昨年の暮れは色々あって、ブログの更新が滞っておりましたが.....
色々アップしておきたいものが溜まってしまったので、追い追い更新していこうと思います。
昨年の暮れに伺ったこちらのお店のことも、忘れず記録しておかねば!
というわけで、2週間以上経ってしまい料理の記憶はおぼろげになりかかっていますがご容赦を。
西麻布の「Margotto e Baciare マルゴット エ バッチャーレ」というレストラン。
放送作家の小山薫堂さんが、はまりにはまっているお店としてあげていたのがこちらのレストラン。
とにかくユニークなのは、まず来店したお客がトリュフを選ぶところから始まること。
藁が敷き詰められた木箱の中に、まるで何かの卵?のように鎮座しているのがトリュフ達(写真上から2番目)。厳重に湿度など管理され、大事に取り扱われています。
その中から一つ、本日のお食事のお共となるトリュフをお客自身で選びます。
選ぶポイントはトリュフの持つ「香り」だそうで、匂いを嗅ぎ比べて好みのものを選ぶのだそうです。実際に手にとって嗅いでみると、確かに一つ一つ香りが微妙に違います。個性があるのです。
お店の方が数ある中から一つのトリュフを指して
「この子がお薦めです」
と言われた時には、我が子を愛おしむような気持ちでトリュフに接するお店の方の姿勢に、私はむしろ感銘を受けてしまいました。演出も含め、実に楽しいお店です。
お食事がスタートすると、目の前でトリュフをシュシュっとスライスしてお料理にかけてくださいます。
コンソメのスープにかけていただくこちらのお料理(写真4番目)は、お店の看板料理。
トリュフを乗せるとスープの香りがひときわ芳しくなり、極上の一品に。
なんて贅沢!なんて素敵な料理でしょうか!
続いて「乳呑み仔牛のカルパッチョ」。乳しか飲んでいない仔牛を使っているので、肉に臭みがまったくなく、非常にあっさりしています。塩昆布や紅芯大根といった和の食材とのコラボが面白いです。
続にパスタ。2種類から選べ、今回は「トマトのパスタ」に。レモンの皮を細かくスライスして振りかけられていて、すごく爽やかないい香りがしました。これはトリュフなしでいただきます。もう一つのパスタ、「カルボナーラ」をチョイスした場合には、トリュフをかけるそうです。
そしてこちらの定番「目玉焼きトースト」。(写真7番目)
こんな贅沢な目玉焼きトーストは、これが人生最初で最後かもしれません。そんな一品です。
甘い濃厚なソースと黄身とトリュフが渾然一体となって、至福の時。
「甘鯛のポワレ」(写真8、9番目)は、皮の焼き方が「松笠焼き」という和食の技を使っているそうで、身は柔らかいのに皮がパリパリとしていて、その食感がたまらなく美味しいです。
「蝦夷鹿のロースト」(写真10番目)。トリュフを添える最後のお料理です。
ジビエは、たまりませんな〜。
最後のお料理は「シェフにおまかせのご飯もの」ということで、その場のお楽しみメニュー。
この日は鯛の身と牛蒡の炊き込みご飯。staubの小さなお鍋に入ったものを、加山賢太シェフが直々にテーブルに運んで来てくださり、それぞれのお茶碗に盛ってくださいました。
まずはそのままで味を楽しみ、その後出汁をかけてお茶漬けにしていただくという凝った趣向。
こういう展開が来るとはビックリ・ポンです。
最後にお茶漬けとは実に心憎い演出。
トリュフ主体のフレンチレストランの認識だったので、随所に和食の素材やテイストを取り入れられていることに、驚きを禁じ得ませんでした。
加山シェフは「カンテサンス」など名だたるフレンチレストランで修行をされてきた方だそうですが、日本料理の「かんだ」でも2年間修行をしていらしたとか。甘鯛のポワレの松笠焼きはまさにその証しでしょう。
お勘定の計算書は、本の形になった木箱に入って来ます。
男女のカップルで行くと、トリュフの値札を女性に見えないようにしたり、値段の書かれていないメニューに女性が座るようになっていたり....
西麻布界隈で遊び慣れていない私のような人種には、ちょっとむず痒いようなサービスとも思えるところはありましたが、なんか大人の世界って感じで楽しかったです。
それ以上に、お料理が素晴らしかったです。
トリュフをまるごと1個買って、いろいろなお料理を楽しむという発想は、新しいなあ〜。
ご馳走様でした。