朝倉摂さん

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横浜の馬車道からほど遠くない場所にBank ART Studio NYK という
大きなギャラリーがあります。
NYのソーホーのような雰囲気のするところです。
たしかにそこは(日本郵船の)倉庫でした。

9月10日(金)ー11月7日(日)
ここで、朝倉摂 "アヴァンギャルド少女" が開催されています。
回顧展にしたくないとご本人はおっしゃっておられましたが、
まだまだ現役で活躍中です。
3フロア使って展示されている内容は、摂さんの舞台美術にかけた
半生のほとんどを網羅しているといっても過言ではないほどの
大規模な内容です。

==主な展示内容==
舞台美術の1/2モデル
1960年代に新聞連載された小説(松本清張「砂の器」や水上勉「弥陀の舞」「湖の琴」「櫻守」等)の挿絵
4×9mまたは4×5mもの巨大な布にプリントした舞台写真
摂さん考案による実際の回廊式シアター
そして圧巻なのが、数百点にも及ぶ舞台デザインのためのスケッチ


DSC01413.JPG
写真は3階に展示されている舞台写真の大スクリーン。
左奥は1986年に上演された「欲望という名の電車」
右手前は1991年に銀座セゾン劇場で上演された「7人みさき」のワンシーン

DSC01411.JPG
右 1985年帝国劇場で上演された「にごり江」
左 1983年紀伊国屋ホールで上演された「走れメロス」

DSC01412.JPG
右手前「マドモワゼルモーツァルト」、右奥「欲望という名の電車」、
中央手前「7人みさき」、正面奥「オペラ源氏物語」

このサイズのスクリーンで見ると、舞台美術はいかにスケールの大きい
作品かが分かる。

DSC01406.JPG
3Fにある"Bank ART Theater"。
摂さんが考案したユニークな回廊式シアターです。
4m×1.9m×1.9mにユニット化されているので、自由自在に組み合わせる
ことが出来るそうです。
この日のトークイベント(映画監督の篠田正浩氏、演劇評論家の扇田昭彦氏と
摂さんの3人)はこの場所で行われました。

DSC01443.JPG
平成18年11月、4代目坂田藤十郎襲名公演の舞台美術スケッチ
もとは日本画家でいらした摂さんのデザインは、和洋、西洋といった枠を超えた
自由な発想で繰り広げられている。


DSC01445.JPG
朝倉摂さんデザインの衣装スケッチ。水木茂先生も喜びそうな妖怪たち。
この他に、着物の柄からデザインしているものもありました。

DSC01444.JPG
こんな緻密な設計図も描かれています。舞台は3次元だから、こういった
図面もかけないと舞台美術家にはなれないですね。

DSC01421.JPG
摂さんは猫が大好き。透明なアクリル板に猫ばっかりを描いた
作品のコーナーがあります。線が力強くて、生き生きしてて、いいでしょう!

トークイベントにも参加しました。
映画監督の篠田正浩氏と演劇評論家の扇田昭彦氏、そして朝倉摂さんの
3人と司会の方の4人。それぞれ朝倉さんと親交の深かった方達とのトークは
歴史の授業みたいで面白かったです。






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このページは、Nancyが2010年10月12日 13:47に書いたブログ記事です。

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