小澤征爾さんとマエストロ

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久しぶりにこんにちは。

もう3月ですね。なんと月日が経つのが早いやら。
先週の金曜日のこと。
朝のNHKのテレビ番組「あさイチ」を何気なくつけておいたら、
プレミアムトークはなんと小澤征爾さんではありませんか!

思わず朝の身支度の手も止め、食い入るように画面に釘付けになってしまいました。
80歳になられても尚お元気で、有働アナやイノッチとの闊達な会話を聞いていると、
こちらも朝から元気をご馳走様です。
赤い(UNIQLO?らしき)ダウンのベストもとてもお似合いでした。

いろいろなエピソードが語られたなかで、最も愉快だったのが、
なぜ小澤さんは指揮棒を持たないのか?という質問についてのお話しです。
あるウィーンでの演奏会で、うっかり指揮棒を忘れてしまった・・・
取りに帰る時間もないという状況で、スタッフが慌てて用意してくれた指揮棒は手にしてみたもののどれもしっくり馴染まない。
それなら、指揮棒なしで手で振ってしまえ!
そして、実際手だけで指揮したところ、楽団員はそれについて(いいとも悪いとも)何も言わない。
小澤さん曰く、「こりゃ、俺のことなんか誰も見ちゃいないってことなんだな」。
指揮棒は管理や運搬にも気を使うので、結構指揮者の方にとって扱いの大変な代物のようです。
実際の演奏会で指揮棒を持って振ると、落とさないようにとか、棒が飛んでいかないようにとか、結構演奏以外のことに神経を使うそうで、指揮棒を持たないスタイルはそういう余計なことから解放されるメリットがあると仰っていました。

ところで小澤さんが(冗談でしょうが・・)
「俺のことなんか誰も見ちゃいない」とつぶやいた言葉が、2週間前に見た映画「マエストロ!」の台詞と妙にシンクロするところがあって、面白かったところです。

「マエストロ!」は、すごく勉強になる面白い映画でした。クラシック好きなら、楽しめると思います。

IMG_1360.JPG
さそうあきら氏のコミックを映画化したものなのですが、一度解散したオーケストラが謎の指揮者によって、もう一度再結成し、演奏会を開くというストーリです。
この潰れたオーケストラの元楽団員は、(西田敏行演じる)身元不明の無名指揮者の出現に最初戸惑い、馬鹿にしたりするのですが、そんな時に出てくる言葉が、本番は指揮者を見ないでコンマス(松坂桃李)の弦を見ろ!という発言なのです。要は、指揮者なんて居なくても、我々楽団員だけで演奏は出来るという皮肉を言っているのですが、小澤さんのプレミアムトークでのつぶやきは、なんとなくこの楽団員の心理を掴んでいるようで、オーケストラという人間模様を面白可笑しく覗かせていただきました。

それにしても、VTRで流れた小澤さんのベートヴェンの「運命」の出だしは実に迫力ありましたね。
「マエストロ!」でも思いましたが、指揮者の耳って本当にすごいと思います。

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このページは、Nancyが2015年3月 2日 14:16に書いたブログ記事です。

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