アレクサンダー・ロマノフスキー 才能溢れる美しい音色

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ひょんなきっかけで、急遽1週間前にチケットを入手した「アレクサンダー・ロマノフスキー」のリサイタル。1月23日(金)紀尾井ホールでのリサイタルに出かけました。

紀尾井ホールは2階席まであわせて800席というこじんまりとしたホールながら、落ち着いた内装で会場の華やかなシャンデリアが印象的な、素敵なホールです。

今日は、2階席のステージ左脇の席です。この位置だと顔はほとんど最初から最後まで見えませんが、演奏中の手の動きがとてもよく観察でき、勉強になります。
とても大きいけれど繊細な手の動き。

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今日の演奏曲は、前半がベートーヴェンソナタ2曲。ピアノ・ソナタ第14番「月光」(Op.27-2)と後期3大ソナタで有名な第30番(Op.109)。
後半はオールショパンで、バラード2曲とピアノ・ソナタ第2番「葬送」(Op.35)。
いずれも才能溢れる見事な演奏でした。
曲の解釈も非常に丁寧に掘り下げられていると思いますし、テクニックは言うに及ばず。
実に美しい音楽を奏でる演奏家だと思いました。
なにより、演奏中の後ろ姿が絵画のように美しい方です。

私は自身でリサイタルのチケットを購入する時は、特別に関心のあるピアニスト以外は、基本的に演奏曲で選ぶことにしています。
もっと言ってしまえば、バロックとか、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンだけで組まれているようなプログラムの時は自分からは行きません。やはり曲に対する理解や愛がないと、せっかくいい演奏も苦痛に感じてしまう、、、、私は心の狭い人間だったりするのです。
逆に、自分の好きな、愛する曲を目の前で演奏されている時の胸の高鳴り、高揚感たるや、それが生の演奏会の最高の瞬間であり、醍醐味です。

今回もその例に洩れず、アンコール3曲目で演奏されたスクリャービンのエチュード 作品番号8の9番(Op.8-9)でエクスタシーに到達。
この力強くダイナミックな曲を、見事に聴かせてくれたロマノフスキーに大喝采です。
日本公演の最後の日となるのこの演奏会に、彼自身の思い入れも大きかったように見えます。

ロマノフスキーのレパートリーにラフマニノフは数多くありますが、スクリャービンの演奏はネット上でもまったく見当たらないので、これは今日だけのすごいボーナスだったと言えるのでは?

そんな嬉しい気分にもさせられた今日の演奏会。
私には本当にいい音楽に包まれた幸せなひとときでした。

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== 今日のプログラム ==
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調Op.27-2「月光」
Beethoven: Sonata No.14 in C-sharp minor, Op.27-2 "Moonlight"

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調Op.109
Beethoven: Sonata No.30 in E major, Op.109

- - - - - - - - - - -  休憩- - - - - - - - -

ショパン:バラード 第2番 ヘ長調 Op.38
Chopin: Ballade No.2 in F major, Op.38

ショパン:バラード 第4番 へ短調 Op.52
Chopin: Ballade No.4 in F minor, Op.52

ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35「葬送」
Chopin: Sonata No.2 in B-flat minor, Op.35

========アンコール曲  4曲 ============

Chopin:Etudes Op.10 No.12 「革命」
Bach/Siloti:Prelude No. 10 In E Minor (BWV.855)
Scriabin:Etudes Op.8-9
Chopin:Nocturn No.20 in C-sharp minor

※チェスキーナ・永江洋子さんに捧ぐというコメントがジャパン・アーツHPに掲載されています。
http://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=256&lang=1

↓ロマノフスキーの美しい音楽を聴いてみたい方はこちらでお試しを!
アンコールで演奏されたショパンのノクターンです。

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このページは、Nancyが2015年1月25日 21:19に書いたブログ記事です。

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