2016年9月アーカイブ

西武池袋線の桜台駅の近くに素敵なビストロがあるということで、友人と一緒にお邪魔しました。

「とも新」という名前のお店で、桜台駅からだと約3分ぐらい。改札を出て左の千川通りに向かって歩いていき、そのまま信号を渡ってまっすぐ歩いた少し先にあるビルの2階です。

4年ほど前にオープンしたお店で、店内の雰囲気はカジュアルながら、オーナーのセンスの良さを感じる内装です。

お店に入るとすぐカウンターバーがあり、その奥の階段を上ると、ロフトのような作りでテーブル席が2卓。その階段の手すりが、古材でできていてお洒落なのです。今回そのロフト席で食事とお酒を楽しませていただきました。

DSC09973.jpg
DSC09974.jpg
DSC09975.jpg
DSC09979.jpg
DSC09981.jpg
DSC09983.jpg
DSC09984.jpg
DSC09987.jpg

まず最小にスパークリングで乾杯。
キッシュをお願いしたところ、茶碗蒸しのように優しい歯応えにびっくり。硬めの中身がぎっしり詰まったキッシュに食べ慣れているけれど、これは美味しい! 続いていただいた、秋刀魚と茄子のミルフィーユは、とても華やかな盛り付けで胸がときめいた一品でした。茄子のとろけるような食感と秋刀魚の香ばしさ、パイ生地のサクサク感とが渾然一体となって複雑な美味しさです。大根と人参のソースとモロヘイヤのソースも面白いです。
「イサキのポワレ温野菜添え」フランス産カモ腿肉のコンフィ」とも新カレー」「ふぐの子茶漬け」デザートに「アフォガード」などをいただきました。どれもお料理がとても良いです。

ワインはイタリアのベネト州のもので、DOCコッリ・ユーガネイ(エウガネイ)の「パオーニ・ビアンコ」。ソムリエでもあるオーナーと相談しながら選びました。これがとても飲みやすくて、クイクイいけちゃいます。気づいたら、1本ボトルが空いていました(笑)
後で調べてわかったのですが、値段が非常にお手頃で、2006年のヴェネト州NO.1ワインにも選ばられているのだとか。(ガンベロ・ロッソの 「アルマナッコ・デル・べーレベーネ2006」にてオスカー・レジョナーレ受賞。)

〆のカレー、お茶漬けといったメニューもあって、なかなか楽しいお店です。

また、ぜったい寄りたいお店です。

あと、このお店の下の古着屋が、これまた楽しいです。
古着屋というとちょっと埃っぽい店を想像しがちですが、こちらBAZZSTOREはクリーンで割とゆったりした商品展示。品揃えもカジュアルからベーシックなもの、ドレッシーまでさまざまで、値段も300円〜と、お財布をあまり心配せずに大人買いが可能なので、つい1時間近くも店の中を散策してしまいました(笑)

=============================
とも新 ビストロ・ワインバー
東京都練馬区豊玉上2-21-18 ジェイコート桜台 2F
電話 03-6914-9636
月曜日定休

9月に入るとなんだかせわしなく、なかなか週末も出かけられず...
それに輪をかけて、例年にないメガ台風が次から次へとやってくるので、出掛ける気持ちも薄らいでしまいます。

そんな9月でしたが、YUJA WANGの演奏会の翌日に出かけた友人のライブがこちら。

IMG_2925.JPG
9月8日、北参道のGRAPES KITASANDOでいつもお世話になっているプロデューサーの樋口さんが、リサちゃんという可愛いボーカルとユニットを組んで出演。
LISAちゃんは、アメリカ人のお父様と日本人のお母様のハーフ。
おじいさまはドイツの方だそうで、とにかくインターナショナルなご家族に囲まれています。
IMG_2933.JPG
サザンの「愛しのエリー」の英語バージョン、などのカバー曲にはうっとり。
自分で作詞したオリジナル曲を交えながらのステージはあっという間でした。
「はやくCD作ろうよ〜。」
カメラマンのWashidaさんもLISAちゃんを前にすると、すごくスイッチが入っていい写真を撮りためている様子。
ライブ後のお喋りは、ちょっと楽しく盛り上がりました。

こちらのお店には今回で2回目なのですが、初めて来た時からすごく洒落たピアノだなあ〜と気になっておりまして、休憩時間に樋口さんになにげなく「どこのピアノなの〜?」と尋ねたところ、な、な、なんとスタインウェイなんだとか。
「え〜!!!」思わず大きな声を出してしまった私です。
IMG_2940.JPG
木目も綺麗だし、譜面台に彫刻が施されていたりして...
本当にスタインウェイだったら桁が違う!1000万円はくだらないすごいピアノのはず。
そんなお宝を目の前にしていたとはにわかに信じがたい気がしたものの、私の口からは「弾いてみたいな〜」とTweet。
「いいよ!」
即答。樋口さんは実に寛大な方です。
ライブ3組の終演後、弾かせていただけることになりました。

やったー
ちなみにピアノは1921年製のスタンウェイ「Model-O」だそうです。
IMG_2937s.jpg
グリーグのノクターンを暗譜で演奏。
鍵盤が軽くて、とても弾きやすい。
一応終演後なので、客席に何人か飲んだり食べたりしているお客様はいらしたのですが、ちゃんと聴いているお客様もほとんどいないだろう...ということで、リラックスした気分で弾けて、発表会よりよほどいい出来。
いい楽器と触れ合うのは、実に楽しい時間でした。

帰りがけに、聴いてくださっていた方に「すごくいい演奏でしたよ」と言っていただいたりして、ちょっとヤバイ。
豚もおだてりゃ木に登る...
癖になりそう...です。

いつかお店で仲間や友人とアンサンブルとか演奏会なんて開けたら夢みたいだなあ〜
恩師の先生との連弾も実現したら嬉しいし...
なんて、楽しい妄想でしばらくハッピーな日々をすごしています。

素敵なお店なので、機会があったら是非足を運んでみてください。
カプースチンの曲が実に似合いそうなお店ですよ。

JAZZ CLUB & LIVE HOUSE - GRAPES KITASANDO
渋谷区千駄ヶ谷4-3-11 ニューベリー千駄ヶ谷1F

私はどうも力がでないなあ〜なんて脱力している朝などに必ず観るYouTubeがあります。
それは、Yuja Wangの「カルメンの主題による変奏曲」の3分ほどのライブ録画。
あれを観ると、最後一気にアドレナリンが放出されて、シャキーンとします。
何度見ても私に元気をくれるカンフル剤です。

さあ、今年最も楽しみなサントリーホールでの演奏会がやってまいりました。
前回YUJA WANGを聴いたのは、2013年の4月だったので実に3年ぶり。
ここ数年はオケとの共演で何度か来日していましたが、ソロリサイタルは久しぶりです。

IMG_2917.JPG
今年はどんな演奏になるのか!?

まず演奏プログラムが、チケット発売当初から数ヶ月前に変更され、
それもまた当日変更されるかもという、何が起こるかわからない状態...
たしか最初は、バラキエフのイスラメイがプログラムに含まれていたと思ったのですが、8月はじめに

【演奏曲目】
スクリャービン(Scriabin):ピアノ・ソナタ第4番 嬰ヘ長調 op.30
ショパン(Chopin):即興曲第2番 嬰ヘ長調 op.36
ショパン(Chopin)即興曲第3番 変ト長調 op.51
グラナドス(Granados):「ゴイェスカス」op.11(Goyescas op.11, Excerpts)から
ともしびのファンダンゴ(El Fandango de candil)
わら人形(El pelele)
***
ベートーヴェン(Beethoven):ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 op.106「ハンマークラヴィーア」
--------------------------------------------------------------------

に決定したとの連絡が来て、へ〜と思っていたら、
この日の2日前に行われた横浜県立音楽堂に行った方の話しによると、なんと開始直前に場内アナウンスで前半がシューマンのクライスレリアーナに演奏曲が変更となったことが告げられ、会場に動揺が走ったとのこと。
その情報を聞きつけ、今回のチケットをとってくれた友人がすぐ私に連絡をくれて、
「明日どうなるかわからないよ...」と心の準備をさせてくれました。

彼女がどんな曲を選び演奏しようが、いっこうに構わないのです。
だって、彼女に会いたいから。
きっと驚愕の演奏会になるに違いないと予感できるから。
IMG_2919.JPG
ワクワクしながら客席で開演を待っていると、場内アナウンスで曲目変更の案内があり、やはりこの日もシューマンのクライスレリアーナの演奏となりました。
友人はシューマンが好きなので、実はちょっと嬉しそう。
やっぱりこの突然の予報に超満員の会場は一瞬どよめきました。

それが、超満員完売御礼なのですが、実はP席4列目以降がガラガラだったのです。
オルガン下のP席は何か訳があって売り出されなかったとしか考えられないのですが、全ブロック空席ならまだ理解できるのに、3列目まではお客さんが座っているのでちょっと謎めいていました。案の定、休憩中に席を移動してきてちゃっかり座っている人があちこち出没しましたが、会場スタッフに追い返されていました。それでも5人組の女性客が、係員の懸命の説得にもかかわらず頑として席を動こうとせず、結局後半居座っていて...
おばさんパワー恐るべし...です。
でも何であんなに席が空いていたのでしょうか?理由をご存知の方は、ぜひ教えてください。

さて、いよいよ開演。
ロングドレスでステージに登場。
シューマンの演奏、実に良かった!すごく大人の演奏をするようになったなあ〜と感じました。
身体が鍛え上げられたアスリートのように余分な肉のない人ですが、演奏にも無駄がない。
すごく鍛え上げられた音で研ぎ澄まされた感性の演奏。

前半の見事な演奏に会場から拍手喝さいが起こると、そのままなんとアンコールを2曲も弾くという驚くべきタフさです。
鳴り止まない拍手に、また袖からステージに出てくる時に左手に四角いものを持っていて、「あれ何?」とよく見るとiPadのような大きなタブレット。そのタブレットにいろいろな楽譜を入れているらしく、それをピアノの上に置きタブレットを操りながらの1曲目カプースチンを披露。カプースチンというジャズの要素も含んだテンポの速い難曲を、タブレットを操りながら弾くことのほうが、よほど難しいと思いましたが...。
シューマンの後にカプースチンが来るとは、まったく予想のできなかった事態です。(←時々カスプーチンとか怪僧ラスプーチンとかとこんがらがっちゃうことがあります。間違えていたので訂正しました。)

これで休憩かと思いきや、拍手が止まらないためまたステージに現れると、すぐに2曲目を弾き始めるではありませんか!
え〜?
ショパンのバラードの1番が静かにはじまりました。こちらは当然譜面なしの演奏です。
完璧に弾き終えました。
休憩に入ったのが8時半。

今日は長丁場になりそう..と友人と盛り上がっているうちに後半がスタート。

後半は、ここのところの彼女のレパートリであるベートーヴェンのピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」。
恐ろしいぐらいの超絶技巧を朝飯前に弾きこなす彼女にとって、40分を越す超大曲を見事に弾ききって、会場からは盛大な拍手が鳴り止みませんでした。

その後のアンコール演奏が凄かったです。
とにかく7曲も弾いたのですから。
強靭なスタミナとレパートリー広さに、もう脱帽としかいいようがありません。
アンコール2曲目のプロコフィエフの戦争ソナタ第7番の3楽章をタブレット譜面見ながら弾いている様子なんて、信じられない曲芸技。猛烈な指さばきの合間にタブレットをタッチして譜めくりしていて、暗譜で弾くほうがよほど易しいのでは?と思うほどでした。
もしかして、アップルがスポンサーになっている?とか

カルメンの変奏曲の最後は、いつも体を思い切り反り返らせて、蹴るように立ち上がるのですが、昨日も見事なまでの反り返りで、あの鍛えられた体幹は実に美しい!

モーツァルトの編曲では雰囲気がガラっと変わって、遊び心満載の演奏。

得意なロシアものをはじめ、古典、ロマン派にも果敢にチャレンジし、現代曲、ジャズアレンジに至るまで、ドンドンいろいろな曲をタブレットも駆使し自分のものにしていく彼女のガッツ精神は、正直カッコよすぎです。
やはり、今日もサイン会に臨む決意をしました。
IMG_2922.JPG
「私失敗しないので」
大門未知子の名セリフが彼女にピッタリだと思っていましたが、今は「私弾けないものはないので」の方が似合いそうです。


日時:平成28年9月7日(水)
会場:サントリーホール 大ホール
演奏プログラム

《前半 衣装:カーネギーホールと同じロングドレス》

・シューマン:クライスレリアーナ Op.16

アンコール演奏
  ・カプースチン:変奏曲 OP.41
  ・ショパン:バラード第1番 ト短調 Op.23

===== 休憩 ========

《後半 衣装:ゴールドラメのロングドレス》

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 Op.106 「ハンマークラヴィーア」

アンコール演奏
  ・シューベルト(リスト編曲):糸を紡ぐグレートヒェン
  ・プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 第3楽章
  ・ビゼー(ホロヴィッツ編曲):「カルメン」の主題による変奏曲
  ・モーツァルト(ヴォロドス/サイ編曲):トルコ行進曲
  ・カプースチン:トッカティーナ Op.41
  ・ラフマニノフ:悲恋(エレジー) Op.3-1
  ・グルック(ズガンバーティ編):メロディ

終了後、サイン会

Powered by Movable Type 5.2.7

このアーカイブについて

このページには、2016年9月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2016年8月です。

次のアーカイブは2016年10月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。