現代アートの宝庫 高橋コレクション @東京オペラシティ アートギャラリー

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久々しぶりに現代アートの展覧会で面白そうなものをみつけたので、ちょっとの合間を縫って寄ってみました。
高橋コレクション展と銘打たれているように、精神科医の高橋龍太郎氏の所蔵する現代アート作品を一挙に公開する展覧会です。高橋氏は現代アートのコレクターとして大変有名な方で、草間彌生をはじめ奈良美智、横尾忠則、村上隆、会田誠、名和晃平など、今や売れっ子の日本の若手作家の作品を多数集めておられます。森美術館で開催される彼らの展覧会には、必ずといっていいほど高橋氏の所蔵作品が出展されているといっても過言ではない、そんな日本のアートシーンを支えるコレクターです。
そんな高橋氏のコレクションは、やはり各作家の代表作や傑作と呼び名の高い作品を網羅しており、流石だなあと思いました。画商の力もあるでしょうが...
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なかでも、会田誠の作品「ジューサーミキサー」「紐育空爆之図(戦争画RETURNS)」は秀逸な作品です。「ジューサーミキサー」は図版や写真では分かり辛いですが、実物はすごく大きく(横2.1m×縦2.9m)迫力のある作品です。ジューサーミキサーの中に無数の人間が閉じ込められ、血のジュースができているという何ともオドロオドロシイ内容が描かれているのにもかかわらず、絵から受ける印象は不思議と毒を感じないという面白い作品です。

巨大な作品という意味では、西尾康之の「Crash セイラ・マス」も圧倒されます。
2.8m×4m×6mという超巨大な女性像は「陰刻鋳造」という耳慣れない手法によって造られています。見る人を驚かせる、強烈なパワーのある作品です。

須田悦弘の「雑草」は、うっかりすると見逃してしまうような場所に展示してあり、意表をつく面白さがあります。

印象に残っている作品は以下の通り。
・草間彌生 「鏡の部屋ー愛は永遠に(No.3)」 1964-86 ミクストメディア
・李禹煥 「Correspondance」 2002 油彩、キャンバス
・加藤美佳 「パンジーズ」 2001 油彩、キャンバス
・鴻池朋子 「第4章 帰還ーシリウスの曳航」 2004 アクリル、墨、雲肌麻紙、木パネル
・船越桂 「遠い手のスフィンクス」 2006 楠に彩色、大理石、皮、鉄
・西尾康之 「Crash セイラ・マス」 2005 陰刻鋳造、ファイバープラスター、鉄
・須田悦弘 「雑草」 2008 木、彩色
・塩保朋子 「cosmic perspective」 2015 合成紙
・加藤泉 「無題」 2010 木、鉄、アクリル
・池田学 「興亡史」 2006 ペン、インク、紙

このほかにも、束芋、松井えり菜、町田久美、森山大道、横尾忠則、やなぎみわ、などなど
日本の現代アート好きには見逃せない内容です。

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高橋コレクション展 ミラー・ニューロン
会期:2015年4月18日(土)〜6月28日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
詳しくはホームページをご覧ください。https://www.operacity.jp/ag/
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余談ですが....
 船越桂さんは、造形大でお世話になった大先輩。久しぶりに先生の「スフィンクス」シリーズと対面し、その魅力を再確認しました。
 6/28(土)〜8/30(日) 兵庫県立美術館で桂さんの大規模個展「私の中のスフィンクス」が開催されます。 とても見たいのですが、兵庫はちょっと遠いですね〜

このブログ記事について

このページは、Nancyが2015年6月10日 12:11に書いたブログ記事です。

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