よみうり美術展に行く @東京芸術劇場ギャラリー

すっかりご無沙汰をしている叔父から一通の展覧会の案内状が届きました。

第4回 よみうり美術展に、叔父が出品した作品が見事入賞したとの報。
その展覧会が6月5日(金)〜8日(月)の4日間、池袋にある東京芸術劇場内のギャラリーで開催されているそうなので、日曜日行ってみました。
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武田正「大潮のべネツィア」
上が叔父の作品です。建築家だった叔父らしい作品です。
思いがけず大好きなヴェネツィアの風景に出会い、嬉しくなってしまいました。

建物は云わずとしれたサン・マルコ寺院。普段は人で賑わう目の前のサン・マルコ広場は、大潮で覆われ、まるで海に浮かぶ孤島のようです。アクアアルタ(acqua alta)とよばれる満潮現象は、年に何回かあるようです。私は実際に体験したことはないので定かではありませんが、いろいろな方の話しによると、1回のアクア・アルタはそう長い時間ではないようですね。在住の方は別として、たまたま旅行者で遭遇したら、それも貴重な体験のようです。
フレームで囲った四方の形は、サンマルコ広場前の総督邸(ドゥカーレ宮殿)の白い窓のイメージなのだと叔父は話していました。絵をみていると、まるで自分がドゥカーレ宮のテラスに立っているような気がしてまいります。
でもよく思い出してみると、サン・マルコ寺院とドゥカーレ宮とは横に並んでいるので、ドゥカレー宮からサン・マルコ寺院の正面を見ることは実際にはなく、あくまでイメージの再現だということです。おそらく向かいの建物 ナポレオンの翼(Ala Napoleonica)からの景色となるのでしょうね。

紙の切り絵の白い鳥が青空に軽やかに飛んでいます。
またヴェネツィアに旅したくなりました。

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もう一枚の作品が優秀賞をいただいた作品。
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武田正「コペンハーゲンの塔づくし」

石造りの街並みを表現するために、水彩画ではあまり好まれないケント紙を使い、わざと硬質なタッチで描いたとのこと。部分的に日本画に使われる顔料も使っているそうです。
とにかく緻密に描かれていて、根気が要りそうです。

叔父が絵を描いていることは、年賀状などの便りで知ってはいましたが、実物を拝見する機会はありませんでした。会場から叔父に電話をしたところ、久しぶりに聞く声は元気で、作品づくりのことや親戚の近況など、随分会話に花を咲かせました。亡くなった私の母も若い時分に油絵を描いていたらしいのですが、母の兄弟はみな絵心のある芸術家肌の人だったようです。
そんな血筋が、私にもちょっとは流れているのでしょうか。
随分昔は、私もいろいろ絵やイラストを描いたりしたのですが、叔父に言われるまで今ではすっかりそんなこと忘れていました。今はなかなかそういう時間の余裕はありませんが、たまには何か描いてみたい気もしてまいりました。

同じく「よみうり美術展」の隣の会場で展示されていたシャドウボックスとよばれる作品が見事だったので、写真撮影してまいりました。

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紙のパーツを重ね貼りして、立体作品に仕上げるシャドウボックス。
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印刷された絵柄をハサミで丁寧に切り抜き、何層にも重ね立体的な作品にしたものをシャドウボックスと呼びます。展示されている作品はどれも、細部までよく作り込んであり、それはそれは見事なものばかり。
お花の作品など、花びら1枚1枚があまりに細かく丁寧に作ってあるので、感心してしまいました。

お母様の介護の傍、シャドウボックスの製作を続けていらっしゃるという講師の先生の会話が耳に入ってきました。在宅でつきっきりで面倒を看ながらも、こんな立派な作品を作れることに驚くと同時に、何か夢中になって打ち込めるものがあることは、エネルギーにもなるのだなあと思いました。

他人事ではない親の介護。
私も、頑張らねば・・・

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このページは、Nancyが2015年6月 9日 19:06に書いたブログ記事です。

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