音楽・アートとか

FAZIOLIを弾いてみた!

日本にはまだ僅かしか存在しないイタリアのピアノメーカーFAZIOLIのグランドピアノ。2015年9月24日にオープンした「豊洲シビックセンターホール」には、FAZIOLIのF278を設置しています。今回そのピアノを試弾させていただきました!

IMG_1554.jpeg
IMG_1555.jpeg

2013年6月14日、東京オペラシティで開かれたダニール・トリフォノフのリサイタルは、数多くの演奏会の中でもひときわ印象深いもののひとつです。
スクリャービンのピアノソナタ2番、リストのロ短調ソナタとショパンのプレリュードの全曲演奏というプログラムがまず素晴らしく、アンコール曲に弾いたストラヴィンスキーの「火の鳥」には観衆総立ちとなる、ものすごいクライマックスでした。
その時に初めて目にしたのが、FAZIOLIのピアノでした。
当時の私はファツィオリという名前を聞いたことがなくて、珍しいピアノで弾くものだなあ〜と思いました。
のちのち、トリフォノフはFAZIOLIをこよなく愛用していて、自身の演奏会には必ずと言っていいほどこのピアノを持ち込んで演奏していることを知りました。(ちなみに、翌年の横浜みなとみらいホールでの演奏会でも、FAZIOLIでした。)
余談ですが、今年のトリフォノフの来日演奏会を楽しみにしていたのに、急遽キャンセルとなりがっかりです。

以降、このピアノの音色を聴くことはありませんでした。
それぐらい珍しい楽器ですが、日本では豊洲にある「豊洲シビックセンターホール」に設置されていることは聞いていました。
そんなFAZIOLI!
なんと弾かせていただける機会をいただきました!

ピアニストの平田侑さんがこちらのホールでリサイタルを予定されており、本番前日にホールを1日貸り切っているので、練習の合間によかったら…
と声を掛けてくださったのです。
スタジオとかではなく、実際のホールでFAZIOLIをですよ!!

こんな夢のような機会は、これから一生あろうはずもないので、当然お言葉に甘えちゃいました。
IMG_1556_2.jpeg

まずはスクリャービンとショパンそれぞれプレリュードを1曲ずつ。
1週間前に松尾ホールでピアノの発表会を終えたばかりなので、スタインウェイとの比較も自分なりにできてすごくいいタイミングの試弾です。
音はスタインウェイに比べて柔らかいような気がしますが、生きている音がします。
何より違うのが、ペダル無しの音でも響きが自然に残り、ペダルを踏んでいるような残響感があるところです。
ペダルを踏まずに鍵盤を叩くと、スタインウェイにしろヤマハにしろ、指を離した瞬間ハンマーが弦から離れ音もすぐに消音するものなのですが、FAZIOLIは独特の振動が残るような感じがあります。
私のような下手くそな演奏者をも酔わせる、心地よい響きのある音色がすごく特徴的な楽器です。
弾いているうちにすっかり気持ちよくなって、まるで酔っ払いです。
約束の時間を忘れて弾いてしまいました(笑)
実に魅力的なピアノ!これが家にあったら、ずっと弾いていたくなるかも。

音色の特徴もさることながら、ピアノメーカーで唯一4本ペダルのタイプを生産しています。
この4本ペダルについては特許もとっている、特別な技術と仕様とのこと。
(ちなみにこちらのホールのFAZIOLIは3本ペダルです。)

4本ペダルが演奏会でお目見えするには時間がかかるかもしれませんね。
とはいえ、来日演奏家といえばスタインウェイ一辺倒のクラシックピアノ界に一石投じるピアノメーカーとして、
もっともっとFAZIOLIが表舞台に出て来てもいいような気がします。
まあ、4本ペダルを自在に操るためには、相当な練習量とその楽器に慣れる必要があるとは思いますけれど…

何れにしても、
このような貴重な体験をさせていただき、平田さんには心から感謝です。
どうもありがとうございました(^0^)/