ARTの最近のブログ記事

東京ミッドタウンを後にして、やってきたのは、六本木ヒルズ。
こちらの周辺では、数々の作品を見ることができます。

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ツァイ・クエンリン「As Hear / Say」

六本木ヒルズ ノースタワー前に設置されたツァイ・クエンリンの「As Hear / Say」は、パイプの所々に耳を当てて音を鑑賞するという、体験型の作品。どんな音が聞こえてくるのかは、実際に試してみてのお楽しみ。

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ピーター・マクドナルド「Sleep Walking」

ロンドンを拠点に国際的に活躍する画家 ピーター・マクドナルドの絵画作品のイメージを使った新作インスタレーションです。

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サントリーが提供する「ART OF HIBIKI」

芸術的なボトルが美術品のように展示されており、サントリーのウィスキー「響」を特別な空間で楽しめます。


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チェ・ジョンファ「Love Me」

中でも人気があったのが、後藤映則氏の作品には人だかりができていました。

後藤映則「toki-series_#00」

光のスリットを作品に投射することで、幻想的な踊り子が浮かび上がります。

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リオネル・エスティーブ「Polychromatic night」

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久保ガエタン「Smoothie」

正面の立方体が回転するしくみで、箱の中は部屋のようになっています。回転と同時に中にあるモノが飛び散りその様子をカメラがモニターするという作品。けっこう音もすごい!


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八木良太「たこ焼きシーケンサー」

毛利庭園に行ってみると、賑やかなサウンドが聴こえてきました。
人だかりを背伸びしてステージを見てみると、なにやらたこ焼きを作っている男子2人。後ろのモニターには、たこ焼き器の様子がリアルタイムに映し出されています。なんだかよくわからなかったけれど、たこ焼きを焼く動きが音楽に変換されている様子。不思議なパフォーマンスでした。

国立新美術館を後にして、向かったのは東京ミッドタウン方向。

ミッドタウンの芝生広場に設置されているのが、Rhisomatiks Architectureの「CURTAIN WALL THEATRE」というもの。

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カーテンが自動的に開いたり、閉じたりする仕掛けになっています。
四方から照明があたり、幻想的な雰囲気のするカーテン空間に、人は自由に出入りすることができます。



動画をアップしたので、よかったらご覧ください。

Rhisomatiks Architecture https://architecture.rhizomatiks.com/ 

年に一度、六本木の街全体がアートで溢れかえるイベント「六本木アートナイト」。
今年は10月21日(金)ー23日(日)の3日間、六本木のあちこちで様々な催しや展示が繰り広げられます。
金曜日の夜、さっそく出かけてまいりました。

毎年恒例で、ルートはだいたい「国立新美術館」→「東京ミッドタウン周辺」→「六本木ヒルズ」→麻布十番から家という感じ。

今年の六本木アートナイトのメインプログラム・アーティストをつとめる名和晃平氏。
六本木ヒルズアリーナ、国立新美術館、東京ミッドタウンの3箇所で巨大インスタレーションを展開するということで、昔から名和さんをウォッチャーしている私にとって、これはとても楽しみ!!
まずは国立新美術館の庭に展示された名和晃平氏さんのインスタレーションから。
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名和晃平

生命の終焉を彷彿させる枯れた木々や、広大な海を漂い辿り着いた流木やブイによって荒涼とした丘が出現。その大地には、名和の彫刻作品「雲の荷車」を引く「風の民」が、生命の片鱗を乗せて彷徨い、まるで神話の一節のような光景が表現されています。

とにかく街のあちこちに作品が点在しているので、見た順番に追っていくとわかりづらい面もあるので、
この記事では名和さんの作品だけをまとめてみます。

こちらは、東京ミッドタウンの正面に展示されているインスタレーション。
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名和晃平

サボテンなどの多肉植物がバルーンのオブジェに包まれて点在しています。それらはまるで、バルーンの繭によって植物の生育を補助し再生を促す孵化装置のようでもあり、保育器(インキュベーター)で生気を取り戻すために、しばしの眠りにつく、小さくて未成熟な森の精霊達の安息地のようです。

六本木ヒルズアリーナの名和さんのインスタレーション
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不思議な森のような空間。白い鹿「White Deer」が目をひきます。
ヒルズアリーナでは、舞踊や演奏など様々なパフォーマンスが行われます。

3つのインスタレーションに共通してみられるのが、名和さんの彫刻「Ether(エーテル)」。
液体が流れ落ちるような、造形の柱状の作品。人と重力、時間と空間の関係性を表現しているそうです。


希少な植物を探し世界中を飛び回っているという西畠清順氏。「そら植物園」の代表をつとめています。彼のことをプラントハンターと呼ぶそうですが、そんな西畠氏とバルーンで造形作品を制作している河田孝志氏、細貝里枝氏の2人組ユニット「デイジーバルーン」と名和さんのコラボレーションで完成した3つのインスレーション。
名和ファンならずとも、見逃したくない作品たちです。

これらは3日間だけの特別な作品なので、ぜひお見逃しなく!

・SANDWICH http://sandwich-cpca.net/
・そら植物園 http://from-sora.com/
・デイジーバルーン http://www.daisyballoon.com/

Volez Voguez Voyagez - Louis Vuitton 其の6

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PART 5 Heures d'absence ー余暇の時間
移動式のオフィス、書籍のためのトランク、タイプライターなどを収納できて書き机も付いているトランクなど、
このコーナーには知的な好奇心に満ちたユニークなものが展示されています。

この展示室の壁は素晴らしいです。暗い部屋なので、分かりづらいのですが、モノグラム柄のついたベルベットのような生地の袋貼りという超贅沢なしつらえなのです。うっかり壁に手をつこうものなら、守衛さんが飛んできて「手を触れないでください」と注意されちゃいます。

PART 6 絵画用トランク
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1927年 著名なアート・ディーラー ルネ・ジャンベル(René Gimpel)が注文した絵画用トランク。


イギリスの現代美術家のダミアン・ハーストがルイ・ヴィトンにスペシャルオーダーしたのが、下の写真「手術道具ケース」。何段もの引き出しで構成されたトランクは、手術道具を入れるために設計されています。外装はブラックのノマドレザーを使用し、色鮮やかな蝶がプリントされています。内装にはディープブルーのマイクロファイバーが施され、手術道具を仕分けしやすいように、サイズ違いの10個の引き出しが設けられています。
残念ながら、今回中を見ることは叶いませんでした。

ダミアン・ハーストといえば、とにかくオークションで最も高価な値がつく現代アーティスト。
作品はというと、ホルマリン漬けのサメとか牛といった、かなり変わったもので一躍有名になりました。それってアートなの?でもすごい人気アーティストなのです。2008年のサザビーズのオークションで223点が出品され、なんと総額211億の落札額!その中の作品、ホルマリン漬けの金の牛は最も高額なもので、1030万ポンド(約19億円)で落札されています。

そんなダミアン・ハーストのトランクも、スペシャルなお値段で落札されたとのこと。
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3代目 ガストン・ルイ・ヴィトン (1883~1970)が蒐集した様々な時代のトランクやチェスト。

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PART 8
ファッションとビューティー
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シャンデリアの部屋には、セレブリティやスターのためのトランクが展示されています。
上はキャサリーンヘップバーンのドレスとトランク。

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手前右はパデレフスキーの身だしなみ用品のためのトランク。手前左はストラヴィンスキーもの。
ダンディズムを感じますね〜

PART 10 インスピレーションの国、日本

ヴィトンを代表するモノグラム・パターンは、2代目のジョルジュ・ヴィトンが日本の紋から着想を得たと言われています。ジョルジュの息子ガストンは、日本の刀の鍔をコレクションしていたそうです。
本展覧会は、昨年暮から今年の初めにパリのグラン・パレで開催されたものを日本でも展示公開しています。
ただ、この部屋だけは本国フランスの展覧会時にはなく、今回の東京の展覧会のためだけに特別に設けられたものだそうです。日本に所縁のある品や日本人アーティストとのコラボ作や有名人のトランクなどが展示されています。
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茶道具のためのトランク。
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村上隆、川久保玲、草間彌生とコラボしたバッグたち。
穴の空いたバッグ(川久保玲の作品)は、もはやバッグといえるのかしら?


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板垣退助もヴィトンのトランクを持っていたのですね。
一緒に見に行った友人は、「民権運動家がこんな(高価なも)の持ってたのはちょっと意外〜」みたいなことをツイートしてました。
Wikipediaを見たら、なんと後藤象二郎と共にルイ・ヴィトンのバックを持った初めての日本人だそうです。
(1882-83年に立憲政治視察のために渡欧した際、2人は購入したらしいです。)

あの時代の日本人が所有していたのにも驚いたけれど、畳みのヘリまでモノグラムになっている展示演出のこだわりように、もっと驚きました〜。


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こちらは白洲次郎のバッグ。板垣退助とヴィトンはあまりピンときませんが、こちらは納得です。当時の日本人男性で彼ほど似合う人を思い浮かべられません。しかもスティーマー・バッグなんて...
本当に伊達男ですね。

というわけで、以上で展示は終了です。


最後に、実際の職人さんが実演しているところを見学できます。
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熟練した職人さんの手によって丁寧に作られるバッグは、やはり憧れますね。

ルイ・ヴィトン展は作品も膨大で、とても長い解説になってしまいましたが、なんとか最後まで辿りつけたのでホッとしています。
そうそう、来場者には全員ポスターをお土産にいただけるのです。
壮大な旅の思い出に...
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Volez Voguez Voyagez - Louis Vuitton 其の5

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オリエント急行に迷い込んだような空間。
車窓の景色も刻一刻と変化し、いつまでも居たくなるような展示室です。

今回の展覧会、どの空間も度肝を抜く演出がたくさん仕込まれていて、とにかくすごいです。
そう思って立役者を調べてみると、アーティスティックディレクターが鬼才ロバート・カーセンと知ってあらためて納得すると同時に凄いなあと思った次第。オペラ、舞台演出家として有名な彼が手がけているだけに、こだわり方が半端ないです。

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紀尾井町に突如出現したルイ・ヴィトンの巨大展覧会の会場。
ここは住友不動産の開発予定地で、そこにこの展覧会のための仮設展覧会場が建てられたというもの。
私はこの日で2度目の来場です。というのも、初めて来た時は1000点にも及ぶ作品群に圧倒され、
また土曜の午後という時間帯もあり、なかなかゆったり見ることもままならず、 あらためて友人と土曜の早い時間に予約して来ました。

会場内は実に贅沢な空間演出とともにルイ・ヴィトンの歴史と商品や作品、そして19世紀から21世紀にわたる世界の歴史にも触れられる壮大なスケールの展覧会になっています。 今回はガイダンスも借りることができたので、2時間以上をかけてじっくり作品を観ました。 IMG_2573.jpg
1906年のトランク

今回の展覧会をより深く理解するために、少しルイ・ヴィトンの歴史も勉強しました。
初代ルイ・ヴィトンが生まれたのは1821年。彼は14歳の時、生まれ故郷のスイス国境近くのアンシェ村を離れ、徒歩でパリを目指します。なんとその道のり400kmを2年かけてようやくパリに着いたといいます。すごいですね。
長い旅の果てにパリに着いた16歳の少年は、レイティエ・アンバルール(layetier-emballeur-malletier 荷造り用木箱製造兼荷造り職人)の見習いとして働きはじめます。
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1854年にヴァンドーム広場からほど近い、ヌーヴ・デ・カプシーヌ通り4番地に自らのアトリエを開きました。そこから革新的なトランクのデザインが次々に生み出されます。
軽くて頑丈、機能的なトランクはたちまち評判となり、ナポレン3世の妃、ウージェニー皇妃をはじめヨーロッパの王室、貴族、著名人の間で瞬く間に広まりました。

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「グリ・トリアノン キャンバスの丸みを帯びたトランク」
1860年頃
コーティング・キャンバス、木、金属、紙

このグレーのトランクは、まさにルイ・ヴィトンがアトリエを構えて数年後のもので、ルイ・ヴィトンが初めてデザインしたトランク『グリ・トリアノン』と呼ばれるライトグレーのキャンバス地のものです。トランクの常識を覆す構造だったといいます。ポプラ材のフレームを使うことで大型でありながら軽量なトランクを実現しています。

間もなく、上に積むことができる、より機能的な蓋が平らなトランクが作られるようになります。
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「ストライプキャンバス(レイエ・キャンバス)の紳士用トランク」
1880年
コーティング・キャンバス、木、鉄、真鍮、紙、テキスタイル、金属

「PART 3 クラシックなトランク」と名付けられた展示室には、草創期の様々なトランクを鑑賞することができます。顧客の要望に細かく応じて設計、製作されたオーダーメイドのトランクは、芸術作品です。
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何気なくトランクの上に飾られている絵は、なんとクールベの風景画です。

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木工製品づくり技術を活かし、数々の名品を生み出した初代ルイ・ヴィトン。
内側のフレームの組み立てにはポプラ材、補強材にはブナ材を使い、内部には害虫予防用に樟脳や紫檀を用いるなど、構造にも工夫をすると同時に、模造品を防ぐために模様を入れたキャンバス地を次々考案します。グレイのグリ・トリアノンからはじまり、ストライプのレイエ・キャンバス。そして1888年に2代目ジョルジュ・ヴィトンによって市松模様に名前を組み込んだダミエ・キャンバスが発表されます。1896年にはお馴染みのモノグラム・キャンバスが誕生します。このモノグラム・キャンバスの柄は、当時ジャポニズムブームに沸いていたヨーロッパで、日本の家紋からヒントを得たと言われています。
今回の展覧会の、最後の「10. インスピレーションの国、日本」で一族がコレクションしていた「刀のつば」の数々が展示されているのですが、モノグラムのヒントになるような文様がそこにはあるのが興味深いです。


「Part 3 クラシックなトランク」の会場最後に展示されているのは、現代アーティストのシンディ・シャーマンとのコラボ作品"Studio in a trunk Cindy Shaman"。
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現代アーティストとのコラボ作品を数々発表しているルイ・ヴィトンの作品の一つ。
Cindy Shermanはセルフポートレイトで一躍有名になった写真家でありアーティストです。先日の千代田3331のHagaleeさんも彼女へのオマージュ作品を発表していましたよね。そう、シンディ・シャーマンの『Untitled #96』という作品は、2011年にクリスティーズで389万ドル(約3億円)で落札され、史上最も高額な写真作品と言われていました。(その後間もなくアンドレアス・グルスキー氏の作品が430万ドル(約3億3300万円)で落札され、現在は史上2番目に高額な作品にランキングされています。)
そんな彼女とのコラボは、らしいといえばらしいです。
30以上の引き出しやメイク用照明がついたミラーや椅子を装備し、さしずめ移動メイクスタジオ。でも、この部屋にある19〜20世紀のトランクの中にあってもまったく違和感ない(100年以上の時代の違いを感じない)ところも面白いです。

次は、「Part.4 旅の創造」です。いろいろ旅にまつわる面白い鞄が登場しますよ。
けっこうなボリュームの写真があるので、追い追いアップしていきたいと思います。

===展覧会情報===
Volez, Voguez, Voyagez - Louis Vuitton
空へ、海へ、彼方へ──旅するルイ・ヴィトン
会期:2016年4月23日(土)から2016年6月19日(日)
住所:東京都千代田区麹町5丁目「旅するルイ・ヴィトン展」
時間:10:00am - 8:00pm
月曜日休館(但し 4/24, 5/2, 6/13 は 1:00pm-8:00pm 開館)
入場無料(事前にオンライン予約可能)http://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/homepage

Charles Fréger:YOKAINOSHIMA

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映画「サンマとカタール」を観終わった後、せっかくなのでCharles Frégerの写真展をみてまいりました。

なかなか面白いしつらえの展示会場に飾られているのは、日本各地の祭事に見られる装束をまとった人の写真です。
これが思いの外、面白いのなんのって!
本当にこんな仮装をする祭りや神事があるんだなあ〜と、びっくりさせられます。
沖縄県宮古島塩尻のパーントゥなんて、全身泥づくめ。
鹿児島県硫黄島の八朔太鼓踊りのメンドンも、実に不思議な動物です。
日本人であっても知らない伝統文化がたくさんあるんだなあとつくづく思います。

Charles Frégerはフランス生まれの写真家。
一貫してポートレイトを取り続けており、近年は欧州各国の伝統的な儀式で獣の格好をした人たちを撮影した『WILDER MANN』というシリーズを発表。
今回の「YOKAINOSHIMA」は、2013年から2015年までの3年間に日本列島58カ所にて撮影されたもの。鬼や天狗、獅子、翁といった土着的な衣装をまとった現地の人を、その土地の自然をバックに撮影。92点展示されています。

残念ながら、私が伺った日が本展最終日でした。

公式サイト http://www.charlesfreger.com/

3331 Art Fair 2016 つづき

Hogaleeさんの作品。

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なんとマスキングで壁に直に描いてます!剥がせば即原状回復!
これはすばらしいアイデアです!
ガムテープで駅の案内表示文字を作る佐藤修悦さんを思い出させます。


壁に直接マスキングテープで描く手法にいたく興味を覚え、知らず知らず食い入るように見ていたら、作家さんに声をかけられました。
しばし立ち話。

作品が生まれた背景とか色々お伺いして作品を見るのと、何も予備知識なくただ作品に向き合うのとでは大違い。
概して「言葉での説明は必要ない」というのがアートの基本的なスタンスだとは思うのだけれど、より作品との距離を縮めたいと思うならば、その作品の背景や作家自身のこと、テーマや思想などの情報は不可欠です。
作家ご本人とお話しできる機会というのは、めちゃくちゃ貴重な時間だったりします。

なので、Hogaleeさんの作品についてもお話しを伺うことができて、本当に来て良かったと思います。

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ジャクソン・ポロックやリヒテンシュタインといった現代アートの巨匠たちへのオマージュ的作品。

私は、マスキング作品に(自分自身の活動への応用も含め)異常な興味と想像力をかきたてられていましたが、
Hogaleeさんの作品に必ず登場するコミック風少女と作家との関係性が実はすごく面白かったりします。
これも、作家さんとお話しすればこそのネタ。

今後の活躍に注視です!

3331 Art Fair 2016で出会った2人の作家

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3331 Art Fair 2016が5月11日から15日までの5日間、開催されました。
69組の作家が出展する現代美術のアートフェアです。


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上の写真3点は、3331 Art Fairに出展されていた作品。

下の写真は、フェア会場の上の階(2階)のGallery KIDO Pressにて開催されていた同作家の展覧会。
余談ですが、このギャラリーはパーテーションの向こう側が版画工房になっていて、大きな版画制作用のPress機も置いてあります。
土屋さんの作品はすべてテラコッタ製(素焼き)。
水彩で着彩したり、釉薬を塗ったりして独特な質感や色調を与えています。
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おばさんの想像力をたまらなく刺激する、少年の像です。
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壁に掛けるレリーフのような作品。ついどうなっているのか横から覗いてみたくなりますが、布の下は見えません...
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遠くを見つめる静かな眼差し
こういう眼差し、ちょっと弱いです。
少年に萌えを覚える...
私もそんな年頃になりました。


・3331 Art Fair 2016 http://artfair.3331.jp/
・Gallery KIDO Press http://www.kidopress.com/

土屋裕介プロフィール
1985年 千葉県生まれ
2011年 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻 卒業


《展覧会》
2016年 「nowhere」Gallery KIDO Press 東京
2014年 「know」KIDO Press, Inc 東京
2012年 「Cozy Winter」DIC川村記念美術館付属ギャラリー 千葉  「gilding」KIDO Press, Inc 東京
2010年 「dreamer」ギャラリーせいほう 東京 
2009年 「アートアワードトーキョー丸の内2009」東京駅行幸地下ギャラリー 「your world」ギャラリー海 千葉

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チラシを見て、すぐに行かなくちゃ!と思った展覧会がこちら。

なんと写真撮影もOKとのこと。
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まるでアクリル樹脂に封じ込めたかのように見える金魚たち。
実は、アクリル樹脂に描かれた絵画なのです。
上は初期の作品。
よくある食品やお菓子の容器に樹脂を流し込み、その表面に金魚を描いているのですが、
金魚がまるで泳いでいるかのように立体的に目に映るから不思議です。

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取り憑かれたように、作品は何から何まで金魚です。
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中でも秀逸なのが、枡の中に金魚を描いた「金魚酒」シリーズ。
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「金魚酒 命名 美津島」(2010)
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「金魚酒 命名 紬」(2016)

制作工程を紹介するコーナーでは、DVDと過程の作品が展示されており、
非常に細かい手仕事であることが見て取れます。
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枡に樹脂を流し込むところからはじまります。
樹脂の表面にドローイング。そしてまた樹脂を流し込み、その上に描くという作業を繰り返し
何層にもわたる工程を経て、作品が完成します。
絵画が重層化することで、生きている金魚とみまごうようなリアルなものになっているのです。
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和傘や引き出しなど、あらゆるところに金魚の群れが...
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知らずに文机の引き出し開けたら、腰抜かしそうです。

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爽やかなガレの器もアートに...
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なぜ、ここまで金魚にこだわるのか...
作家と金魚との出会いがパネルで紹介されています。

金魚救い

 ある日、「ああ、もう美術なんてやめてしまおう。」と思った。
自室で、寝転がったとき、ベッドの横にあった小さな水槽が目にとまった。
そこには7年前に夏祭りですくってきた金魚が1匹いた。名前はキンピン(メス)。
たいして可愛がりもせず、粗末に扱ってきたため、水も汚れてフンまみれ、しかし彼女は生き続け、20cm以上になっていた。
僕は、水槽のふたを開け、彼女を上から見てみた。そのとき、僕の背筋がゾクゾクっとした。
汚れた水の中で、赤く光る彼女の背中は、怪しく、そして最高に美しかった。
「この子がきっと僕を救ってくれる。」
そう信じて、赤い絵具を取り出し彼女をモデルに筆を走らせた。楽しい!楽しい!楽しい!そして、あっという間に金魚の大群が生まれた。〈これだ!〉 
僕の探していた答えが、ヨーロッパでもなく、アメリカでもなく、まさにこの部屋にあった。
僕は、この日の出来事を「金魚救い」と呼んで大切にしている。

深堀隆介公式サイトからの抜粋



そんな金魚との出会い、そして樹脂に描く技法を編み出すまでの執念。
人間の可能性はどこでどう花開くか分からない。
だからすごく面白いなあと思いました。
ぜひ渋谷に行く機会があればお立ち寄りください。

まるで生きているかのような金魚達に、圧倒されますよ!

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