美味しいものを食べている時は、幸せです。
友人の影響を多分にうけて始めた「食べログ」。
私は口コミを投稿するレビュアーというより、もっぱらみなさんのレビューを読んで面白がっている読者なのですが、この「食べログ」で実に多くのことを発見しました。
一昔前まで、食べ歩きのためのグルメ情報といえば、雑誌の特集記事や、テレビのバラエティ番組など、マスメディアに踊らされたお店側に都合のよい情報がほとんどだったと思います。
それがネットの普及で、「食べログ」に象徴されるような、ごく普通の一般人の感想がネットで発信され共有される今日、良くも悪くもいろいろな情報が飛び交うようになりました。
結局、情報そのものを精査する自分の能力が問われているような気もします。10人いれば10人の意見や考えがあり、一軒のレストランについてなかなか点数では評価はできないと思うものの、いろいろな角度から書き込まれる意見や、感想、賛同できるものやそうでない考え、目からウロコのようなウンチクなど、面白く時に参考になります。
前置きが長くなってしまいましたが、そんな食べログでご近所のお店を検索していたところ、こちらのお店がヒットしたので、いつか行きたいお店にブックマーク(BM)しておりました。
お店の名前は「Trattoria da Covino」。
コピットではなくコビーノです(笑)。
駒込の六義園のすぐ近くにあるイタリアンのお店なのですが、そんじょそこいらにあるようなイタリアンとはちょっと違うということが、食べログのレビューを読み進むうちに分かりました。
本格的なフリウリ料理が食べられる、都内で数少ないお店だというのです。
フリウリ料理? なんのことか、はじめはさっぱり分かりませんでした。
イタリアの北東部、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア自治州の郷土料理のことを一般的にフリウリ料理と呼ぶそうです。wikipediaによれば
「フリウーリ地方伝統のフリウリ料理 (it:Cucina friulana) や、オーストリア帝国のもとでさまざまな民族が暮らしたヴェネツィア・ジュリア地方のトリエステ料理 (it:Cucina triestina) やゴリツィア料理 (it:Cucina goriziana) など、さまざまな要素が混じりあっており、中央ヨーロッパの食文化に近い。食文化の中心となる大都市はウーディネやトリエステで、域外のヴェネツィアからも影響を受けている。 フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州はワインの生産地として知られる。また、ハムやチーズの生産も盛んである。」
とのこと。
どうやら、このフリウリ料理は、イタリア料理と言って私たちが普通思い浮かべる料理とは、若干違うもののようです。じつに興味が湧いてきました。
というわけで、随分前に電話でフリウリ料理のコースを予約し、グルメな友人と2人で土曜の夕方伺いました。基本的には、北イタリアの郷土料理を提供するお店で、フリウリ料理に特化して楽しみたい時にはあらかじめそのコースをお願いする必要があります。←こういうことも、食べログなくしては知り得ない情報だったことを考えると、実にすごいなあ〜と思うのです。
Il Grigio Spumante Brut
開店1周年記念に、お店からサービスでお客様にふるまわれるスプマンテ。フリウリ州のスパークリングワインだそうです。
まだオープンして1年。夕方の早い時間だったので私たちだけでしたが、食事を終え帰る頃には満席状態。
けっこうな人気店のようです。
3週間ワインに漬け込んで干した鴨肉は、干したとは思えないような柔らかさがあり、ねっとり口の中で溶ける食感がたまらない美味しさ。豚の頭部の様々な部位の肉でつくられたテリーヌは、コリっとした食感が混じっていたり、素朴な味ながら楽しいお料理です。
Monopolio Della Lozeta Friuli Grave Orientali Chardonnay 2013
フリウリのワイン。樽のスモーキーさがちょっとあるワインとのことで、赤ワインに負けずお料理と合うとのことで、こちらを選びました。
自家製のフォカッチャとレーズンのパン
アスパラガスにケッパーとゆで卵がかかっています。
Iota(=yota) - Trieste style Sauerkraut and Bean soup.
いんげん豆のスープにザワークラウトが入っています。
スープ自体は素朴な味ですが、ザワーザワークラウトの酸味がプラスされると美味しさがアップ。
これはフリウリの伝統料理だそうです。
Cjarsons
フリウリの名物料理「チャルソンス」です。
ほうれん草と松の実、レーズンが入ったラビオリに、チョコレートのソースとスモークしたリコッタチーズがかかっていて、ミントの葉が飾られています。甘くてコクのあるパスタ料理です。スモークの香りやカカオの香りなどが複雑にブレンドして、不思議なハーモニーを奏でています。正直馴染みのない味ですが、豊かな香りを楽しめる、素晴らしいお料理です。このぐらいの量がちょうどいい感じ。
Gulasch & polenta
赤ワインで煮込んだ牛の頬肉とポレンタ。ナイフを軽く押すだけで切れるほど柔らかい頬肉に感激!濃厚なソースと淡白な味のポレンタの組み合わせもナイス。
Almond Gelato & Chocolate
ドルチェにもシェフの気合いを感じます。
この杏の入ったチョコレートケーキが濃厚でなんと美味しいこと。
料理も文化なのだなあ〜とつくづく感じた今日のディナー。
プチ旅行の気分を味わえたことは言うまでもありません。
フリウリの首都、トリエステの町もいつか行ってみたいものです。
==== Trattoria da Covino =====
文京区本駒込2-28-30 1F
本郷通り沿い。上富士交差点からすぐです。
tel. 03-6855-2214
定休:木曜日
http://covino.jp/
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