評価が難しい!六本木アートナイト2015

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今年もやってまいりました!六本木アートナイト2015

4月25日(土)の日没から26日(日)日の出までの会期で開催されるこのイベントも、2009年からスタートし今年で6回目。去年は参加しなかったですが、2012年、2013年と出かけてとても楽しかったです。
六本木ヒルズエリア、東京ミッドタウンエリア、国立新美術館とおおまかに3箇所を中心に、大小様々なプロジェクトが始動。

ただ今回、事前の情報を調べても、イマイチこれだ!という見どころを掴み損ねていて、なんとなくアートとの出会いを求めて出かけてみた...という感じ。一昨年は大規模な屋外インスタレーションが至る所で展開されていて、ぶらぶら六本木を歩くだけで楽しかったという印象が強く残っています。
今年はちょっと規模が縮小されてるのか?(低予算の)ワークショップみたいなのが多いように感じるのですが。

六本木と一口に言ってもけっこう広範囲なので、廻るルートにも一工夫。2013年の時は、最後にまわったミッドタウンエリアに面白いものが集結していたので、足が元気なうちに そちらをまわる計画にしました。

サントリー美術館で開催されている「若冲と蕪村」展覧会が、この日は入場料がなんと500円(通常は一般の大人が1,300円)。
これはいい!ということで、さっそく展覧会を見てまわることにしました。
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伊藤若冲と与謝蕪村は同い年なんですね。それぞれ個性が違っているけれど、どちらもすごいです。力強い作品に、圧倒されます。若冲は非常に現代に通じるデザイン的なセンスを感じる作品も多く、「象と鯨図屏風」は制作年が1797年(今から200年以上も前)に描かれたものとは思えない作品です。(展覧会入口の写真右の像はその屏風の一部です。)蕪村の作品は、筆の勢いに魂がこもっていて、こちらも息を呑むような作品の数々。生誕300年を記念して開催されている同展覧会は、一押しです。(5/10まで開催)

流石にワンコインの効果は大きく、19時すぎの展示会場はものすごい人。
2フロアーある展示会場のうち、初めの1フロアーは鑑賞するのを諦めました。
でも、「象と鯨図屏風」以降は比較的しっかり鑑賞できたので、良しとします。

さて、アートナイトに戻って...
ミッドタウンのキャノピースクエアで行われているプロジェクトから。
A03 アートトラックプロジェクト ハル号 あけぼの号
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ハル号ライブペインティングの様子。
MAHARO (GROUNDRIDDIM)とMON (DOPPEL / #BCTION)によってトラックの側面部分にライブペインティングされていきます。20時半頃?なので、まだ描き始めてから1時間半程度といったところでしょうか。

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今年のメインは「アケボノ号」と「ハル号」の2台のアートトラック。
横浜トリエンナーレでもやなぎみわの作品で巨大舞台トレーラの展示があったけれど、最近にわかにトラックが脚光を浴びている様子。熱いぞトラック!
上の写真は、ハル号の正面。
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LEGOのプロジェクト

ミッドタウンを離れ、国立新美術館に向かって星条旗通りを歩いていくことしました。
昔の職場がこのあたりにあったので、なんとも懐かしい場所。
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国立新美術館の隣、政策研究大学院大学の敷地内に展示されている巨大オブジェ。
《キャンディ》東恩納裕一
キャンディがゆっくりと夜空に回っています。

あまりこのあたりは目ぼしいものがなく、「キャンディ」を鑑賞後は、六本木ヒルズに向かいました。
六本木ヒルズ66広場で開催されていたのが「ダンス・トラック・プロジェクト」。
トラックでさまざまな都市とネットワークし、街中の空き地の有効活用、ダンスにおける新たなmobility(機動性・移動性)を探る「ダンス・トラック・プロジェクト」。
ここでもトラックが熱い!
貨物のコンテナ壁を、プロジェクターのスクリーンにしてしまうアイディアは、なんか使えそうです。
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A15 「リライト プロジェクト」キックオフ!!
けやき坂カウンター・ヴォイド前で行われていたプロジェクト。
昔、この壁にはいつもデジタルな数字が表示されていました。3.11以降その数字はこの壁の作者宮島達男によって消されていたことを、あらためて思い出しました。
3.11の記憶を風化させず、社会に問いかけ続けるための装置として、作品「カウンター・ヴォイド」を復活させる動きがこのプロジェクトです。
『3・11が「     」ている』と書かれた紙と白いインクのマジックが一人一人に手渡されます。黒塗りの四角の枠内には、それぞれの思い浮かんだ言葉を書き込み、スマホで撮影してサイトにアップします。
サイトには、アップされたばかりの様々な言葉が書き込まれた写真を見ることができます。
自分の写真も当然ながらその一つとして見られます。
私も参加してみました。

最近の傾向として、スマホやタブレット端末を使用して参加する作品や、アートを通じて他人同士が繋がる系の作品が多いのは、時代の風潮として仕方がないことなのでしょうか?

今回でているプロジェクトにも、そういった作品が数多くみられ、ちょっと複雑な気分です。
なんか安直な感じがして...

そろそろ、そういうSNSの世界から脱してもいいのでは?

個人的には、もっとピュアにアートを楽しみたいのです。
「ハルはアケボノ ひかル つながル さんかすル」をテーマに開催された六本木アートナイト2015は、正直評価が難しいと思いました。
ガイドがないと作品が理解できないし、アートやパフォーマンスなどとにかく数を寄せ集めてきたっぽい雰囲気も否めないし、相当クローズドな世界観で、脚も頭も疲れました〜。

このブログ記事について

このページは、Nancyが2015年4月27日 09:19に書いたブログ記事です。

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