「逆転移」 リギョン展

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上:《蛇の口づけ》Serpent's kiss (2014)
下:《善悪の知恵の木》(2001)

1月7日までGinza Maison Hermès(銀座メゾンエルメス)で開催されていた韓国のアーティスト、リギョンの展覧会会場の風景です。

今回は珍しく写真撮影が許可されていて、こうして記録に残せるのは嬉しい限り。
青山のエスパス ルイ・ヴィトン東京の企画展示も好きなのですが、銀座メゾンエルメスで開催される展覧会は毎回見応えのあるアーティストなので、ぜひ現代アートに興味のある方にはオススメです。

さて、今回のリギョン展、2つのインスタレーションが発表されています。
写真上の《蛇の口づけ》。正直、写真を見て、いったい何が展示されてるの?と思うでしょう。
私も初め、何が作品なのか?わかりませんでした。
靴を脱いで会場内に入るスタイルになっています。係りの方が「足元が滑りやすいのでお気をつけください」と声をかけてくださり、床がいつもと違うキラキラ光る真珠貝をはめ込んだ床板になっていることに気づきました。違いといえば、それぐらいでしょうか。
解説によれば、


新作である《蛇の口づけ》は、不可視性そのものを表現することに焦点が当てられています。メゾンエルメスの空間ならではの自然光の移り変わりから、目に見えないけれどもそこにある「太陽の光を描くこと」を作家は目指します。螺鈿細工を思わせる床面とサウンドを用いたインスタレーションの中で、私たちは何を感受するのでしょうか。

どうやら、物体を見るのではなく、光を感じるアートのようです。

続いて《善悪の知恵の木》という作品。この作品は、小部屋の中全体が作品になっていて、2人ずつ順番に入って体験、鑑賞します。
写真のJの字のような入り口から入ると、カプセル錠の中のように四方がすべて丸で囲まれた空間になっています。真っ白な壁。曲面だけで構成。
ハロゲンランプでこれでもかというぐらい明るく白い壁を照らしているので、人間の感覚がちょっと狂う感じ。
どこまでいけば突き当たりなのか?立方体のような角がないので、分からず、すごく不思議な感覚に陥ります。

リギョンは1969年生まれ。ソウルを拠点に活動しているアーティストで、活動当初から「目に見えるものだけを信じるのが、いかに不完全なことか?」」という問いを、光を使ったインスタレーションによって表現すること終始一貫行っているとのこと。メゾンエルメス銀座は、(工房を持っていることも関係してか)マテリアル(革、金属、染め、クリスタルガラス など・・・)に目を向けた展覧会が多かったと思うので、今回のアーティストはちょっと異例とも感じます。
2015年はどんなアーティストが登場するのか楽しみなメゾンエルメス銀座です。

== リギョン展 ====
会期:2014年10月31日(金)〜2014年1月7日(水)
※残念ながら、展覧会は終了しています。この記事は、昨年12月23日に行った際のレポートです。

会場:銀座メソンエルメス フォーラム
   中央区銀座5-4-1 8階

公式サイト:www.hermes.com

主催:エルメス財団

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このページは、Nancyが2015年1月 9日 20:12に書いたブログ記事です。

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