演奏会が済んで、ほっとしている間にGWがやってきました。
この時期といえば、ラ・フォル・ジュルネ。
毎年ひとつぐらいは覗いてみたいと思いつつ、一度も参加する機会がないままになっていました。
今年のテーマは「La nature」。
自然をテーマに繰り広げられる数々の演奏会。
1週間前にピアノソロはほぼ完売状態で、間際に購入できるプログラムはあまり多くなかったのですが、その中でちょっと面白そうだなと思ったのが227番「音楽の冒険 名曲とバードシンガーがいざなう森のファンタジー」というタイトルのもの。
バードシンガーという耳慣れない名詞にさっそく反応してしまいました。
ジョニー・ラス氏とジャン・ブコー氏の2人組で活躍されているそうで、
なんと、世界中の鳥の鳴き声を自在に操ることができるのだとか。
曲はモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第28番、シューマンの「予言の鳥」、グリーグの叙情小曲集から「鳥」、ドヴォルザーク「森の静けさ」など。
これらクラシック曲とバードシンガーのコラボ、ちょっと気になります。
というわけで、友人を誘って夜9:00開演のこちらのプログラムに行ってまいりました。
この2人組、鳥の鳴き真似が上手なんていう芸域ではなく、
ステージに登場した瞬間から歌手?であり俳優です。
まず一人が、空っぽの鳥かごを手に袖から登場。
その間、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタが粛々と演奏されています。
曲が終わると、客席の後方で羽ばたかせるバタバタという音が聴こえてきました。
両手にもって、大きな羽で風を切るように音を鳴らして現れたのが2人目です。
一挙手一投足がすごく計算された演技で、すごい緊張感が舞台を支配しています。
曲の間に鳥の掛け合いがあったり...
グリーグの「小鳥」では、演奏の途中に鳥がさえずります。
目をつむると、まるで森の中で音楽が聞こえているようです。
アンコールのサンサーンスの「白鳥」は、これが見事な音楽とのコラボレーション!
まるで2羽の白鳥が湖を漂っているように、2人がステージから客席にゆっくり降りてきて、
白鳥の声がサラウンドのように空間に響き渡るのです。
その幻想的な音楽は、まさに芸術。
会場から溢れんばかりの拍手喝さいでした。
なかなか臨場感を言葉で表現するのは難しいです。
Youtubeで彼らのステージの一部を垣間見れる動画がありました。
この動画を見ると、彼らの鳥のさえずりはもはやオーケストラの一つのパートのようですね(^o^)
Birdyphoniaという言葉があるようです。日本語に訳すとなんというのでしょう。
彼らのようなパフォーマンスがどんどん活躍していくのかも?
動向が気になります。
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曲目:
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第25番 ト長調 K.301
シューマン:予言の鳥(「森の情景」Op.82から)
ドヴォルザーク:森の静けさ(「ボヘミアの森から」Op.68から)
グラナドス:嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす(「ゴイェスカス」から)
グリーグ:小鳥(「叙情小曲集 第3集」Op.43から)
シューマン:予言の鳥(「森の情景」Op.82から/ヴァイオリンとピアノのための編曲版)
カザルス:鳥の歌
リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
パールマン:小鳥は歌う
ロッシーニ:オペラ「泥棒かささぎ」序曲
演奏:
ジョニー・ラス&ジャン・ブコー(鳥のさえずり)
Jean Boucault et Johnny Rasse (Bird singers)
ジュヌビエーヴ・ロランソー(ヴァイオリン)
Genevieve Laurenceau (Violin)
シャニ・ディリュカ(ピアノ)
Shani Diluka (Piano)
Les chanteurs d'oiseaux Birdyphonia from chanteursoiseaux on Vimeo.