「ピアニスト辻井伸行 奇跡の音色 ~恩師・川上昌裕との12年間の物語~」
涙が出ました。
久しぶりに、感動する書籍にめぐりあいました。
この本を読むきっかけとなったのは、川上昌裕さんです。
川上さんは、ロシアの作曲家カプースチン氏の演奏家、研究者として著名な方で、なんとご本人との親交も深く、2009年にピアノ曲(Op.137-138)を献呈されているほどです。現在、日本カプスーチン協会の会長もされています。
ひょんなことから、カプースチンの曲に惚れ込んでしまった私は、最近もっぱら聴いているのが彼のピアノ曲です。
雰囲気からいうとクラシックというよりJAZZなのですが、名門モスクワ音楽院ピアノ科を出ているカプースチン氏は、卓越した演奏技術を自身が持つため、高度なピアノ曲を次々に作曲。カナダのピアニスト、マルカンドレ・アムランなど、超絶技巧を誇るクラシック畑のピアニストが、彼の魅力に取り憑かれ、演奏活動やCDを出しています。
世界的には有名なカプースチンですが、日本ではまだ一部の熱狂的なファン以外にはあまりその名は知られていないのがちょっと残念です。
とにかく、クラシック通をも虜にするような曲をたくさん作曲しているカプースチン。
なかでも私が好きなのは、Andante (Op.58)という曲です。
ついついカプースチンの話になると熱くなってしまう私です(笑 時々ラスプーチンとこんがらがって、カプスーチンと言ってしまう恥ずかしい私でもあります)
話を戻すと、カプースチンがきっかけでピアニストである川上さんを知り、その川上さんが実は辻井伸行さんの才能をここまで開花させた素晴らしい師であることを川上さんのサイトで知り、この本に行き着いたのです。
期せずして、今年のニューイヤーコンサートで辻井さんの演奏を初めて聴くこともでき、これも不思議な巡り合わせです。
水戸に向かうバスの中でこの本を読み、車中で涙流して読みました。
そのぐらい胸を打つ中身です。
何がすばらしいのか?それは書かないでおきます。読めばきっとわかるので...
最後に、辻井君が演奏する美しいカプースチンの曲をどうぞ!↓
演奏:辻井伸行 カプースチン作曲 8 Concert Etudes for Piano Op.40-2