら、なかなか足を運ぶことが出来ずとうとう会期末を迎えてしまいました。
そもそもミシェル・ゴンドリーなる人物をよく知らないことや、ワークショップ中心の子ども向けの企画展なのかな?という印象など、どうもイマイチ関心を持てなかったというのが本心。
同時開催の「新たな系譜学をもとめて」は逆になんだか難しそうで・・・
せっかく招待券を両方いただいたので、2枚とも無駄してはなんだなあ〜というわけで、朝早くでかけることにしました。

DSC07998.jpg


まず最初の会場に入ってびっくりしました。壁いっぱいに手書きのポートレイトが貼られているのです。
DSC08012.JPG
DSC08002.JPG
DSC08006.jpg
DSC08008.jpg

DSC08009.jpg
DSC08010.JPG
「1000人の似顔絵(レプリカ)」

1枚1枚丁寧に見ると、そこにストーリーがあり、活き活きした人間が見えるよう。
これは、私好みの展覧会かも!?という、嬉しい裏切りの予感がしてきました。
そして、この絵の横に貼られた作者本人の言葉を読んで、今日は来て良かったと確信しました。
それは、こんな文章↓です。
==================
"このポートレート・ファクトリーは、たとえばニューヨークのユニオンスクエアかどこかで、スピード写真ブースならぬスピード似顔絵ブースをつくるというアイディアから生まれた。ブースはお客さんの座るところと僕の座るところにわかれている。来た人はマジックミラー越しに僕の前に座って、20ドル紙幣を差込口に入れる。僕側では、出てきた20ドル札を掴み、素早く似顔絵を描いてサインをするーこれはいい商売になると思った。

曲がりなりにも店でDVDや本にサインをする機会が時々ある僕は、サインの入った関係者の似顔絵を持ち運ぶのが日課となった。人の顔を描くというのは2つの理由で難しい。まず、家や風景を描くようにはいかない。例えば木を描くとしよう。枝を一本描き忘れたところで誰も気づかない。そりゃ僕も目を一つ描き忘れるなんてことはしないけど、2つ目の目を描き終わったところで、もう片方の目と位置がずれていたりしたら、その人はかわいそうだけどモンスターのような風貌になってしまう。
その次の壁はもっと高い。人間らしい顔が描けたとしても、果たして似ているかどかを気にしなければいけない。この不思議な化学反応は顔のパーツの微妙な配置にかかっている。壁は高いほど越えたときの喜びは大きい。ごく稀にだがきちんと似ているものが描けると、満足感もひとしおだ。

その冬は寒かったのでユニオンスクエアに笑顔絵ブースをつくるのをやめた。その代りウェブサイトでこんな商売をすることにしたーE-mailで写真を送って20ドル払うと、僕が似顔絵を描いてその人に返送する。2週間で1600件も注文が殺到した。そこで受注をストップし、これまで受けた分だけでも商品を送れるか考えなくてはならなかった。納品のための努力はまだ続いている。"
 
ーミシェル・ゴンドリー
==================
思わず笑ってしまいました。
こういう遊び心が満載の人、大好きです!ミシェル・ゴンドリー氏のことは何も知らないけれど、とても陽気で楽しい人であることは間違いないようです。

次のコーナーで、一気に彼との距離が縮まる事実が判明。
ゴンドリーの代表的なミュージックビデオ作品19本が紹介されている"Around the World in 19 Videos"。
その中になんと、私の大好きなビョークのミュージックビデオがあったのです。

ビョークは、非凡な才能をもつすごいアーティストだと私が常々尊敬するミュージシャンです。彼女の夫のマシュー・バーニーは現代アートの有名な作家で、とにかく先鋭的な活動をし続けているビョークのミュージックビデオを手がけたという事実だけでゴンドリーの力量を知るには十分なのです。

björk - bachelorette

ずいぶん昔のミュージックビデオですが、↑これをかつて初めて見た時その映像世界に衝撃を受けました。
チャップリンの映画を思わせませんか?ウィット満載の映像はゴンドリーワールドだったのですね。

björk - Army Of Me

どちらもゴンドリーの作品。とにかく独創的な世界観が魅力的ですよね。


第1部「ホームムービー・ファクトリー」
DSC08022.jpg
DSC08023.JPG
ミニチュアセット
ハンドルを回すと、ベルトコンベアが動き風景が変わるという仕組みの映像セット。

これを撮影するとこんな感じ。





HOME MOVIE FACTORY
12種類のセットが用意されていて、いろいろなシーンを撮影できるのです。
DSC08026.jpg
DSC08027.jpg
DSC08028.jpg
映画製作のワークショップも開催されていて、映像に興味のある人にはとても勉強になりますね。

最後の展示コーナーである1階には、ゴンドリー監督作品の映画「ムード・インディゴ」に使われた小道具などが展示されています。
残念ながら映画を見ていないので、いまひとつ小物の意味が分からないのですが、とてもユニークなものがいっぱい。
DSC08041.JPG
DSC08044.jpg
DSC08048.jpg
DSC08051.JPG
残念ながら1/4で展覧会は終了しました。
====================
ミシェル・ゴンドリー プロフィール
1963年フランス、ヴェルサイユ生まれ。
28年にわたるキャリアの中で数々の短編、長編映画、ミュージックビデオ、CMを手がけ、独創的な世界観と映像魔術の手法で広い世代に熱狂的なファンをもっています。

DSC08101.JPG
DSC08080.JPG
DSC08083.JPG
DSC08084.jpg
DSC08085.JPG
DSC08086.JPG
DSC08087.jpg
DSC08091.jpg
「秋草清涼飲料水紋図」
DSC08092.JPG
「朝顔スノーマン」
DSC08094.JPG
DSC08098.jpg
DSC08093.jpg
日本橋髙島屋で開催されている山本太郎展に足を運びました。

山本太郎さんの作品には以前から興味を持っていて、まとまって作品を見る機会があれば是非行きたいなあと思っていました。1974年生まれというのですから、まだ41歳と若くこれからの作家です。
古典的な日本画の手法を用いながら、モチーフや題材が現代的でウィットに富んでいます。
写真を見てお分かりの通り、川の流れの出処は缶ジュースの口だったり、能装束の人の前に置かれているのはネグリジェだったり、と奇妙な組み合わせに思えるものが一幅の絵になっているのが特徴です。
すごく愛用していたクリアフォルダーがあるのですが、その絵柄がまさに山本さんの作品でした。
能装束の人が掃除機を持ってるという絵柄で、その感覚がいたく私のお気に入りだったのです。

DSC08090.jpg
紅白梅清涼飲料水紋図 53×33.3cm

平成27年は、琳派400年記念の年だそうです。
光悦が家康から鷹峰の土地を拝領し(元和元年 1615年)光悦村を拓いた年を琳派誕生の起点とし、2015年を琳派400年記念の祝祭の年と銘打って各種イベントを開催する模様。
京都美術工芸大学学長の河野元昭氏のあいさつ文に、現代に琳派の影響を色濃く感じる作家として山本さんの名前を挙げています。山本さんご自身、光琳へのオマージュもこめた作品展だとか。
琳派ブームの到来とともに注目を浴びる作家になりそうですね。

私事ですが・・・
ちょうど今、春から掲出のポスターデザインの公募のことで頭を悩ましているところだったので、古典と現代性の融合は、いいヒントになりそうです。
よし!今年のコンペ応募作品は琳派を意識したデザインで行こうかな?!

========================
山本太郎展 「古画降臨 - Coga Calling -」
日本橋髙島屋 6階美術画廊  会期:〜2015年1月6日(火)まで
新宿髙島屋 10階 美術画廊  会期:2015年1月14日(水)〜1月26日(月)
山本太郎 公式WEBサイト http://www.h7.dion.ne.jp/~nipponga/

あけましておめでとうございます

明けましておめでとうございます
平成27年が皆様にとって良い年となりますように

今年も宜しくお願い申し上げます

元旦は、昼間に東京でも粉雪が舞って驚きましたね。
ちょうど、両親とテーブルを囲んで久しぶりに団欒していました。

お重は毎年のお楽しみの一つで、いろいろ美味しいと聞いたお店や評判を聞きつけては母が取り寄せています。
DSC07995.JPG
今年は、山中湖にある老舗割烹「芳野」のお重を頼みたかったようなのですが、問い合わせた時点で予約の数に達してしまっていたとのことで、悩んだ末に帝国ホテルの中国料理「北京」の2段重になったと言っていました。
中華のお重は味に工夫があって、なかなかいいです。
エビはチリソース味。あわびが信じられないくらいやわらかでした。
DSC07994.JPG
母の作る黒豆は、最高に美味しいんです。
戴き物の佐渡のお酒「千年の杉」。とても飲みやすく、あっという間に空っぽ。
DSC07997.JPG
お重のお品書き
母は、「値段の割に〜」とぶつぶつ納得がいっていない様子をみせていましたが、私はこのお重好きでした。

それよりなにより、家族みんなが元気でお正月を迎えられたことが、なにより嬉しかった元日でした。

Powered by Movable Type 5.2.7

このアーカイブについて

このページには、2015年1月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2014年12月です。

次のアーカイブは2015年2月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。