CUISINEの最近のブログ記事

西武池袋線の桜台駅の近くに素敵なビストロがあるということで、友人と一緒にお邪魔しました。

「とも新」という名前のお店で、桜台駅からだと約3分ぐらい。改札を出て左の千川通りに向かって歩いていき、そのまま信号を渡ってまっすぐ歩いた少し先にあるビルの2階です。

4年ほど前にオープンしたお店で、店内の雰囲気はカジュアルながら、オーナーのセンスの良さを感じる内装です。

お店に入るとすぐカウンターバーがあり、その奥の階段を上ると、ロフトのような作りでテーブル席が2卓。その階段の手すりが、古材でできていてお洒落なのです。今回そのロフト席で食事とお酒を楽しませていただきました。

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まず最小にスパークリングで乾杯。
キッシュをお願いしたところ、茶碗蒸しのように優しい歯応えにびっくり。硬めの中身がぎっしり詰まったキッシュに食べ慣れているけれど、これは美味しい! 続いていただいた、秋刀魚と茄子のミルフィーユは、とても華やかな盛り付けで胸がときめいた一品でした。茄子のとろけるような食感と秋刀魚の香ばしさ、パイ生地のサクサク感とが渾然一体となって複雑な美味しさです。大根と人参のソースとモロヘイヤのソースも面白いです。
「イサキのポワレ温野菜添え」フランス産カモ腿肉のコンフィ」とも新カレー」「ふぐの子茶漬け」デザートに「アフォガード」などをいただきました。どれもお料理がとても良いです。

ワインはイタリアのベネト州のもので、DOCコッリ・ユーガネイ(エウガネイ)の「パオーニ・ビアンコ」。ソムリエでもあるオーナーと相談しながら選びました。これがとても飲みやすくて、クイクイいけちゃいます。気づいたら、1本ボトルが空いていました(笑)
後で調べてわかったのですが、値段が非常にお手頃で、2006年のヴェネト州NO.1ワインにも選ばられているのだとか。(ガンベロ・ロッソの 「アルマナッコ・デル・べーレベーネ2006」にてオスカー・レジョナーレ受賞。)

〆のカレー、お茶漬けといったメニューもあって、なかなか楽しいお店です。

また、ぜったい寄りたいお店です。

あと、このお店の下の古着屋が、これまた楽しいです。
古着屋というとちょっと埃っぽい店を想像しがちですが、こちらBAZZSTOREはクリーンで割とゆったりした商品展示。品揃えもカジュアルからベーシックなもの、ドレッシーまでさまざまで、値段も300円〜と、お財布をあまり心配せずに大人買いが可能なので、つい1時間近くも店の中を散策してしまいました(笑)

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とも新 ビストロ・ワインバー
東京都練馬区豊玉上2-21-18 ジェイコート桜台 2F
電話 03-6914-9636
月曜日定休

さて、8月のお盆の連休前、本所吾妻橋にある「山介(やますけ)」という
蕎麦と気の利いた料理をコースでだしてくれるお店に行きました。

都営浅草線の「本所吾妻橋駅」の「A0出口」を出てすぐ隣にあるのがこちらのお店。
お盆の連休前日8月11日の19時に予約を入れていただき、伺いました。
友人と現地集合ということで、仕事を終え日本橋で浅草線に乗り込んだところまでは順調だったのですが、人形町で突然電車がストップ!馬込駅で人身事故が発生し、当面復旧の見込みがたたないとの車内アナウンス。
日比谷線での振替えを検討するも、結局タクシーで向かうことにしました。
駅なら5つ目なので、10分かからないで行ける距離なのですが、道が混んでいることもあってタクシーだとちょっと時間がかかってしまい、予約の時間よりだいぶ遅れて到着。
友人は隣の東日本橋駅からタクシーに乗って来たとのことでしたが、私より随分先に到着した様子。
ホームドアの設置で、その数は減ってきていると言われる人身事故。
現実に、多大な人に被害や影響を及ぼすという意味で「電車への飛び込み自殺」は罪深いし、けっしてやってはいけないことの一つだと思うのですが...根絶されないのは残念です。


さて、こちらの「山介」。
数年前に一度来たことがありますが、その時は料理がアラカルトでした。
それから、昨年の暮れにコース料理のみの営業に、方針転換されたとのこと。


蕎麦通の友人がこちらのお店をすごくご贔屓にしており、新業態をぜひ見たいとの思いでご一緒させていただきました。

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まず最初は小鉢がいろいろのった前菜。
「夏の想い出」という題名をつけたくなるような、絵画的な盆仕立て。
蟹は素揚げでこのまま一口で食べられます。

まずは、生ビールでスタートです。
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とにかく、こちらのお店は日本酒の品揃えが実に豊富。(写真はお酒のリストの一部)
日本酒のメニューを見ているだけで、ワクワクしてまいります。

しかも、60ccグラスという小さなグラスでの提供もしているので、
とにかく色々飲めてしまうのが嬉しい!
飲み終わらないうちから、次は何にしようかな・・・と。

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日本酒のしょっぱなは、以前から一度飲んでみたかった「醸し人九平次(山田錦)」!
愛知のお酒で、今話題の日本酒です。
しかも、こちらで飲めるのは最高峰の「別誂」山田錦。
ボトルを見て興奮してしまったせいか、かなりピンボケになってしまいました...トホホ
フランスの三ツ星レストランでもオンリストされているだけあって、日本酒でありながら
これまでの日本酒とはちょっと違う!
獺祭の磨き2割3分を初めて飲んだ時にも感じたような、嬉しいショック!
〜実に美味しいです。
今宵はこれを口に出来ただけで、幸せです。

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つづいて、夏の疲れを癒してくれそうな、さわやかな一品。
緑のトロっとしたものはモロヘイヤ。生湯葉、雲丹、ずわいがに、じゅんさいなどが入っています。
ご主人の創作力に、続くお料理が楽しみです。


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続く日本酒は「十四代」。
ここぞ!とばかりに、お目当ての日本酒に総攻撃!
なにしろ、なかなか入手が困難なお酒ですからね十四代は...

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ご主人が「オマケです」と言ってだしてくださった蛤の握り
「十四代」の後は「鍋島」。

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絶品の蕎麦がこれ!

玉葱を裏ごししたスープに太麺の蕎麦が和えてあり、トッピングには細かく削ったパルミジャーノ・レッジャーノがのった、ご主人渾身の一品ともいうべき変わり蕎麦。
目からウロコ。
トマト麺とか、思いもかけないコラボで美味しい料理が生まれることがあるけれど、
この蕎麦もそんな名作にオンリストされそうな一品でした。
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そばがき

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伊根満開は甘口で、見た目がロゼワインみたい。こちらも美味しかった〜
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〆は福島の「寫楽」。

酔いがまわってたせいか、
撮ったつもりの写真が見当たらず...
最後の蕎麦の写真がどこにも見当たらない〜
写真はありませんが、〆の蕎麦は「十割と黒蕎麦の2種盛り」でした。

今日の来店の目的の一つは、お店の変化を確かめること。

脱サラしたご主人が一人で厨房をまわし、お料理や蕎麦を担当するこちらのお店は、
冒頭にも述べたとおり、アラカルトからコース料理に転換することで、非常に洗練されたお料理に
なっていることを確認できました。

友人もこのスタイルを高く評価していましたしね。

それにしても、いろいろ飲んだ、飲んだ〜
楽しい夜
気がつけば3時間は経っていました。
お酒が飲めないと、とてもじゃないけれど間が持たないお店でもありますが、日本酒好きにはたまらないお店です。

21世紀は、料理を科学する時代らしいです。
"分子ガストロノミー" "モラキュラー・ガストロノミー"
こんな言葉を時折テレビなどで耳にするようになりました。

この「分子ガストロノミー(Molecular Gastronomy)」という言葉の意味についてWikipediaには、"料理の過程で食材の変化の仕組みを分析かつ解明し、調理技術とガストロノミー上の現象を科学の視点から社会的、芸術的、技巧的な要素で解明するものである"となにやら複雑なのですが、実のところは非常に面白い研究のよう...
私の最も苦手な分野である"料理"ですが、この分子ガストロノミーの研究成果は、びっくりするような調理器具や調理法の開発に繋がっていて、世の中に次々と商品化されているのだとか。
今回はそんなモノたちをちょっと調べてみました。


・エスプーマ(ESPUMA)
世界で最も予約のとれない料理店と言われたスペインの「エル・ブリ」の料理長フェラン・アドリアによって開発された料理法で、 亜酸化窒素を使い、あらゆる食材をムースのような泡状にする器具です。
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今日のNHKあさイチでも泡特集をやっていましたね...

最近、あちこちのお店でこのエスプーマを使ったお料理を見かけるようになりました。
フロリレージュでいただいたほろほろ鶏のソースは間違いなくこれを使っていたと思われます。

今や、ちょっとしたフレンチやイタリアンでは必須アイテムなのかも。


・キャビア・ボックス
アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムの化学反応を使い、キャビアのような球体を簡単に大量に作る器具です。
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ネットで見つけて、思わず笑ってしまったのがこのキャビア・ボックス
どうみても科学実験器具なんですが...
果汁、ワサビ、海水、フォワグラ、醤油、ゆず、コンソメなどアイデア次第でいろんな物が球体にできるとのこと。
この原理で作られたと思われるキャビア状の蜂蜜のレシピ動画がありました。



スパゲット キット(スパゲティ形状成型器)
キャビアならぬ、なんでもスパゲッティの形状にしてしまう器具。
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キャビアボックス同様、いろいろな食材がパスタの形状になります。
こちらの器具を使ったレシピ動画がこれ↓



・スモーキング・ガン
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約3分で燻製の香りづけが可能なスモーキングガンという商品。
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ガラスカバーを使用し、お客の前でオープンするとその場で香りが広がり、ちょっとした演出に効果大。


ちなみに、Youtubeで「Molecular Gastronomy」と検索。
すると、面白い動画が次々ヒットするので、暇つぶしには最適です!

・真空調理器
焼く、煮る、蒸すなどの熱を加える調理法とは違う、新しい調理法として真空低温調理があります。
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最近よく聞く「コンフィ」と称する料理を、この真空低温調理法でやっているお店もけっこうあるようです。
銀座の「パリのワイン食堂」でいただいた鴨料理も、実はこれだったのかも...
なんて料理の工程を想像すると、味覚だけでなく料理への想像の翼が広がり楽しくなりますね。
コンフィと真空低温調理法との違いについて検証したブログ「ヨーグルト実験日記」の記事はなかなか興味深いです!

業務用には、箱型の大きな機械もあるようです。
詳しくはおしゃれ番長さんのブログに詳しく掲載されているので、興味のある方はそちらも読んでみてください。

ネットで検索してみると、みなさん色々なテーマで研究していますね。
この分子ガストロノミーの研究テーマは無尽蔵のようです。

夏休みの自由研究とか、親子で料理をテーマに台所でチャレンジするのもなんだか良いのでは?

世の中カタカナ表記が氾濫しています。
"イノベーティブ・フュージョン"、"モラキュラー・キュイジーヌ" ...
↑何のことかさっぱり分からなかった私です。

イノベーティブ・フュージョンとは、フレンチとかイタリアンとか和食とか...
それぞれの伝統や文化に根差した食材や調理法にとらわれず、自由な発想で提供する新業態の料理店を指すそうです。
2013年ミシュランにも正式に登場しているカテゴリーなんだとか。

実は、先日うかがった神宮前の「Florilége」は、まさにこの"イノベーティブ・フュージョン"というカテゴリーに属すお店で、 斬新かつシェフの創意に溢れた11品の料理をコースでいただくスタイルでした。
毎年、想い出深いバースデーディナーを企画してくださる殿方が、今年はこちらのお店を2ヶ月前から予約してくださったのです。
好奇心旺盛な私にぴったり?!のお店です。

オープンキッチンで、大きなコの字型のカウンターテーブルにお客が約8組。
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(個室もあるようですがとにかくディナーは1回転のため)決まった数のお客様しか予約を一切受け付けていないそうです。
そのため予約困難なお店と言われており、 ちょうど2ヶ月前のこの日の朝10時に電話。見事予約を勝ち取ってくださったと聞かされたら、これはやはり感動しないわけにはいきません!

席に座ると、本日の11皿が書かれた紙が置いてあります。
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投影       ゴーヤ
継続すべき味   鰯
コンフィ     すっぽん
夏の予感     鮎
サスティナビリティー  牛
ヘテロ      牡蠣
和の風味     甘鯛
分かち合う    塊肉
旬        桃
異国情緒     マンゴー
贈り物      アマゾンカカオ
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これはなぞなぞ?それとも何かの暗号?
右が食材であるのはすぐわかりますが、左の言葉が深遠すぎます...
これは、お料理が運ばれてくるとその謎が解けるのです。

謎解きのはじめに、まずはシャンパン"Hugues Godme"で乾杯!
飲み物は、お料理毎にお店が選んだものをグラスでいただくペアリングでお願いいたしました。
お料理とお酒のマリアージュも本日のお楽しみです!
それではさっそくお料理とまいりましょう。


投影   ゴーヤ

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ゴーヤシャーベットの上に鯒がのっているという一口サイズの一皿目。
手でつまんで口に放り込むと...ゴーヤ独特の苦味はまったくなく、ひんやり爽やか〜


継続すべき味  鰯
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軽く炙った千葉県産の大羽鰯の上に「へしこ」を練り込んだパスタがのっています。
セルフィーユの香りとドライトマトの凝縮した旨みとがあわさって、匠の一品に。
あわせたワインは、フランスSancerreの"Ultimus Jean Thomas"。ヴィンテージは2013。
ソーヴィニヨン・ブランのフレッシュな味わいとお料理がすてきにマリアージュ。



コンフィ すっぽん
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非常に手の込んだお料理。ご一緒した方のレビューからの引用で解説させていただきます。
"スッポンの身はコンフィにされた後、香ばしいフリットとなっている。下にはスッポンの卵も加えたフランが敷かれ、柔らかく蒸し煮にされたエンペラの部分も添えられている。これに旨みたっぷりのスープが張られ、上には珍しいスベリヒユという野菜が飾られている。スッポンの味と食感を結集した一皿で、見事の一言。これに合わせる酒は、シェリー(銘柄は「Emilio Lustau」)で、アピシウスの名物である「海亀のスープ」を彷彿させる、出会い物とも言える相性の良さを実感。"


夏の予感   鮎
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こちらのお料理の説明も私には荷が重いので、レビューからの引用でご容赦。
"開いて骨を外した鮎の身に肝を挟んだものとフォアグラが、それぞれ網脂で包んでから軽くフライにされている。上には飯蒸しのようなもち米のリゾットが盛られ、油で揚げた中骨と、紅蓼もあしらわれている。フォアグラの程よい火入れと、鮎のワタの心地よい苦みが印象的。"

こちらの鮎料理にあわせたのは、なんと田酒。でも、これがお料理とぴったりなのです。
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サスティナビリティー     牛
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今の日本では、食品ロスがいかに多いかということについて解説された紙がお料理の前に渡されました。
こちらの料理に使われている牛肉は、子牛ではなく出産も終えた歳をとった雌牛なのだとか。
なんでも手に入り、ついつい当たり前のようになっている食事を、ちょっと違った気持ちでいただいてみます。
"ZIDARICH(ジダリッヒ)"という、イタリアフリウリの白ワインと一緒に。



ヘテロ    牡蠣
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牡蠣の旨みと、まわりの衣のオカヒジキがサクサクしていて食感もよく、美味しさが凝縮された一皿でした。レモンのメレンゲの酸味もよいアクセントになっています。このちょっと複雑な料理にあわせたのは、オーストリアの"Blaufrankisch Hochegg"という赤ワイン。
牡蠣は白という固定概念が見事に覆されたマリアージュに(◎_◎;)!




和の風味     甘鯛
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甘鯛の切り身を松笠焼きで仕上げた、和の一品。つきあわせに蕪のリゾットと芹のビュレが添えられています。日本料理にブルゴーニュのドメーヌ ロジェ・ラサラのプイィ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)をぶつけてくるあたり、やっぱりイノベーティブ。



分かち合う  塊肉
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本日のお客全員で分かち合うのが、上の写真のほろほろ鳥。
それぞれ順番にお客の前に置かれ、じっくり鑑賞させていただけます。
そして、取り分けられたものに、スナップエンドウの豆が添えられ、白ワインのエスプーマしたものがソースとしてかけてあります。
手前の黄色いものは、レモンパウダー。
ここで登場したのがGevrey Chambertin(ジュブレ・シャンベルタン)。
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ドメーヌはジャン・ラフェ・エ・フィス(Domaine JEAN RAPHET et FILS)。ヴィンテージは1996年。
ブルゴーニュの巨匠ジャン・ラフェが生産した素晴らしい赤でした。かのロバート・パーカーも最高の賛辞を与えたというほどのすごい方だそうです。
※2002年以降は息子のジェラール・ラフェが畑を受け継ぎ、ドメーヌもジェラール・ラフェと変えて現在に至るのだとか。

本日のコースはこのようにして最高潮を迎え、気分は大満足。お腹は大満腹。
(ちょっとお隣の殿方には内緒ですが...)このままごろ寝できたら最高な気分でした。



デザート一皿目。


旬    桃
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スポンジケーキと桃の上に桃のムースがかかったデザート。
桃って本当に素敵な香りがします。



異国情緒    マンゴー
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落花生のブランマンジェの上にのっているのが薄切りのマンゴー。落花生とマンゴーと個性的なもの同士の組み合わせが面白いと思いました。



贈り物   アマゾンカカオ
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チョコレート風のモノのまわりに赤紫蘇のジュレを纏わせた不思議なデザート。
未確認物質のような様相でも、目から鱗な味です。


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食後のコーヒーをいただきながら、ふと時計をみると3時間もの時が流れていることに驚きました。

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目の前で繰り広げられている大勢の料理人の方の一挙手一投足が、まるでエンターテイメント。
川手シェフは食の現代アート作家と言っていいと思います。
厳選した食材を、これまでにないような組み合わせで一皿に。調理法も、フランス料理の伝統的な技法だけではなく、和食の技法や最新の調理法を使ったり..と、自在に駆使。想像力の豊かさと、繊細でありながら大胆な味への探究心には本当に脱帽しました。

食事という体験を通じて、アートを五感で鑑賞させていただいた時間だったように思えます。
お連れくださった素敵な殿方に、心からお礼を申し上げます。
どうもありがとうございました。


↑これだけ書くのも、ちょっと大変ε-(´∀`; )でした

魔の6月が過ぎて...ちょっと一息

もう7月も半ばになりました。5月の終わりから7月はじめまで、なんだかとても忙しかったです。

舛添知事の辞任劇から、EU離脱...
新聞社さんのお仕事もさせていただいているので、正直とても影響ありました。

そして、何より私を苦しめたのは、お客様のホームページに訪れた受難の数々です。

あるお客様はホームページがハッキング被害に遭ってしまい、 また別のお客様のホームページは、プログラムの不具合で画面が真っ白になってしまっていたり....
とにかく次から次へと対応に追われる毎日で、魔の1ヶ月でした。

そのお陰というのもおかしいですが、久しぶりにインターネットの猛勉強をしました。

7月は、すこしのんびりアートとか音楽とか楽しみたいなあ〜と思っています。

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さて1年に一度、7月のはじめにお目にかかるお客様がいらっしゃいます。

東銀座で会計事務所を構えていらっしゃる方で、かれこれ9年前にホームページを作成させていただいたのがご縁で懇意にさせていただくようになりました。毎年サーバーの更新時期であるこの時期に、ご挨拶をかねてお伺いしています。お邪魔すると必ずランチを銀座界隈でご馳走してくださるので、 最初は申し訳なく恐縮していたのですが、だんだんこれが楽しみなってしまいました(笑)。
私にとって彦星様のようなクライアント様です。

さて、今年の恒例の七夕ランチ。
今年は、事務所にも程近い東銀座の裏道にある「パリのワイン食堂」というお店に連れてきていただきました。店内はカジュアルなパリの下町風。白地に赤のチェックのランプシェードやテーブルクロスが可愛らしく、女子に大人気なのが頷けます。

雰囲気だけでなく、お料理も手頃なお値段で実に素敵なお店でした。
ランチはコースで1000円〜
前菜+メイン料理(肉、魚が選べます)+デザート+食後の飲物 DSC09862.jpg
前菜は<冷製のラタトュイユ>
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メインは<フランス産鴨肉のローストとジャガイモのソテー添え>
写真はありませんが、パンかライスがつきます。

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デザートの<メロンのソルベとキャラメルのアイスクリーム>とコーヒー

鴨肉が絶品でした。
店内には大きなワインセラーのようなつくりつけの棚があって、すごくワインの品揃えが豊富なのがわかります。「ワイン食堂」という店名からも、ワインを楽しみながら食事をしていただこうというコンセプトが伝わってきます。ランチタイムはなんと300円からグラスワインがいただけるとのこと。
鴨肉には赤ワインをあわせたかったなあ〜
さすがにお客様を前に、一人でワインを飲むわけにはいかないのでここはぐっと我慢。

パリの雰囲気を味わいたくなったら...一人でもぶらり来たくなるようなお店です。

ご馳走様でした。

帰り、銀座をぶらぶら歩いていて見つけたお洒落な外観
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女性ファッションブランドのMaxMaraのショップの外壁に注目。
金網がまるでレース模様のように見えるではありませんか!
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めちゃくちゃお洒落さんです。
実によく出来ていますね〜

銀座はぶらぶら歩いているだけで、アートにであえる町です。


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↑ここどこだかご存知ですか?

まるで、どこぞのホテルのプールサイドのようじゃありません?

答えは、数寄屋橋の阪急デパートの後に出来た商業施設「東急プラザ 銀座」の「屋上キリコ・テラス」です。
無料で開放(一般開放時間は季節やイベント日などによっても違ったりするようなので、要確認のこと)しているパブリックスペースなのです。夏っぽい雰囲気を楽しみながら、ちょっとパソコンでメールチェックしようと思い、寄ってみました。
こういう場所を知っていると、何かという時とっても便利です。

屋外は暑くて耐えられない...という時には、6階にあるキリコラウンジは空調も効いていて快適!

銀座には、カフェ以外にも憩える場所がいくつもあるんですよ〜
無料なのが何より嬉しい!

Aux provencaux @麹町

美味しいものは人を幸せにします

ルイ・ヴィトンの展覧会の後、この界隈でランチをいただこうということになり、
連れていっていただいたのが「オー・プロヴァンソー」というフレンチレストラン。
とても評判のよいお店とのこと。

今日は、フランスづくしです〜(^o^)/

予約なしの飛び込みでしたが、すぐ席にご案内もしていただき、お料理、サービス共にとても気持ちよいものでした。
まずは、シャンパンで乾杯!!
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そうそうシャンパンといえば...
現在のルイ・ヴィトンは、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンという巨大コングロマリットのブランドの中核なんですよね。
この「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」の傘下には、ディオール、ジバンシー、セリーヌ、ロエベ、フェンディ、ゲラン、お酒ではドンペリ、モエ・エ・シャンドン、ヴーヴ・クリコ、ヘネシー、シャトー・ディケム...
名だたる老舗ブランドを買収したすごい企業になっています。
ベルナール・アルノー(LVMH会長)という人はそうとうやり手で、肉食系らしいです。
そこがちょっとエルメスと違う。
同族で株式を保有し、ひたすらクオリティにこだわり続けるエルメスの姿勢は、
個人的には共感するところ大。一説には、アルノー氏に狙われ激しい株の買収攻防戦が繰り広げられているとも...

話をお料理に戻します。
前菜、メイン(肉または魚)、デザート、食後の飲物という簡単なコースにしました。
前菜は色々な種類があり、自由に選べるということなので、私は「フォアグラのテリーヌ いちじくの赤ワイン煮添え」、友人は「帆立貝と季節野菜のゼリー寄せ」にしました。
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フォアグラのテリーヌ いちじくの赤ワイン煮添え

これにあうワインで勧められたが、DOMEINE DU TARIQUET PREMIERES GRIVES 。
フルーティな甘口のデザートワイン。フォアグラとの相性はばっちりでとても満ち足りた気分です。

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魚料理にあわせていただいた白ワイン。ブルゴーニュのHautes Côtes de Beaune
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平目のポワレ その下には茄子のピュレ
とても品のいい味でした。

先日いただいた神楽坂の「ラ・トゥーエル」といい、こちらのお店といい、日本のフレンチレストランって驚くほどクオリティ高いと思います。
こちらは、夜も訪れてみたいですね。

神楽坂の素敵なフレンチにルンルン

舛添さんの問題で、少なからず私の仕事にも影響が出ていて...
先週からブログの更新ができず、この記事も1週間以上も経ってアップになってしまいました(泣)
食べ物ネタは記憶が風化しやすく、あまり時間が経つと書けないのが辛いです。

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素敵なお店にご招待いただきました!
神楽坂の「ラ・トゥーエル」。
食べログでもTOP1000に選ばれている人気のフレンチレストランです。
もう楽しみにしすぎて、12時半に予約をいれてくださっていたのに、12時と間違えて伺ってしまいました。最近、そういう記憶違いが日常茶飯事的に頻発していて...最近自信喪失気味です。

神楽坂は本当に素敵なお店やグルメを唸らすレストランがたくさんあります。
神楽坂駅から飯田橋方面に向かってしばらく歩いて路地を一本入ると、そこに南欧風のお洒落な建築がありその2階が本日のレストランです。
写真の階段の脇を奥に入ると「大〆(おおじめ)」という有名な大阪のお寿司屋さんがあるのですが、およそ寿司と思えないお店の雰囲気に、きっとびっくりされると思いますよ。

それはさておき、本日のランチコースはmenu Léger
・アミューズ・ブッシュ
・前菜
・魚料理
・肉料理
・本日のデザート
・食後の飲み物とプティフール
というコースです。

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まずアミューズ・ブッシュ。
甘くないレモングラスのアイスクリーム鱈とポテトのプチクロケット
冷たいアイスクリームと温かいクロケットの組み合わせ。
飲み物は、オーガニックのジンジャエールをお願いしました。(後の予定もあるので、ここは遠慮がちに)

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前菜のグリンピースのスープ カプチーノ仕立て
前菜とは思えないボリュームにビックリ!グリンピースの風味が爽やかでした。
右上のオレンジのものは、トマトのパン。
鮮やかな緑と赤で、視覚でも楽しめました。
ご一緒した方は、「鰆の燻製・瞬間焼き 春野菜のサラダ仕立て」を注文。
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私以上にボリューミーで完全にメインの魚料理と身間違うような一品。
野菜に混じっているショートパスタはまるでお米みたいでした。


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メインの魚料理:オゴダイのポワレ
白いつぶつぶはカリフラワー。その上に桜エビがちりばめられている一品。
桜海老が味のアクセントになっていて、美味しかったです。

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メインの肉料理:スペイン産ウズラのキャベツ包み ジュのソース
火加減が絶妙なうずら肉料理。ほとんど加熱されていないような柔らかさとジューシーさを兼ね備えていて、ほっぺたが落ちそうになるくらい美味しかったです。
思わずお店の方に調理の秘訣を尋ねてしまいました。
ソースはジュと白人参のペーストの2種類。盛り付けも素敵です。

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バジルのアイスクリームパイナップルのソースココナッツのムースとラム酒のグラニテが重なった上に、木の葉型の砂糖菓子が乗ったデザート。
ちょっと大人な味でした。

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山本聖司シャフの挑戦的なお料理の数々には驚きました。
思いもかけない食材をコラボさせたり、貪欲に味を追求されていることがお料理を通じてビンビン伝わってきて、食事をいただく私たちにも刺激を与えてくださいました。

本当に素敵なランチ、ご馳走様でした。

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シェフが帰り際お見送りしてくださり、とても気持ちよくお店を後にしました。
また来たいお店が増えました。

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ラ・トゥーエル
東京都新宿区神楽坂6-8
電話 03-3267-2120
ホームページ http://www.tourelle.jp/

あまりに久しぶりの更新でお恥ずかしいです。
ここ数日の九州地方の地震。終息の目処がたたず、大変な状況が続いているとのこと。
被害に遭われた方々には心よりお悔やみ申し上げます。

さて、今年のピアノの発表会が一昨日無事終了しました。
昨年も聞きに来てくださった友人をはじめ、たまたまご近所の方に「こんど発表会に出るんです」なんて世間話しをしたのがきっかけで、わざわざ来てくださった方など、本当に感謝で胸いっぱいです。
恩師の田村先生も、お忙しい状況のなか本番には駆けつけていただき、本当に嬉しかったです!やはり先生に見守られていると、とても心強いものです。
皆さまに応援していただき、思い出の演奏会にすることができました。
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今年は、グリーグ作曲の叙情小曲集第5集におさめられている「夜想曲(Notturno)」作品54の4番を演奏。
大好きな曲です。
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エドヴァルド・グリーグ(1843年6月15日 - 1907年9月4日) はノルウェーの作曲家で、数々のピアノの小曲を残しており、北欧のショパンとも呼ばれています。そんな彼のピアノ曲の中でも、全10巻(全66曲)からなる 「叙情小曲集」は代表作で、まだ若い時に作曲したものから晩年のものまで含む、長大な時間をかけて完成された珠玉のピアノ曲集です。

どこか素朴な中にも美しい情景が浮かんでくるような素敵な曲がたくさんあります。
「夜想曲」(第5集4番)は、聴くとノルウェーのフィヨルドの夜を連想するという人もいるし、当時グリーグはイタリアに滞在していたのでイタリアの夜を表現しているという説もあるのですが、いずれにしても夜の静寂と森を感じる作品で、弾いている私も実に癒されます。
CDもたくさん出ています。
Juhani Lagerspetz, Leif Ove Andsnes, Peter Jablonski, Irina Mejouevaなど
色々聴きましたが、私的にはアンスネスの演奏が一番しっくりきて、お手本にしつつ練習に勤しみました。
まあ遠く及びませんが(笑)、私なりの演奏ができたのではないかと思います。
今度は何を練習しようか?悩む日々。
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「夜想曲」つながりで、ショパンに挑戦しようかな?
調 べてみると、ドビュッシー、フォーレの「夜想曲」は有名ですが、リストの「愛の夢」(あのメロディーを知らない人はまずいないほどの有名曲)も「3つの夜 想曲」というのなかの1曲。ラフマニノフやスクリャービンも「夜想曲」を作曲していて、実にいろいろな作曲家による「夜想曲」があることが判明。
これを毎年取り上げていっても面白いかも!
チクルスならぬ、「夜想曲シリーズ」なんてできたら、素敵じゃありません?!
まあゆっくり考えます。

今回は、1ヶ月前に先生にレッスンをしていただいたことも大きかったです。
教えを乞う先生がいることの有り難みを、しみじみと感じました。

録音した自分の演奏を聴いて、自分なりにいろいろ検証し問題点を見つけるまではできても、その先が困難なもの。
右手と左手の音のバランスがイマイチだなあ〜とか、一流の演奏家と比較してここがダメだというポイントは分かるのに、じゃあどうやったら今より良くなるのか?
意識して気をつければ治るというものでもないので、自己流の練習も今年に入ってだんだんつまらなくなってきていました。
そこで思い切ってお忙しい先生にお願いし、30〜40分個人指導していただきました。
短い時間にもかかわらず的確なアドバイスとそのための具体的な練習方法を教えてくださいました。
ちょっと意識して音を出すだけでも曲としてのまとまりが出てくるのが弾きながらわかってきて、これには本当に驚きました。
先生に敬服したのは、記憶にあるかぎり人生で2度目のことです。

昔、大学の授業でそういうすごい方を目の当たりにしたことがありました。
彫刻家の佐藤忠良先生です。
大 学で塑造を勉強していた時、私の等身大の裸婦像を見た忠良先生が、その像の足の付け根が気になったらしく、粘土でちょちょっと手を加えて修正してください ました。すると、その裸婦像がみるみる見違えるような作品になった、という実に不思議な体験をしました。手を加えたところは体のほんの一部だけ。しかもも のの1〜2分のことで、まるでマジシャンのような手だと思いました。動作に無駄がまったくありません。
私は、佐藤忠良先生がなぜ巨匠と呼ばれ、巨匠であったのか?
この体験で、理解できた気がしました。故忠良先生との貴重な思い出です。
若い頃はなんでも自分が一番と思っていて、先生をバカにするきらいもあった私ですが、
それ以来、やはり師匠や先生と呼ばれる方には一目置くようになりました。
それには、いい先生との出会いが大事ですけどね。
その点、私はとても恵まれていたと思います。

演奏会後は、お楽しみのディナーです(^o^)/
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リヨン料理を楽しめるという「サラマンジェ・ド・イザシ・ワキサカ」に行きました。
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ブルゴーニュの白
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「フランス産ホワイトアスパラガス オレンジ水のサヴァイヨン
すごく立派なホワイトアスパラで、こんな太いのは生まれて初めて見ました。
オレンジの風味が入った複雑なソースがかかっており、お皿ごとオーブンで焼いたものがテーブルに運ばれてきました。

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プロシェのクネル
魚のすり身のクネルと濃厚なソースが美味。

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仔鴨胸肉の"ラケ" コニャックのソース

お料理はアラカルトでいろいろチョイス。どれも手が込んでいて素晴らしかったです。
そして、シェフが最後丁重にお見送りしてくださり、とても心地よい食事会となりました。
今日1日のお疲れ様の意味も込め、美味しいもので締めくくることができとても幸せです。
これを、来年に向けての活力に変えたいと思います。

江戸時代後期、江戸庶民の食だったと言われる「ねぎま鍋」。
葱と脂身の多い鮪のトロを醤油ベースの割り下で煮るお料理です。
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30代までは鍋料理を外食することはほとんどなかったのですが、この数年、「駒形どぜう」、日比谷の「一会」のあんこう鍋、京都「大市」のすっぽん鍋、浅草「三角」の河豚鍋、「中江」の桜なべ、神田須田町「ぼたん」の鳥すきやき、浅草「米久本店」のすき焼きなど、老舗から大衆的なお店まで、いろいろな鍋を体験する機会を諸先輩方からいただいて...
すっかり鍋の魅力に取り憑かれてしまった私!
今度は「ねぎま鍋」でしょ!

というわけで、神楽坂にちょっと知られたお店があるとのことで、数年前から行ってみたいものと思っておりました。 そのお店「山さき」のねぎま鍋は、その人気と季節限定なこともあって、なかなか予約が困難。以前一度トライしたものの、時すでに遅し...で、そのシーズンは見送るはめに。そんな私のもとに1月のはじめ、食い道楽な友人から2月10日に予約が取れたよ!というご連絡。
な、な、なんと嬉しいお誘い!
願いが叶いました。

この「山さき」というお店は、大塚にある「なべ家」と謂う、これまた有名な江戸前料理のお店で修行された女将さんがひらいたお店で、2007年「ミシュランガイド東京」の☆(1つ星)にも選ばれています。

毘沙門天の向かいの路地をはいったところの、雑居ビルの2階にあるこちらのお店。
初めての人は、ビルの入口にまず驚くと思います。ドアに紙がぺらっと1枚貼ってあるだけという、シンプルさ。
階段を2階にあがると綺麗で瀟洒なお店の入口に辿り着くのですが...途中は本当に雑居ビルです。
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お店の仕組みはいたってシンプル。電話予約の際に鍋のコースをあらかじめお願いしておくというもの。
なので来店したら、卓上にあるお酒のメニューから飲み物を注文し、後は待つのみ。
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秋田の「春霞」山廃本醸造を熱燗で。

初めに供されたお料理は、菜の花と白魚とぬたの酢味噌和えの小鉢もついた、写真のような盛り合わせ。
江戸前らしい甘く濃いめのだし巻きたまご。梅と鰹で和えた海苔、たらの芽の天ぷら、鯛の身のそぼろ、煮豆。
鯛のそぼろは、山椒がすごく効いていて、想像していなかった美味しさ。ちょっとしびれるような感覚が残る鯛そぼろと、ほんのり苦味のあるたらの芽、甘いだし巻き、梅の酸味がこれまた美味しい海苔、やさしい味の煮豆...
味のバリエーションに富んだ、工夫を感じる素敵な一品でした。


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つづいて、「ひらめの糸作り」。お醤油ではなく「煎り酒」をつけていただきます。
このあたりもすごく料理人としてのこだわりを感じさせます。

そして、いよいよ待望のお鍋に突入。
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大きなトロがまず目に飛び込んできて、期待は高まります。
同じ大皿には葱、わかめ、クレソン、せり、うどがのっています。
鍋はお店の方がすべて仕切ってくださるので、私たちお客はお酒をちびちびしながら楽しく写真など撮影。
まず醤油出汁の入った土鍋に、葱とまぐろを投入。
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しばらく経ってから、わかめが投入されました。
そし頃合いをみてお店の方がお皿に盛り付けて、それぞれの前に提供してくださいます。
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お皿に盛られた鮪の縞目の美しいことといったら...
まっさきに箸は鮪に向かいます。
一口入れて、あ〜幸せ。脂ののった鮪はやわらかく、極上の味。
熱々の葱もトロッとしていて、これまた美味しく、わかめもいい。
味のアクセントは粗挽き胡椒ひとつ。このシンプルさが鮪のうまみや素材とぴったり。

一旦すべての具材が鍋から姿を消すと、また鮪と葱が投入され、今度はせりの順です。
そうして、また2杯目が終わり、次は鮪と葱と独活の組み合わせ。
最後がクレソンといった具合。
ごった煮ではなく、それぞれ鮪と葱を基本に+1品追加で仕立てるすごく丁寧で上品な鍋なのです。

最後にご飯をよそってくださり、上からお鍋のスープをおかけて、お茶漬け風に。
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デザートは、あまおうときんつば。
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お店を開いた料理人の山崎美香さんをはじめ、スタッフは全員女性。
お揃いのエプロンに草履姿で、店内は和やかな優しい雰囲気に包まれています。
料理もそうですが、女性ならではのとても細やかな気配りで、とても気持ちのよいお店です。

材料やサービスを考えたら、お値段もとてもリーズナブル。
日本酒も結局2人で4合も飲んでしまいました。あ〜いい気分。

江戸の味にこだわってお店をオープンしたというお店は、これだけ飲食店がひしめきあう東京にあっても
おそらく僅か。そんな綺羅星のようなお店に伺うことができ、本当にいい思い出になりました。

夏の「相並(アイナメ)の梅干し鍋」も美味しそうです。

ぜひ江戸料理に興味がある方は足を運んでみてください。

山さき
ヒトサラの紹介ページ http://hitosara.com/0006023530/

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昨年の暮れは色々あって、ブログの更新が滞っておりましたが.....
色々アップしておきたいものが溜まってしまったので、追い追い更新していこうと思います。

昨年の暮れに伺ったこちらのお店のことも、忘れず記録しておかねば!
というわけで、2週間以上経ってしまい料理の記憶はおぼろげになりかかっていますがご容赦を。

西麻布の「Margotto e Baciare マルゴット エ バッチャーレ」というレストラン。
放送作家の小山薫堂さんが、はまりにはまっているお店としてあげていたのがこちらのレストラン。
とにかくユニークなのは、まず来店したお客がトリュフを選ぶところから始まること。
藁が敷き詰められた木箱の中に、まるで何かの卵?のように鎮座しているのがトリュフ達(写真上から2番目)。厳重に湿度など管理され、大事に取り扱われています。
その中から一つ、本日のお食事のお共となるトリュフをお客自身で選びます。
選ぶポイントはトリュフの持つ「香り」だそうで、匂いを嗅ぎ比べて好みのものを選ぶのだそうです。実際に手にとって嗅いでみると、確かに一つ一つ香りが微妙に違います。個性があるのです。
お店の方が数ある中から一つのトリュフを指して
「この子がお薦めです」
と言われた時には、我が子を愛おしむような気持ちでトリュフに接するお店の方の姿勢に、私はむしろ感銘を受けてしまいました。演出も含め、実に楽しいお店です。
お食事がスタートすると、目の前でトリュフをシュシュっとスライスしてお料理にかけてくださいます。
コンソメのスープにかけていただくこちらのお料理(写真4番目)は、お店の看板料理。
トリュフを乗せるとスープの香りがひときわ芳しくなり、極上の一品に。
なんて贅沢!なんて素敵な料理でしょうか!

続いて「乳呑み仔牛のカルパッチョ」。乳しか飲んでいない仔牛を使っているので、肉に臭みがまったくなく、非常にあっさりしています。塩昆布や紅芯大根といった和の食材とのコラボが面白いです。

続にパスタ。2種類から選べ、今回は「トマトのパスタ」に。レモンの皮を細かくスライスして振りかけられていて、すごく爽やかないい香りがしました。これはトリュフなしでいただきます。もう一つのパスタ、「カルボナーラ」をチョイスした場合には、トリュフをかけるそうです。

そしてこちらの定番「目玉焼きトースト」。(写真7番目)
こんな贅沢な目玉焼きトーストは、これが人生最初で最後かもしれません。そんな一品です。
甘い濃厚なソースと黄身とトリュフが渾然一体となって、至福の時。

「甘鯛のポワレ」(写真8、9番目)は、皮の焼き方が「松笠焼き」という和食の技を使っているそうで、身は柔らかいのに皮がパリパリとしていて、その食感がたまらなく美味しいです。

蝦夷鹿のロースト」(写真10番目)。トリュフを添える最後のお料理です。
ジビエは、たまりませんな〜。

最後のお料理は「シェフにおまかせのご飯もの」ということで、その場のお楽しみメニュー。
この日は鯛の身と牛蒡の炊き込みご飯。staubの小さなお鍋に入ったものを、加山賢太シェフが直々にテーブルに運んで来てくださり、それぞれのお茶碗に盛ってくださいました。
まずはそのままで味を楽しみ、その後出汁をかけてお茶漬けにしていただくという凝った趣向。
こういう展開が来るとはビックリ・ポンです。
最後にお茶漬けとは実に心憎い演出。

トリュフ主体のフレンチレストランの認識だったので、随所に和食の素材やテイストを取り入れられていることに、驚きを禁じ得ませんでした。
加山シェフは「カンテサンス」など名だたるフレンチレストランで修行をされてきた方だそうですが、日本料理の「かんだ」でも2年間修行をしていらしたとか。甘鯛のポワレの松笠焼きはまさにその証しでしょう。

お勘定の計算書は、本の形になった木箱に入って来ます。
男女のカップルで行くと、トリュフの値札を女性に見えないようにしたり、値段の書かれていないメニューに女性が座るようになっていたり....
西麻布界隈で遊び慣れていない私のような人種には、ちょっとむず痒いようなサービスとも思えるところはありましたが、なんか大人の世界って感じで楽しかったです。
それ以上に、お料理が素晴らしかったです。
トリュフをまるごと1個買って、いろいろなお料理を楽しむという発想は、新しいなあ〜。

ご馳走様でした。

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