Soleil Noir: Laurent Grasso

昨年暮れに見た、フランス生まれの芸術家ローラン・グラッソ氏のソレイユ・ノワールと題された展覧会です。

場所は銀座エルメスの建物8階にあるギャラリーで1月31日まで開催されていています。

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昨年の暮に見たもう一つの展覧会が「黒い太陽:ローラン・グラッソ」展。

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興味を引いたのが、「Studies into the Past」という3部作。(展示風景写真の作品3点)
いずれも50cm以内の小さな油彩なのですが、描かれているものを観察すると、なかなか面白いです。
一つの一つの作品のタイトルも「Studies into the Past(過去についてのスタディ)」と
付けられています。

時代は中世でしょうか。向かって右の甲冑を着た人物が、彗星のようなものを見て驚いている様子が描かれた作品で、画風的にはボスやブリューゲルといったフランドル絵画のようです。(作品写真上から1番目)

衝立の真ん中の作品(作品写真上から2番目)は、黄金の空に黒い太陽が描かれています。ちょっと不気味な色の太陽です。日食でしょうか?
そして大地にそびえる巨大な建造物。
取り囲んでいる人物の大きさと比べると、いかに巨大かがわかります。(絵を見てピンときた人は日本の歴史や風土に明るい方だと思いますが、生憎私は解説を読むまで知りませんでした...)
この絵の主題は兵庫県高砂市の生石(おうしこ)神社に現存する、石宝殿(いしのほうでん)なのだとか。私はこの「石宝殿」なるものを知りませんでしたが、日本三奇の一つだそうです。幅6.5m、高さ5.6m、奥行き5.6mもあり重さはなんと450トンもあり、1300年以上も前に誰かの手によって作られた謎の物体だそうです。

そして左の作品(作品写真上から3番目)は、UFOのような飛行物体から光が放たれており、兵士に降り注いでいます。レーザー光線か何かで攻撃されているような場面に見えます。

超常現象と過去の時代と、西洋と日本とをクロスオーバーさせて描いているところに面白さを感じます。


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1802, Utsuro Bune (the Hollow Ship), unknown object found in Hitachi province, Japan
(1803、虚船、常陸地方で見つけられた未確認物体)

こちらも3部作で、謎めいた物語をモチーフに、日付のネオンサイン、絵画(写真上)、テラコッタの彫刻(写真下)の3点で構成されています。1803年に常陸地方の海岸に不思議な円盤状のものがたどり着いたという民間伝承をもとにしています。

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Studies into the Past(過去についてのスタディ) 2,060×1,300×320mm
日本の伝統的なスタイルの作品。



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Soleil Noir : Laurent Grasso
■ 開館日: 2015 年11 月11 日(水)~2016年1 月31 日(日)
■ 開館時間:
月~土 11:00~20:00(最終入場は19:30まで)
日   11:00~19:00(最終入場は18:30まで)
■ 入場料:無料
■ 会場:銀座メゾンエルメス フォーラム (中央区銀座 5-4-1 8 階 TEL: 03-3569-3300)
■ 主催:エルメス財団
■ 協力:エドワール・マラング・ギャラリー、ギャラリー・ペロタン、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

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このページは、Nancyが2016年1月15日 17:21に書いたブログ記事です。

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