音楽・アートとか

聴衆を惹きつけてやまないピアニスト @Khatia Buniatishvili

サントリーホールの大ホールで開催されたカティア・ブニアティシヴィリのこの日のリサイタルは、おそらく足を運んだ誰もがこの場に居あわせた幸運に喜んだと思います。クラシックというややもすると退屈なジャンルが、これほど活力に満ち、面白いステージになるのかという感想にはおそらく異論がないと思うのです。

Khatia Buniatishvili

まさに天衣無縫
   今 もっとも美しく輝くピアニスト!!

そうチラシに書かれたキャッチも霞んでしまうほどの、彼女自身のビジュアルの強烈さは
演奏会を象徴しています。
KBuniatishvili2017-1.jpg
ピアノの片鱗もなければ、背景も真っ白。
ひたすら、カティア・ブニアティシビリという人間(女性)を全面に出した驚きのフライヤー。
憂いを帯びた瞳にみつめられると、おもわずチラシの束のなかにあっても手がとまってしまう効果ありです。
そしてこの逆s字曲線は、もっとも彼女の武器とも言えるポーズ。

そうだ!
彼女は超絶技巧を持つピアノ弾きであり、女優なのだと思った次第。

演奏会もまさに、彼女の独壇場。
叙情的な楽章ではそれこそ1音1音丁寧に、繊細な表現で弾いたかと思いきや、
嵐のようなもう音が聞き分けられないような凄いパッセージを繰り出す…
実に大胆な演奏をします。
聴いている私たちに、油断もすきもありません。

実は(テクニックは凄いと前々から思っていますが)音楽面では
どちらかというと好きじゃなかったですが、今日の演奏会で
好き嫌いはひとまず置いておくとして、アリな気がしてきました。
というのも、このステージを非常に楽しんでいる自分がいて、ちょっと驚いています。

ユジャ・ワンにもある種共通する、
聴衆の心を掴んで離さない、計算されたエンターテイメント性があると思いました。

プログラム構成もしかり。
超絶技巧をふんだんに盛り込み、聴衆を唖然とさせる見事さ。
そして、ピアニスト自身が聴衆に絶大に愛されるスターのような存在であるということ。
お高くとまって芸術家然としたピアニストは、これからの時代お呼びではないのかもしれませんね。

カティアの満場の拍手に対して、何度もお辞儀をして逆s字で会場に投げキッスを返す愛嬌たっぷりの様子に、
女の私ですら”なんてキュートで可愛い女性なのだろう…”と
思ってしまったぐらいですから、男性諸氏は全滅だと思います。

クラシックなんてつまらなくて退屈…
そんなクラシック音楽に興味のなかった層にも一石を投じる役割を
果たすのではないか、とこれからの活躍に期待です。

アンコール曲

この日のプログラム

ベートーヴェン:ピアノソナタ 第23番ヘ短調「熱情」Op.57
リスト:ドン・ジョヴァンニの回想
【休憩】
チャイコフスキー(プレトニョフ編曲):演奏会用組曲「くるみ割り人形」
 1. 行進曲 2. 金平糖の踊り 3. タランテラ 4. 間奏曲 5. トレパックの踊り 6. お茶の踊り 7. アンダンテ・マエストーゾ
ショパン:バラード 第4番 ヘ短調 Op.52
リスト:スペイン狂詩曲 S.254 R.90
リスト(ホロヴィッツ編曲):ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調 S.244

- アンコール -
ドビュッシー:月の光
リスト:メフィストワルツ
ヘンデル:Suite in G Minor HWV439 - Menuet
ショパン:Prelude

さて余談ですが、カティアには1歳年上のお姉様がいらっしゃって、その方もピアニストだそうです。
連弾をしている動画がいくつかアップされていますが、とても雰囲気が似ていらっしゃいます。

 


Khatia et Gvantsa Buniatisvhvili